家庭用雨水タンクの選び方比較|断水時のトイレ・掃除に使う生活用水を「ためておく」4タイプと自治体の助成


断水が起きたとき、飲み水はペットボトルの備蓄や給水所でなんとかなっても、トイレを流す水、床や道具を洗う水、泥汚れを落とす水といった「飲まない水」は想像以上に足りなくなります。この記事で扱うのは、屋根に降った雨を竪(たて)どいから引き込んでためておく、家庭用の雨水タンクです。据え置き型・スリム型・折りたたみ型と、集水器などの接続部品を4つのタイプに分け、容量・設置スペース・満水時の処理・蛇口の高さ・ボウフラ対策の5つの軸で比べます。あわせて、賃貸やマンションで使えるかの考え方と、多くの自治体が設けている設置助成の確かめ方も整理します。
ヒント
前提|雨水タンクの水は「飲まない水」
最初に押さえておきたいのは、雨水タンクにためた水は飲み水ではない、という点です。雨はきれいに見えても、屋根や雨どいを流れるあいだに砂ぼこりや落ち葉、鳥のふんなどが混じります。
国土交通大臣が定めた「雨水の利用の推進に関する基本方針」は、雨水の利用のための施設で処理された雨水の水質は、通常、飲用や清浄な水を必要とする用途には適さないとしています。同じ方針は、不特定多数の人が雨水の水栓を使える場合には、児童などによる誤飲・誤用がないよう水栓の管理を十分に検討する必要がある、とも述べています。これは主に建物の施設を想定した記述ですが、家庭でも考え方は同じです。
注意
では何に使えるのか。雨水の利用の推進に関する法律は「雨水の利用」を、貯留した雨水を水洗便所の用、散水その他の用途に使用すること、と定義しています。基本方針はこれに加えて、清掃用水や、消火や災害時の使用に備える防災用水としての確保も用途に挙げています。墨田区も、雨水活用の利点として、災害のときに初期消火の水や生活用水に使えることを挙げています。
雨水の水質と用途は、国土交通省「雨水の利用の推進に関する法律」のページ(第2条の定義)と「雨水の利用の推進に関する基本方針」、墨田区「雨水利用施設の設置助成」の記述によります。
断水時に雨水が役立つ場面|能登半島地震の事例から
雨水の利用の推進に関する法律は平成26年5月1日に施行されました。第12条には、国と地方公共団体は、災害時における身近な水源としての雨水の有用性を含め、雨水の利用について普及啓発に努める、と書かれています。国土交通省は、雨水を水洗トイレ用水・散水などに使うことで、緊急時の代替水源としての利用や平常時の節水効果が期待されると説明しています。
その具体例として国土交通省が紹介しているのが、令和6年能登半島地震での施設の事例です。
- 能登空港ビル(石川県輪島市): もともと屋根の雨水を地下の雨水貯留槽(500立方メートル)にためてトイレ洗浄水に使っていました。地震当日は非常用発電設備で火災が起きポンプが動かせませんでしたが、1月2日に非常用発電を復旧して雨水をくみ上げ、トイレ洗浄に使い始めました(このときは手洗いには使えず)。1月6日に給水車の給水が始まるまでは、雨水だけでトイレ洗浄水をまかなっています。給水開始後は給水車の水と組み合わせて手洗いもできるようになり、避難者や地域住民、自衛隊・消防・警察など1日3,000人(推定)がトイレを使ったとされています
- コンセールのと(石川県能登町): 屋根の雨水を地下の雨水貯留槽(約30立方メートル)にためてトイレ洗浄水に使っていた施設で、設備に損壊がなかったため、断水中も水洗トイレとして地域住民に開放できました。1月2日からは近くの河川の水も小型ポンプで貯留槽に補給し、雨水と合わせてトイレ洗浄水に使っています
法律の施行日は国土交通省「雨水の利用の推進に関する法律」のページ、第12条の内容はe-Gov法令検索の条文、施設の事例は国土交通省「令和6年能登半島地震 雨水の有効利用事例」(PDF)の記述によります。国土交通省は、平時から雨水の利用を進め、発災時の代替水源として備えることが重要としています。
これらは地下に大きな貯留槽とポンプを備えた公共性の高い施設の例で、家庭用の雨水タンク(多くは100〜250リットル程度)とは規模がまったく違います。それでも「平常時から使っている水が、断水時にそのまま頼れる水になる」という考え方は、家庭でもそのまま生かせます。
家庭で断水中に雨水を使う場面は、おもに次のようなものです。
