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防災用品の置き場所|「分散収納」でいざというとき取り出せる備えにする

ミナト編集長 / 備蓄・非常食担当
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防災用品の置き場所|「分散収納」でいざというとき取り出せる備えにする

防災用品をひととおりそろえたのに、いざというとき「どこにしまったか思い出せない」「奥に押し込んで取り出せない」となっては、備えが働きません。備えの仕上げは「何を買うか」ではなく「どこに何を置くか」です。この記事では、防災用品を一箇所に集中させず家の中に分けて置く「分散収納」の考え方と、置き場所の決め方を整理します。

なぜ一箇所集中が弱いのか|分散収納の考え方

防災用品を押し入れの奥に全部まとめておくと、二つの弱点が生まれます。ひとつは、いざというときに取り出せないこと。夜間の停電や強い揺れの直後に、奥の箱を引っぱり出す余裕はありません。もうひとつは、その場所が被害を受けると備えが丸ごと使えなくなることです。

そこで役立つのが、家の中の複数の場所に分けて置く「分散収納」です。取り出しやすさが上がり、一部屋が使えなくなっても他の場所の備えが残ります。首相官邸の案内でも、備蓄品は自宅に、非常用持ち出しバッグはすぐ持ち出せるようにと、性格の違う備えを分けて置く考え方が示されています。

備蓄品と非常持ち出し品を分け、持ち出し品は「すぐ持ち出せる状態」にしておくという考え方は、首相官邸「災害が起きる前にできること」で示されています。

まず二つに分ける|「持ち出す品」と「在宅避難用」

分散収納の土台は、備えを性格で二つに仕分けることです。

区分目的置き方
持ち出す品(一次の備え)避難するとき最初に持ち出すリュックにまとめ、玄関など出口近くに
在宅避難用(二次の備え)自宅で数日過ごすための備蓄分散して収納。日常でも使う場所に

消防防災博物館の解説では、避難時に最初に持ち出す「一次持ち出し品」と、安全を確認してから自宅に取りに戻る「二次持ち出し品」に分けて考える整理が紹介されています。持ち出し袋は両手が使えるリュックにまとめ、目につきやすい所に置くのが基本です。

一次・二次の持ち出し品という分け方や、持ち出し品を目につきやすい所に置くことは、消防防災博物館「非常用品(備蓄品・非常持ち出し品)の準備」で紹介されています。

ヒント

持ち出し袋は詰め込みすぎると持って動けません。中身の重さの目安は、無理なく背負える範囲にとどめましょう。何を入れるかは持ち出し袋の記事にまとめています。

あわせて読みたい

非常用持ち出し袋の中身チェックリスト|最初の一晩をしのぐための必需品と選び方

場所別|どこに何を置くか

分散といっても、置く場所と品物には相性があります。わが家の間取りに当てはめてみてください。

  1. 1

    玄関・出口近く:持ち出し袋

    避難で最初に通る場所に、持ち出し用リュックを置きます。すぐ持ち出せることが最優先なので、下駄箱の上やシューズクローク内など、動線上で手が届く位置にします。
  2. 2

    寝室・枕元:ライト・靴・ホイッスル

    夜間の被災に備え、懐中電灯やヘッドライト、スリッパや底の厚い靴、笛(ホイッスル)を枕元に置きます。割れたガラスから足を守り、閉じ込められたとき音で居場所を知らせるための最小セットです。
  3. 3

    キッチン・収納:在宅避難用の備蓄

    水・食料・カセットコンロ・非常用トイレなどは、床下収納や棚に分けて置きます。日常でも出し入れする場所にすると、後述のローリングストックが回しやすくなります。
  4. 4

    車・物置・2階:予備と分散先

    車のトランクに水やブランケット、簡易トイレを少量。物置や2階にも予備を分けておくと、1階が浸水しても手元に残ります。車内は高温になるため、食品は温度に強いものを選びます。

