モシモニア
災害別の対策

断水への備え|飲料水と生活用水の分け方と、給水を受けるときの準備

ミナト編集長 / 備蓄・非常食担当
・ 約5分で読めます
断水への備え|飲料水と生活用水の分け方と、給水を受けるときの準備

水道が止まると、飲み水だけでなく、トイレ、手洗い、食器洗い、入浴と、暮らしのあらゆる場面が一度に不便になります。断水への備えのコツは、水を「飲料水」と「生活用水」に分けて考えることです。この記事では、それぞれの確保のしかたと、給水拠点で水を受け取るための準備、断水中に水を節約する暮らしの工夫を整理します。

飲料水と生活用水を分けて考える

区分用途確保のしかた
飲料水飲む・調理するペットボトル備蓄(1人1日3リットル)
生活用水トイレ・洗い物・体を拭く湯船の水、ポリタンク、雨水など

飲料水1人1日3リットル・最低3日分という備えの目安は、内閣府などが家庭の備蓄の案内で示している一般的な数値です。

飲料水はペットボトルの箱買いで備えるのが最も確実です。備蓄量の全体像は備蓄品リストの記事にまとめているので、ここでは生活用水を中心に見ていきます。

あわせて読みたい

家庭の備蓄品リスト|水・食料は3日分から1週間分を目安に無理なくそろえる

生活用水の確保のしかた

生活用水は「ためておく」と「もらいに行ける準備」の2本立てで考えます。

  • 湯船に水を張っておく: 入浴後すぐに抜かず、次に入るまで張っておく習慣にすると、常にまとまった生活用水がある状態になります。
  • ポリタンクに水道水をためる: 10〜20リットルのタンクに水道水を入れ、冷暗所に置きます。ときどき入れ替えながら回します。
  • 雨水や川の水: 洗い物には使えませんが、トイレの処理や掃除など用途を選べば役立ちます。

注意

小さな子どもがいる家庭では、湯船の張り置きは溺水事故のリスクになります。浴室の鍵やふたで対策できない場合は無理に張り置きせず、ポリタンクでの備えを厚くしてください。

ためた水道水は時間とともに消毒効果が薄れるため、飲用には備蓄のペットボトルを使い、張り置きの水はあくまで生活用水と割り切るのが安全です。

給水を受ける準備|容器がないと運べない

断水が続くと、自治体が給水車や給水拠点で水を配ります。ここで意外な落とし穴になるのが容器です。もらえる水はあっても、入れ物と運ぶ手段がないと持ち帰れません。

給水を受けるための準備

  • ポリタンク(10リットル前後。満水で約10kgになる)
  • 折りたたみの給水袋やウォーターバッグ(軽くて保管しやすい)
  • 台車やキャリーカート(集合住宅・給水拠点が遠い場合)
  • リュック(給水袋を背負って運ぶと両手が空く)
  • 自治体の給水拠点の場所を事前に確認しておく

ヒント

10リットルの水は約10キロです。特に階段のある集合住宅では、一度にたくさんより「小分けで回数を分ける」方が現実的です。6〜10リットルの給水袋を家族の人数分持っておくと柔軟に動けます。

断水中の暮らしの工夫

限られた水で回すには、「使わずに済ませる」工夫が節水よりも効きます。

  • 食器にラップを敷いて使い、洗い物をなくす
  • 紙皿・紙コップ・割り箸を使う
  • 調理はポリ袋調理(湯せん)にすると鍋の水を繰り返し使える
  • 手洗いはウェットティッシュとアルコール消毒を併用する
  • 体は蒸しタオルやからだ拭きシートで拭く
  • 洗濯はためておき、復旧後にまとめて行う

そして断水で最も切実なのがトイレです。断水中や排水管の損傷が疑われるときに水で流すと、詰まりや階下への漏水につながるおそれがあります。凝固剤タイプの非常用トイレを基本にしてください。詳しくは専用の記事にまとめています。

あわせて読みたい

非常用トイレの備え方|1人1日5回×人数分。必要数の計算と使い方の基本

水そのものより、トイレと洗い物がつらかったという声を本当によく聞きます。飲み水の備えだけで安心しないことが大切です。
断水を経験した読者

よくある質問

湯船の水はどれくらいもちますか
時間がたつと雑菌が増えるため、飲用には使えません。生活用水として使う分には、トイレの処理や掃除など体に入らない用途を選べば活用できます。にごりやにおいが強い場合は無理に使わないでください。
ポリタンクの水はどれくらいで入れ替えればよいですか
水道水は塩素の効果が数日で薄れていくとされます。生活用水と割り切るなら数週間単位でも実用上は使えますが、定期的に入れ替える習慣にしておくと衛生的です。飲用は備蓄のペットボトルを基本にしてください。
井戸水や雨水タンクがあれば備蓄は不要ですか
生活用水の強い味方になりますが、水質の保証がないため飲料水の代わりにはなりません。飲料水の備蓄は別途確保してください。
マンションの高層階です。特に注意することはありますか
停電でポンプが止まると、断水と同時にエレベーターも使えなくなることがあります。水を階段で運ぶのは大きな負担なので、平時の備蓄量を戸建てより厚めにし、軽い給水袋と背負える運搬手段を用意しておくと安心です。
断水はどれくらい続くものですか
復旧までの時間は災害の規模や地域によって大きく異なり、一概には言えません。だからこそ、最低3日分の飲料水と非常用トイレを基準に、可能なら1週間分へ広げておくことをおすすめします。

まとめ|水の備えは「飲む・使う・もらう」の3点セット

断水への備えは、飲料水の備蓄、生活用水の張り置きとタンク、給水を受ける容器の3点がそろって完成します。今日できる一歩は、湯船の水を抜かない習慣と、給水袋を1つ買い物かごに入れることです。停電と断水は同時に起こることも多いので、停電対策の記事もあわせてどうぞ。

あわせて読みたい

停電への備えと停電時の過ごし方|明かり・電源・冷蔵庫の現実的な対策

この記事をシェア

関連する記事