- トイレを流す水: ただし、使ってよいのは排水管や下水道が無事と分かってから(次の注意を参照)
- 掃除用の水: 床のふき掃除、道具やバケツの洗浄
- 泥汚れを洗い流す水: 長靴、スコップ、玄関まわりの土砂
- 庭木や家庭菜園の水やり、夏場の打ち水
トイレを流すのに必要な水の量も知っておきましょう。TOTOは、断水時にバケツで便器を流す方法として、バケツ1杯分(6〜8リットル程度)の水を一気に流し込み、さらに静かに3〜4リットルを流すこと、排水管の途中に汚物が停滞しないよう2〜3回に一度は多め(10〜12リットル)に流すことを案内しています。1回あたりおよそ10リットル前後と考えると、満水の200リットルでも単純計算で20回前後です。雨水タンクは「トイレの水を丸ごとまかなう設備」ではなく、生活用水の心強い上乗せと考えるのが現実的です。
注意
バケツでの流し方と水量はTOTO「断水時のトイレの使い方」、地震後の排水設備の注意は東京都下水道局「災害時のトイレ対策について」の記述によります。便器の種類によって適切な水量は異なるため、お使いのメーカーの案内もご確認ください。
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どれくらいたまる?|屋根の面積と雨量からの目安
雨の量を表す「1ミリ」は、1平方メートルの面積に深さ1ミリの水がたまる量で、体積にすると1リットルです。たとえば竪どい1本が受け持つ屋根の面積が20平方メートルなら、10ミリの雨で計算上は約200リットルが集まることになります。実際には、屋根で蒸発したり集水器で取りこぼしたりするので計算より少なくなりますが、まとまった雨なら、ひと雨で家庭用タンクが満水近くになりうる、という感覚はつかめます。墨田区の助成制度の利用者からも「思ったより雨水がたまる」という声が寄せられています。
容量を決めるときは、次の2点から考えると選びやすくなります。
- 置ける場所の広さと、満水時の重さに床(地面)が耐えられるか: 水は1リットルで約1キロなので、200リットルなら約200キロです
- ふだん何に使うか: 水やりや洗車で毎週使い切るなら100〜150リットルでも回り、断水時の上乗せも意識するなら200リットル以上や連結で増やす、といった考え方ができます
選ぶ前に見る5つの軸
雨水タンクの比較で見ておきたいのは、次の5つです。
- 容量: 100〜250リットル程度の製品が多く、連結して増やせるものもあります。自治体の助成には容量の下限がある場合があります(横浜市は100リットル以上、大阪市は80リットル以上)
- 設置スペース: 竪どいのすぐ横に置く必要があります。幅と奥行き、エアコン室外機や通路との干渉を実測します
- 満水時の処理(越流): 満水になったあとに余った雨水をどう逃がすか。竪どいに戻す仕組みの集水器を使うもの、タンク上部の口からあふれさせるものなど、製品によって異なります。あふれた水が隣家や基礎まわりに流れないかを確認します
- 蛇口の高さ: 蛇口の下にバケツやじょうろが入るか。入らない場合は架台(スタンド)で本体を持ち上げる方法があります。断水時にバケツで水をくむことを考えると、ここは意外に重要です
- ボウフラ対策: ふたが閉まるか、流入口や越流口に網があるか。雨水をためる以上、蚊の発生源にしない工夫が欠かせません
メモ
4タイプを比較する
| タイプ | 容量の目安 | 設置スペース | 満水時の処理 | 蛇口の高さ | ボウフラ対策 | 価格の目安 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 据え置き型(樽・円筒形) | 100〜250L前後。連結で増やせるものも | 竪どいのすぐ横に本体と足元の余裕が必要 | 集水器で竪どいに戻すものが多い | 架台付き・別売架台で調整できるものがある | 密閉型でふた付きのものが多い | 1万円台〜4万円台前後(架台付きセットは5万円以上も) |
| スリム・省スペース型 | 100〜200L前後 | 奥行きを抑え、壁ぎわや狭い通路向き | 取水器(集水器)付きのものが多い | 高さを稼げる縦長の形が多い | 密閉型が多い | 3万円台〜4万円台前後が中心(大容量は6万円台前後も) |
