モシモニア
避難・防災行動

地震が起きた瞬間の身の守り方|「まず低く・頭を守り・動かない」と場所別の初動

カエデ避難計画・防災情報担当
・ 約9分で読めます
地震が起きた瞬間の身の守り方|「まず低く・頭を守り・動かない」と場所別の初動

地震の揺れは、多くの場合1分ほどで収まります。その短い時間に何をするかで、けがのしやすさが変わってきます。とはいえ、いざ大きく揺れると体は思うように動きません。だからこそ、揺れた瞬間の動きをあらかじめ「型」として知っておくと役立ちます。ここでは特定の地震を怖がるためではなく、消防庁や東京消防庁などが示す基本の身の守り方と、自宅・外出先・移動中など場所別の初動を、脅さずに手順として整理します。

この記事は「揺れている最中から収まるまで」の身の守り方に絞ってまとめます。家具そのものを倒れにくくする備え、海や川の近くでの津波避難、南海トラフ地震臨時情報が出たときの過ごし方は、それぞれ別のテーマとして次の記事で扱っています。

あわせて読みたい

家具の固定と寝室の安全対策|地震のけがを減らす週末1回の作業手順

基本は「まず低く、頭を守り、動かない」

揺れを感じたときの基本は、安全確保行動1-2-3「まず低く(Drop)、頭を守り(Cover)、動かない(Hold On)」です。これは世界各地で行われている地震訓練シェイクアウトで共有されている合言葉で、丈夫な机の下などに入り、頭と首を守って、揺れが収まるまで待つという行動です。

  1. 1

    まず低く|姿勢を低くする

    立っていると強い揺れで転びやすくなります。すぐにその場で姿勢を低くし、重心を下げます。
  2. 2

    頭を守り|丈夫な机の下へ

    丈夫な机やテーブルの下に入り、頭と首を守ります。机がなければ、かばん・座布団・クッションなどで頭を覆います。
  3. 3

    動かない|脚をつかんで待つ

    机は揺れで動くことがあるため、脚をつかんで一緒に動きます。揺れが収まるまで、その場で待ちます。

このとき、あわてて外へ飛び出さないことが大切とされています。屋外は窓ガラスや看板、ブロック塀などの落下・転倒の危険があり、かえって危ないことがあります。丈夫な机がない場合も、「頭を守る」「倒れてくる家具や落ちてくるものから離れる」を優先します。

「まず低く、頭を守り、動かない」の安全確保行動1-2-3は日本シェイクアウト提唱会議、屋内で身を守る行動の要点は東京消防庁「地震 その時10のポイント」によります。

緊急地震速報が鳴ったら|数秒でできること

緊急地震速報を見聞きしてから強い揺れが来るまでは、長くても数秒から数十秒とされています。この短い時間でできることは限られるので、まず自分の身を守ることに徹します。

ヒント

速報が鳴ったら、頭を守って丈夫な机の下に入る、テレビや本棚など倒れてくるものから離れる、火は無理に消しに行かない、運転中なら急ブレーキを避けてゆっくり減速する。この「まず身を守る」を、ふだんから体が動くようにしておくと落ち着けます。

緊急地震速報を見聞きしたときの身の守り方は気象庁「緊急地震速報について」によります。

場所別の初動|今いる場所で頭を守る

やることは共通でも、危険なものは場所によって変わります。今いる場所で「何から離れ、どこで頭を守るか」をイメージしておきましょう。

自宅のリビング

丈夫な机やテーブルの下に入り、脚をつかんで頭を守ります。テレビ、本棚、食器棚、窓ガラス、照明器具から離れます。

寝室

寝ているときは、まくらや布団で頭を守ります。枕元にスリッパ(または厚手の靴下)と懐中電灯、ホイッスルを置いておくと、割れたガラスの上を歩かずにすみ、暗くても動けます。背の高い家具は寝る位置から離しておくと安心です。

キッチン

無理に火を消しに行かず、まずコンロから離れます。食器棚、冷蔵庫、電子レンジ、包丁など、倒れる・落ちる・飛ぶものから距離を取ります。今の家庭用ガスは強い揺れを感知すると自動で供給を止める仕組みが多く、火の始末は揺れが収まってから落ち着いて行います。

トイレ・浴室

まずドアを開けて出口を確保します。揺れでドアがゆがんで開かなくなることを防ぐためです。頭上の照明や鏡、収納棚に注意し、頭を守ります。

屋外・住宅街

ブロック塀、自動販売機、電柱、看板、窓ガラスなど、倒れる・落ちるものから離れます。かばんや腕で頭を守り、できれば公園などの広い場所へ移動します。

オフィス・商業施設

コピー機、ロッカー、書棚、陳列棚、ガラス、吊り下げ照明から離れ、机の下などで頭を守ります。あわてて出口に殺到せず、係員や館内放送の誘導に従います。

エレベーター

すべての階のボタンを押し、最初に止まった階で降ります。閉じ込められた場合は、非常用ボタンやインターホンで連絡し、無理にこじ開けず救助を待ちます。

駅のホーム・電車内

ホームでは柱の近くに寄るかその場でしゃがみ、表示板や照明から離れます。線路には絶対に降りません。走行中の車内では、手すりやつり革をしっかり握り、勝手にドアを開けて降りないようにします。