注意

分散させると、逆に「どこに何があるか分からない」状態になりがちです。置き場所を決めたら、収納の外側にラベルを貼る、家族で共有するメモを1枚作るなど、見える化をセットにしてください。

家族全員が置き場所を知っていること

どんなに整えても、置き場所を知っているのが1人だけでは、その人が不在のとき機能しません。備えは「家族全員が取り出せる」状態でこそ働きます。

防災リュックの場所を、実は子どもが知らなかった、という家庭は多いです。置き場所を家族で一度共有するだけで、安心感が変わります。
小学生2人の保護者

年に一度でよいので、家族で「何が・どこに」を口に出して確認しましょう。子どもには、寝室のライトと玄関のリュックの場所だけでも伝えておくと、いざというとき自分で動けます。持ち出し袋は重すぎないか、実際に背負ってみる機会にもなります。

ローリングストックとの動線をそろえる

在宅避難用の備蓄は、しまい込むと期限切れの温床になります。分散収納の置き場所は、日常の動線に重ねるのがコツです。ふだん食べる食品を少し多めに持ち、食べたら買い足すローリングストックの棚を、そのまま備蓄の分散先の一つにしてしまえば、点検しなくても中身が自然に入れ替わります。

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ローリングストックの始め方|「食べながら備える」を今日から回す3ステップ

「災害用」と「日常用」を別の場所に分けるほど、災害用は忘れられて古くなります。日常で手が触れる場所に置くことが、結果的にいちばん確実な点検になります。

年に数回、置き場所を見直す

置き場所は一度決めて終わりではありません。子どもの成長、家族の増減、模様替えや引っ越しで、最適な場所は変わっていきます。

メモ

防災の日(9月1日)や季節の変わり目など、覚えやすいタイミングを「置き場所の点検日」に決めておくと続きます。期限のチェックと一緒に、置き場所が今の暮らしに合っているかも見直しましょう。

よくある質問

防災用品は結局まとめた方が管理しやすいのでは?
管理のしやすさなら一箇所集中に分がありますが、いざというときの取り出しやすさと、被害で全滅しないことを重視すると分散が有利です。持ち出し袋だけは玄関にまとめ、備蓄は日常の収納に分散する、という折衷が現実的です。
分散するとどこに何があるか分からなくなります
置き場所リストを1枚作り、家族で共有するのがおすすめです。収納の外側にラベルを貼るだけでも探す時間が減ります。見える化と分散はセットで考えてください。
車に防災用品を置いても大丈夫ですか
予備の分散先として有効ですが、車内は夏に高温、冬に低温になります。食品や電池は温度変化に強いものを選び、水やブランケット、簡易トイレなど劣化しにくいものを中心にすると安心です。定期的な入れ替えも忘れずに。
賃貸で収納が少なく、分散する場所がありません
大きなスペースは不要です。玄関にリュック1つ、枕元にライトと靴、キッチンの棚に水と食料、と小さく分けるだけでも分散になります。ベッド下や家具の隙間も収納先として使えます。
寝室には最低限、何を置けばよいですか
夜間の被災を想定し、明かり(懐中電灯やヘッドライト)、足を守る靴やスリッパ、居場所を知らせる笛の3点が基本です。停電で真っ暗な中でも手が届く枕元に置いてください。

まとめ|置き場所まで決めて、備えは完成する

防災用品は、そろえた時点ではまだ半分です。「どこに置くか」を決め、家族で共有し、日常の動線に重ねて初めて、いざというときに取り出せる備えになります。今日は、持ち出し袋の置き場所を玄関に決めることから始めてみてください。

置き場所を整える最初の一歩

  • 持ち出し袋を玄関など出口近くの取り出しやすい場所に置く
  • 寝室の枕元にライト・靴・笛の3点を置く
  • 在宅避難用の備蓄は日常で使う収納に分散する
  • 置き場所リストを1枚作り、家族全員で共有する
  • 防災の日など年に数回、置き場所と期限を見直す

何をどれだけ備えるかは、備蓄品リストの記事で目安をまとめています。あわせて整えていきましょう。

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出典・参考

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