| 折りたたみ・簡易型 | 50〜500Lまで幅広い(200L前後が多い) | 広げると円筒形で場所を取るが、使わない時期はたためる | 上部からあふれる製品が多い | 低い位置に蛇口がある製品が多い | ふた・網の有無は製品差が大きい | 数千円台が中心 |
| 集水器・接続部品 | (タンクではない) | 竪どいに取り付け | 満水後に竪どいへ戻す機能をもつものがある | 本体の高さと合わせて取り付け位置を決める | 落ち葉よけのフィルター付きもある | 1,500〜5,000円前後 |
価格・容量は執筆時(2026年9月)に楽天市場・Yahoo!ショッピングの検索結果で見られた代表的な商品の範囲をもとにした目安で、特定商品の価格を示すものではありません。仕様はメーカー公表値を確認してください。
タイプ1|据え置き型(竪どいに接続する定番)
家庭用雨水タンクの定番です。多くは竪どいの途中に集水器(取水器)を取り付け、ホースでタンクに雨水を引き込みます。国土交通省のパンフレット「雨水活用のススメ」も、既存の竪どいに雨水タンクを接続すれば、その日から雨をためることができると紹介しています。密閉構造でふた付きの製品が多く、蛇口が付いているので、バケツやじょうろにそのまま水をくめます。
容量は100〜250リットル程度が中心で、同じ製品を2台・3台と連結できるシリーズもあります。竪どいの形(丸どい・角どい)と太さに集水器が合うかは、必ず購入前に確認してください。
据え置き型の家庭用雨水タンク(竪どい接続・蛇口付き 100〜250L)
広告価格の目安: 1万円台〜4万円台前後が目安(容量・メーカーで幅がある)
最初の1台に選びやすい定番タイプです。「密閉構造・ふた付き」「集水器(取水器)付属」「対応する竪どいの形と太さ」「連結できるか」の4点を確認しましょう。助成を使う場合は、自治体の容量の下限や「既製品であること」などの要件を満たすかも先に確かめておくと安心です。
※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。
蛇口が低くてバケツが入らない、という悩みは架台で解決できます。架台付きのセットや、同じシリーズの専用スタンドが用意されている製品を選ぶと、高さと安定性の両方を確保しやすくなります。
架台(スタンド)付きの雨水タンク・専用架台
広告価格の目安: 架台付きセットは5万円台〜10万円前後が目安(それ以上の製品もあり、容量・メーカーで幅がある)
蛇口の下にバケツやじょうろを置けるよう、本体を持ち上げるための架台です。断水時にバケツで水をくむ場面を考えると、高さの余裕は使い勝手に直結します。持ち上げるほど重心が高くなるので、転倒防止の固定方法がセットになっているかも確認してください。
※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。
タイプ2|スリム・省スペース型(狭い通路や壁ぎわに)
奥行きを抑えた縦長の形で、家と塀のあいだの狭い通路や、室外機の横など限られたスペースに置きやすいタイプです。縦に長いぶん蛇口の位置を高めに取りやすく、取水器(集水器)が付属する製品が多く見られます。
一方で、背が高いぶん重心も高くなります。壁や柱への固定をしっかり行うこと、足元が平らで沈み込まないことが、据え置き型以上に大切です。
スリム・省スペース型の雨水タンク(縦長・取水器付き 100〜200L)
広告価格の目安: 3万円台〜4万円台前後が中心の目安(大容量は6万円台前後も。容量・メーカーで幅がある)
狭小地や通路ぎわに置きたい家向けです。幅と奥行きの実寸、満水時の重さ、壁への固定金具の有無をメーカー公表値で確認しましょう。縦長で蛇口が高めの製品なら、架台なしでもバケツが入ることがあります。
※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。
タイプ3|折りたたみ・簡易型(まず試したい人、使わない時期はしまいたい人に)
やわらかいシートでできた円筒形のタンクで、フレームで自立させて使います。数千円台から手に入り、使わない季節はたたんでしまえるのが利点です。雨水をためる用途のほか、断水が予想されるときに水道水をためておく貯水容器としても使えます。
