窓ガラス・食器棚の飛散防止|賃貸でもできる割れたガラスのけが対策

家具の固定は意識していても、ガラスの飛散対策までは手が回っていない、という声をよく聞きます。けれども地震や台風でけがをする原因の一つが、割れて飛び散ったガラスです。窓、食器棚、額縁、テレビ。家の中には意外とガラス面が多く、割れると床一面が危険地帯になります。この記事では、賃貸でも進められる飛散防止の考え方と手順を、平時にできること・台風前にできること・片付け時の安全に分けて整理します。
なぜガラスの飛散が危険なのか
東京消防庁は、近年の地震で負傷した人のうち、家具類の転倒・落下・移動が原因のものがおおむね3割から5割を占めるとしています。あわせて、割れた窓ガラスや照明器具などのガラス片も、屋内での負傷の要因として注意が呼びかけられています。
大きな揺れや強風で窓や食器棚のガラスが割れると、破片は思った以上に広い範囲に飛び散ります。困るのは、その後です。停電した部屋で足元が見えないまま動けば、素足やスリッパ越しにガラスを踏んでけがをします。足を切ってしまうと、そこから先の避難も、家族の手当ても動きが鈍ります。つまりガラス対策は「割れても、その後に動ける自分を守る」ための備えです。
避難経路の途中にガラスが散っている状況も避けたいものです。玄関までの動線、寝室から出口までの通り道は、特にガラス面の飛散対策を優先しましょう。
平時にできる主役は飛散防止フィルム
一番効果が安定するのは、割れても破片が飛び散らないようにフィルムを貼っておくことです。窓だけでなく、食器棚や本棚のガラス扉、姿見にも使えます。
フィルムの選び方
建築窓ガラス用フィルムには日本産業規格(JIS A 5759)があり、飛散防止性能などが定められています。日本ウインドウ・フィルム工業会は、規格に適合した製品の目印として「JIS A 5759適合品ラベル」を案内しています。
| 見るポイント | 目安 |
|---|---|
| 飛散防止性能の表示 | JIS A 5759適合品ラベル、または飛散防止と明記されたもの |
| 貼る位置 | 防災目的なら室内から貼る内貼り用で十分 |
| 透明度 | 見た目を変えたくないなら透明タイプ、目隠しも兼ねるならすりガラス調 |
| サイズ | 貼る面より一回り大きいものを選び、あとでカットする |
賃貸でも、ガラスに貼るタイプのフィルムは原則として原状回復の範囲で扱えることが多いですが、契約内容は物件により異なります。心配な場合は貼ってはがせるタイプを選び、退去時の扱いを管理会社に確認しておくと安心です。
貼り方の要点
- 1
ガラスをしっかり掃除する
ほこりや油分が残ると気泡やはがれの原因になります。中性洗剤を溶かした水で拭き上げます。 - 2
霧吹きで水をたっぷり吹く
中性洗剤を少量混ぜた水を、ガラス面とフィルムの粘着面の両方にしっかりスプレーします。水があることで位置を微調整できます。 - 3
フィルムを貼り、位置を合わせる
上から下へ空気を追い出すように置きます。大きな窓は二人で持つと扱いやすくなります。 - 4
スキージーで水と気泡を抜く
中心から外へ向けて水を押し出します。付属のヘラやカードでも代用できます。 - 5
はみ出しをカットする
乾く前にカッターで枠に沿って切りそろえます。仕上げに乾拭きします。
ヒント
フィルム以外の飛散対策
フィルムがすぐ用意できない、貼るのが難しい、という場合でも打てる手はあります。
- 厚手のカーテンやブラインドを閉めておく。破片が室内へ飛ぶ勢いをやわらげます。就寝時や台風接近時は閉めるのを習慣にしましょう。
- 食器棚は扉が開かないよう開放防止器具(耐震ラッチなど)を付ける。中の食器が飛び出すのを防ぎます。
- 寝室の窓際やガラス面の近くにベッド・布団を置かない。配置を変えるだけの、費用のかからない対策です。
- 枕元に厚底のスリッパか運動靴を用意する。割れたガラスの上を歩くときの足元を守ります。
台風のときの窓ガラス対策
台風では、飛んできた物が窓に当たって割れる「飛来物」が主な脅威です。地震とは対策の重点が少し変わります。
- 雨戸やシャッターがあれば必ず閉める。飛来物から窓を守る最も確実な方法です。
- 雨戸がない窓は、内側から飛散防止フィルムを貼る、段ボールやプラスチック段ボールを当てるなどで補います。
- カーテンを閉めておく。万一割れたときに破片の飛散をやわらげます。
養生テープの正しい理解
注意
養生テープは「割れない窓」を作る魔法ではありません。効果と限界を正しく理解したうえで、あくまで補助として使うのが安全です。剥がしやすい養生テープを使い、粘着が残りにくいうちに剥がすと窓を傷めにくくなります。
割れてしまったあとの片付け
公的機関は、被災後の片付けではけがの防止として厚手の手袋や底の厚い靴の着用を勧めています。無理をせず、安全を最優先に進めましょう。
割れたガラスの片付けは、二次的なけがが起きやすい場面です。次の順番を守ると安全です。
- 1
装備を整える
厚手の手袋、底の厚い靴かスリッパ、長袖・長ズボン。可能ならマスクとゴーグルも。 - 2
大きな破片から拾う
ほうきとちりとりで集めます。素手で拾わないこと。 - 3
細かい破片を取る
濡らした新聞紙や粘着ローラー、掃除機で残った微細な破片を回収します。 - 4
安全に捨てる
厚紙で包む、二重の袋に入れるなど、自治体のごみ出しルールに従って処分します。
よくある質問
賃貸でも飛散防止フィルムは貼れますか
養生テープを貼れば台風で窓は割れませんか
フィルムはどの窓から貼ればよいですか
複層ガラス(ペアガラス)にもフィルムは貼れますか
今日からの一歩
完璧を目指さなくて大丈夫です。まずは寝室と食器棚から、できる対策を一つずつ足していきましょう。
ガラスの飛散防止チェック
- 寝室の窓・食器棚のガラスに飛散防止フィルムを貼る(またはカーテンを閉める習慣をつける)
- フィルムはJIS適合品を目印に選ぶ
- 食器棚に扉の開放防止器具を付ける
- ガラス面の近くで寝ない配置にする
- 枕元に厚底スリッパか運動靴を置く
- 厚手の手袋と底の厚い靴を片付け用に用意する
住まいの安全は、家具の固定とガラス対策を合わせて考えると効果が高まります。あわせて次の記事も参考にしてください。
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