車の運転中

あわてず、ハザードランプを点けて徐々に減速し、道路の左側に停止します。揺れが収まるまで車内で待ちます。やむを得ず車を置いて避難するときは、エンジンを止め、キーは付けたままにするか車内の分かりやすい場所へ置き、窓を閉めてドアはロックしません。緊急車両の妨げにならないための配慮です。可能なら車検証など貴重品を持ち出し、カーラジオで情報を確認します。

場所別の身の守り方は東京消防庁「地震 その時10のポイント」、エレベーターでの初動は消防庁「地震防災マニュアル(8.エレベーター)」、運転中の停止と避難時の措置は警察庁「大地震が発生したときに運転者がとるべき措置」によります。

沿岸や海・川の近く、あるいは海辺の駅や車の中で強い揺れを感じたときは、揺れが収まったら津波に備えてすぐ高い所へ移動します。

あわせて読みたい

津波から命を守る避難|「より早く・より高く」の基本と家族で決めておくこと

揺れが収まったら|あわてず確認する順番

揺れが収まっても、すぐに動き回らず、順番に確認していくと落ち着いて行動できます。

  1. 1

    火元とブレーカー

    火を使っていたら落ち着いて止め、ガスの元栓を締めます。その場を離れて避難するときは、電気が復旧したときの通電火災を防ぐため、ブレーカーを切ってから出ます。
  2. 2

    出口の確保と足元

    窓や戸を開けて出口を確保します。割れたガラスや落ちた食器でけがをしないよう、スリッパや靴を履いて足元を守ります。
  3. 3

    家族と周囲の安否

    家族や周りの人に声をかけ、けが人がいないか確かめます。無理な救助はせず、危険なら周囲に知らせます。
  4. 4

    余震と情報収集

    大きな揺れの後は余震に注意します。テレビ・ラジオ・自治体の公式発信など、確かな情報で状況を確認し、うわさやデマに流されないようにします。

注意

停電のあとに電気が復旧すると、倒れた家電や傷んだ配線から火が出る「通電火災」が起こることがあります。避難で家を離れるときは、ブレーカーを切っておくのが望ましいとされています。実際の判断は、自治体や公的機関の最新情報を優先してください。

ふだんの備えとして、南海トラフ地震臨時情報が出たときの過ごし方も、あわせて確認しておくと安心です。

あわせて読みたい

「南海トラフ地震臨時情報」が出たら家庭は何をする?注意・警戒でやること

よくある質問

丈夫な机がないときはどうすればいいですか
座布団やクッション、かばんなどで頭と首を守り、倒れてくる家具や落ちてくるもの、窓ガラスから離れて低い姿勢を取ります。机がなくても『頭を守る』『危険なものから離れる』を優先するのが基本とされています。
すぐに火を消しに行ったほうがいいですか
揺れている間は無理にコンロへ近づかないのが基本とされています。今の家庭用ガスは強い揺れを感知すると自動で供給を止める仕組みが多く、まず身の安全を確保し、揺れが収まってから落ち着いて火の始末をします。
揺れを感じたらすぐ外に逃げるべきですか
あわてて外へ飛び出すのは避けたほうがよいとされています。屋外は窓ガラスや看板、ブロック塀の落下・転倒の危険があります。まず室内で頭を守り、揺れが収まってから周囲の状況を見て動きます。
エレベーターで揺れたらどうしますか
すべての階のボタンを押し、最初に止まった階で降りるのが基本とされています。閉じ込められた場合は、非常用ボタンやインターホンで連絡し、無理にこじ開けず救助を待ちます。

まとめ|「まず低く・頭を守り・動かない」を家族の合言葉に

地震が起きた瞬間に覚えることはシンプルです。まず低く、頭を守り、動かない。あわてて外へ飛び出さず、火は後回しにして、まず自分の身を守る。場所が変わっても、頭を守り、倒れてくる・落ちてくるものから離れる、という基本は同じです。揺れが収まったら、火元とブレーカー、出口と足元、家族の安否、余震と情報の順に落ち着いて確認しましょう。特別な道具はいりません。今日、家の中で「頭を守れる丈夫な机」と「逃げ道になる出口」を家族で見ておくことが、いちばんの備えになります。

今日からの一歩

  • 家の中で頭を守れる丈夫な机と、逃げ道になる出口を家族で確認する
  • 寝室の枕元にスリッパ・懐中電灯・ホイッスルを置く
  • 『揺れたら、まず低く・頭を守り・動かない』を家族の合言葉にする
  • 職場・学校・よく行く店・駅など外出先で、どこに身を寄せるかイメージしておく

出典・参考

この記事をシェア

関連する記事

避難・防災行動

津波から命を守る避難|「より早く・より高く」の基本と家族で決めておくこと

強い揺れや長くゆっくりした揺れを感じたら、警報や避難指示を待たずに高い所へ。津波警報の3種類と発表の速さ、避難したら戻らない理由、「より高く」を優先する考え方を、気象庁と内閣府の目安に沿って整理しました。家族であらかじめ決めておくことまで、脅さずに手順にまとめます。

災害別の対策

「南海トラフ地震臨時情報」が出たら家庭は何をする?注意・警戒でやること

南海トラフ地震臨時情報の3つのキーワード(調査中・巨大地震注意・巨大地震警戒)の意味と、それぞれで家庭が再確認・準備することを、気象庁と内閣府の目安に沿って整理しました。すぐ逃げられる態勢、非常持出品、家具固定、避難場所と経路の確認、1週間の警戒期間の考え方まで、脅さずに実行手順にまとめます。