ただし、上部が大きく開く製品や、ふた・網の作りが簡素な製品もあり、ボウフラ対策や落ち葉の混入対策は製品差が大きいのが実情です。紫外線でシートが劣化することもあるので、長く屋外に置くなら耐候性の表示も確認します。また、横浜市の助成は対象を「既製品かつ密閉構造」で「雨どいに接続する」タンクとしているなど、自治体によっては簡易型が助成の対象にならないことがあります。
折りたたみ式の雨水タンク・貯水タンク(蛇口付き 100〜250L前後)
広告価格の目安: 数千円台が中心の目安(容量で幅がある)
費用を抑えて雨水ためを試したい人や、使わない時期はしまっておきたい人向けです。「ふたが閉まるか」「流入口に網があるか」「蛇口の位置と高さ」「竪どいにつなぐ部品が付属するか」を確認しましょう。助成を使う予定なら、密閉構造などの要件を満たすかを自治体に確かめてから選んでください。
※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。
タイプ4|集水器・接続部品(竪どいとタンクをつなぐ)
竪どいに取り付けて雨水をタンクへ分ける部品で、多くのタンクには付属しますが、竪どいの形や太さが合わない場合や、手持ちの容器を雨水タンクとして使う場合には、別売の集水器やアダプターが必要です。満水になったら余った雨水を竪どいへ戻す機能をもつもの、落ち葉やごみをよけるフィルター付きのものもあります。
竪どいを切って取り付けるものが多いため、作業に不安があれば購入店や工務店に相談しましょう。賃貸や集合住宅では、竪どいは自分の持ち物ではない点にも注意が必要です(次の章で説明します)。
雨水タンク用の集水器(取水器)・竪どいアダプター
広告価格の目安: 1,500〜5,000円前後が目安(形状・フィルターの有無で幅がある)
竪どいとタンクをつなぐ要の部品です。対応する竪どいの形(丸・角)と太さ(mm)、満水時に竪どいへ戻す機能の有無、落ち葉よけフィルターの有無を確認しましょう。竪どいの規格はメーカーごとに違うことがあるので、家の雨どいの品番やサイズを先に調べておくと失敗しにくくなります。
※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。
賃貸・マンションで使えるか
雨水タンクは竪どいに手を加えて設置するため、住まいの形によって考え方が変わります。
- 持ち家の戸建て: 自分の判断で設置できます。隣地との境界や、あふれた水の流れ先には配慮しましょう
- 賃貸住宅: 竪どいも外壁も建物の所有者のものです。竪どいを切る、金具で固定するといった作業は、事前に貸主・管理会社の承諾を得てください。退去時の原状回復の扱いも、承諾の段階で確認しておくと安心です。大阪市の助成も、申請できるのは設置場所の所有者か、所有者の同意を得た占有者としています
- 分譲マンション: 国土交通省のマンション標準管理規約(単棟型)は、屋根、内外壁、バルコニー、排水設備などを共用部分としています。バルコニーは各住戸に専用使用権があっても共用部分であり、工作物の設置の禁止などは使用細則で物件ごとに定めるものとされています。管理規約と使用細則を確認し、管理組合に相談するのが先です
ヒント
共用部分の範囲と専用使用権の考え方は国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)」、所有者の同意については大阪市「雨水貯留タンク普及促進助成制度」の記述によります。実際の扱いは各マンションの管理規約・使用細則と、賃貸借契約の内容によります。
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自治体の設置助成を確かめる
雨水タンクは、自治体の助成を使うと負担を抑えられることがあります。国土交通省によると、全国のおよそ300の地方公共団体が、雨水タンクや雨水浸透ますの設置など雨水利用に関する取組に助成制度を設けています。雨水の利用の推進に関する法律も第15条で、地方公共団体は雨水を一時的に貯留する施設の新設などに助成を行うよう努めるものとしています。
ただし、金額も条件も自治体ごとに大きく違います。代表的な例を比べてみます(2026年9月時点で各自治体のページに掲載されている内容)。
| 自治体 | 助成額(雨水タンク) | 主な条件・手続きの特徴 |
|---|---|---|
| 墨田区 | 本体価格と設置経費を合わせた額の2分の1、上限5万円(消費税・配送費・ポイント等は含まない) | 設置後の現場写真と領収書の写しを添えて申請する |
| 世田谷区 | 本体購入費・設置経費それぞれの2分の1、1基あたり上限35,000円(設置経費分の上限は5,000円) | 事前申請が必須。適用決定の通知が届く前に購入・設置すると対象外 |
| 東京都北区 | 設置工事費(消費税込)の2分の1、1台あたり上限2万5千円(2台まで) | 区内に住宅を所有する個人が対象。申請前に事前相談が必要 |
| 横浜市 | 購入価格(税込)の2分の1、上限2万円(送料・設置費は対象外) | 100リットル以上・既製品かつ密閉構造・雨どいに接続することが基準。年度内に購入・設置し、期限内に申請。予算に達すると締め切り |
| 大阪市 | 購入費(消費税・設置費等を含まない)の2分の1、戸建ては1基まで・上限3万円 | 80リットル以上が対象。購入前に申請書の提出と設置場所の現地確認が必要 |
同じ「2分の1」でも、税込か税抜きか、送料や設置費を含むかといった基準額の数え方は自治体ごとに違います。
もうひとつ知っておきたいのが、助成の目的です。北区・世田谷区・大阪市は、大雨のときに雨水が下水道や川へ一気に流れ込むのを抑える(浸水対策)ことを制度の目的に挙げています。北区は、防火目的など日常的に雨水をためておくものを助成の対象から除いています。助成を使って設置するなら、ふだんはためた水をこまめに使ってタンクに空きをつくっておく、という使い方が制度の趣旨に合います。断水への備えは、この「使いながらためる」の範囲で考え、飲み水や生活用水の備蓄とは別に用意しておきましょう。
第15条の内容はe-Gov法令検索の条文、助成制度の数は国土交通省「雨水の利用の推進に向けた取組」によります。各自治体の内容は墨田区「雨水利用施設の設置助成」「雨水利用促進助成金について」、世田谷区「雨水タンクの設置に関する助成制度」、東京都北区「雨水貯留槽設置工事費の助成制度」、横浜市「雨水貯留タンク設置助成制度のご案内」、大阪市「雨水貯留タンク普及促進助成制度」の記述によります。いずれも予算の範囲内での交付などの条件があり、内容は変わることがあります。
表のとおり、「買ってから申請する」自治体と「買う前に申請しないと対象外になる」自治体があります。また、さいたま市の雨水貯留タンク設置補助金は令和8年3月31日で終了したと案内されているように、制度そのものが終わることもあります。購入前に、次の順で確かめるのが確実です。
- 1
住んでいる自治体の制度を探す
自治体名と「雨水タンク 助成」で検索するか、国土交通省がまとめている「雨水・再生水に関する主な助成制度等」の一覧で見当をつけます。担当は環境、下水道、河川、道路など、自治体によって部署が違います。 - 2
申請のタイミングを確認する
購入・設置の前に申請や事前相談が必要か、設置後の申請でよいかを確かめます。事前申請が必要な自治体で先に買ってしまうと、助成が受けられません。 - 3
対象になる製品と条件を確認する
容量の下限、既製品・密閉構造であること、雨どいに接続すること、対象者(建物の所有者か、同意を得た入居者も可か)、1世帯あたりの台数などを確認します。 - 4
必要書類を先にそろえる
見積書やカタログ、設置前後の写真、内訳が分かる領収書などが求められることが多いです。ポイントやクーポン利用分、送料が対象外になる自治体もあるので、購入方法も含めて確認します。 - 5
購入・設置し、完了の手続きをする
案内に沿って設置し、完了報告と助成金の請求を行います。現地確認がある自治体もあります。
設置後の手入れ|ボウフラと落ち葉を防ぐ
雨水をためる以上、蚊の発生源にしないことが大切です。大田区によると、蚊は水際に卵を産み、条件がよければ1〜2日で幼虫(ボウフラ)になり、水中で約1〜2週間かけて成虫になります。神戸市は家のまわりの雨水ますについて、中を掃除し、目の細かい防虫ネットをかぶせてふたをするよう案内しています。雨水タンクでも考え方は同じです。
- ふたは閉めておき、流入口・越流口の網が破れていないか確かめる
- ためた水はこまめに使い、長くよどませない。世田谷区は、雨の前にタンク内の水をなるべく使っておくとより多くためられ、タンク内をきれいに保つことにもつながると案内しています
- タンクのまわりのじょうろや鉢の受け皿に水をためたまま放置しない
- 集水器のフィルターや雨どいにたまった落ち葉・土砂を定期的に取り除き、タンクの底にたまった泥も掃除する
国の基本方針も、集水面に堆積した落ち葉などのごみや土砂の清掃、貯留槽に沈殿した泥の清掃など、適切な維持管理が必要としています。断水時に使える水にしておくためにも、平時から「使って、入れ替える」を回しておくことがいちばんの手入れです。
蚊の生態は大田区「蚊」、雨水ますの対策は神戸市「蚊の対策はお早めに」、タンク内の水の使い方は世田谷区「雨水タンクの設置に関する助成制度」、維持管理は国土交通省「雨水の利用の推進に関する基本方針」の記述によります。
よくある質問
雨水タンクの水は煮沸すれば飲めますか
断水したら雨水でトイレを流してよいですか
何リットルのタンクを選べばよいですか
ボウフラがわかないか心配です
賃貸住宅でも設置できますか
助成金はどこで調べればよいですか
まとめ|「平常時に使う水」を「断水時に頼れる水」に
雨水タンクは、飲まない生活用水を平常時からためて使い、断水時にはそのまま掃除や泥汚れの洗い流し、排水が確認できたあとのトイレに回せる道具です。まずは竪どいのそばに置ける場所があるかを確かめ、据え置き型を基本に、狭い場所ならスリム型、試しに始めるなら折りたたみ型、と住まいに合わせて選びます。助成を使うなら、買う前に自治体の条件と申請のタイミングを確認してください。実際の判断は、お住まいの自治体や管理組合の最新の案内を優先してください。
雨水タンクを選ぶ前のチェックリスト
- 雨水は飲まない生活用水専用と家族で共有した
- 竪どいのそばに置ける場所の幅・奥行き・地面の状態を実測した
- 竪どいの形(丸・角)と太さを調べ、集水器が合うか確認した
- 満水時にあふれた水の流れ先(越流)を確認した
- 蛇口の下にバケツが入る高さか、架台が必要かを確認した
- ふたと防虫網があり、ボウフラ対策ができる製品を選んだ
- 満水時の重さを考え、転倒防止の固定方法を決めた
- 賃貸・マンションなら貸主や管理組合に確認した
- 自治体の助成の有無・条件・申請のタイミングを購入前に確認した
- 飲み水の備蓄と非常用トイレは別に用意している
生活用水全体の確保のしかたや、給水所から水を運ぶ道具は、次の記事もあわせてどうぞ。
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断水への備え|飲料水と生活用水の分け方と、給水を受けるときの準備
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携帯トイレ・簡易トイレの選び方比較|断水・停電に備える災害用トイレ4タイプ
出典・参考
- 雨水の利用/国土交通省
- 雨水の利用の推進に関する法律/国土交通省
- 雨水の利用の推進に関する法律(平成26年法律第17号)/e-Gov法令検索
- 雨水の利用の推進に関する基本方針(本文・PDF)/国土交通省
- 雨水利用の普及状況/国土交通省
- 令和6年能登半島地震 雨水の有効利用事例(PDF)/国土交通省
- 雨水の利用の推進に向けた取組/国土交通省
- 雨水の利用の推進に関するガイドライン(令和7年3月改訂・PDF)/国土交通省
- 雨水・再生水に関する主な助成制度等(PDF)/国土交通省
- 雨水活用のススメ(パンフレット・PDF)/国土交通省
- マンション標準管理規約(単棟型・コメント含む・PDF)/国土交通省
- 雨水/墨田区
- 雨水利用施設の設置助成/墨田区
- 雨水利用促進助成金について/墨田区
- 雨水タンクの設置に関する助成制度(補助金、助成金)/世田谷区
- 雨水貯留槽設置工事費の助成制度/東京都北区
- 雨水貯留タンク設置助成制度のご案内/横浜市
- 雨水貯留タンク普及促進助成制度/大阪市
- ≪制度終了≫雨水貯留タンク設置補助金/さいたま市
- 蚊/大田区
- 蚊の対策はお早めに/神戸市
- 災害時のトイレ対策について/東京都下水道局
- 断水時のトイレの使い方(タンクレバーハンドル有り)/TOTO
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