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火も電気も使わない加熱袋・発熱剤の選び方比較|避難所・マンションの一食に

ミナト編集長 / 備蓄・非常食担当
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火も電気も使わない加熱袋・発熱剤の選び方比較|避難所・マンションの一食に

停電やガス停止のときに温かい一食があると、体も気持ちもずいぶん落ち着きます。ただ、火を使うカセットコンロは、火気が禁じられた避難所やマンションの室内では使いにくい場面があります。ボンベを切らしていることもあるでしょう。そんなときの選択肢が、火も電気も使わず、水を注ぐだけで発熱する「加熱袋・発熱剤」です。この記事では、モーリアンヒートパックに代表される発熱剤の仕組みとタイプの違い、選ぶときの目安、使い方と安全上の注意を、カセットコンロやパッククッキングとの使い分けもふまえて比較しながら整理します。

ヒント

この記事にはアフィリエイト広告を含みます。商品は「選び方の目安」を示すための代表例で、特定の型番を断定しておすすめするものではありません。到達温度や発熱時間はメーカー公表値をもとにした目安で、価格・在庫・仕様は変動します。購入前に各販売サイトと製品の説明書で最新情報・使用方法・注意事項を必ずご確認ください。

加熱袋・発熱剤とは|火も電気も使わず温める

加熱袋・発熱剤は、専用の袋(加熱袋)の中に発熱剤と温めたい食品を入れ、そこへ少量の水を注いで化学反応で発熱させる仕組みです。発熱剤の主成分は酸化カルシウム(生石灰)などで、水と反応して熱を出し、立ちのぼる高温の蒸気でパックご飯・レトルト食品・缶詰・飲み物などを温めます。火も電気もコンセントも使わないため、停電中でもガスが止まっていても、その場で温かい一食を用意できます。

到達温度はメーカーの公表値で製品により異なりますが、おおむね90〜100度前後の蒸気が15〜20分ほど続くタイプが一般的です。ちょうど湯せんに近い温度帯なので、「お湯があれば食べられる」タイプの非常食との相性がよいのが特長です。

農林水産省「家庭備蓄ポータル/災害時に備えた食品ストックガイド」では、食品だけでなく、温め・調理に使う熱源をあわせて備えることがすすめられています。加熱袋・発熱剤は、火を使う熱源が使えない場面を補う選択肢として位置づけられます。到達温度・発熱時間は各メーカーの公表値にもとづく目安です。

温められるものは幅広く、パックご飯やレトルトカレー、缶詰、レトルトのおかず、スープの袋、水を入れた容器を温めてお茶を入れる、といった使い方ができます。難しい操作がなく、子どもや高齢の家族でも扱いやすいのも利点です。

カセットコンロ・パッククッキングとどう使い分ける

温かい食事の手段には、カセットコンロやパッククッキングもあります。加熱袋・発熱剤は、それらの「代わり」ではなく「火が使えない場面を補うもの」と考えると、役割がはっきりします。

手段火の使用向いている場面弱点
加熱袋・発熱剤使わない火気厳禁の避難所・マンション室内、ボンベ切れ、車中泊、少量を手早く1回で温められる量が限られ、1回ごとに発熱剤を消費する
カセットコンロ使うまとまった量の調理・湯沸かし、在宅避難全般火気厳禁の場所では使えない。換気とボンベの備蓄が必要
パッククッキング使う(熱源が要る)節水しながら複数の料理を同時に作るカセットコンロなどの熱源と鍋・水が前提

加熱袋・発熱剤が特に効くのは、次のような「火が使えない・使いにくい」場面です。

  • 火気が禁じられた避難所や、コンロを出しにくいマンションの室内
  • カセットボンベを切らしている、または残りが少ないとき
  • 車中泊で、密閉空間になりがちな車内では火を使えないとき(発熱剤の使用も換気は必要です)
  • 停電した職場や外出先で、手早く一食だけ温めたいとき

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まとまった湯沸かしや調理はカセットコンロ、節水しながら複数品を作るならパッククッキング、火が使えない一食は加熱袋、というように、それぞれの得意分野で組み合わせるのが現実的です。調理法そのものを知りたいときは、パッククッキングの記事もあわせてどうぞ。

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発熱剤のタイプと選ぶときの5つの目安

発熱剤には、大きく分けて生石灰(酸化カルシウム)を主体にしたものと、酸化カルシウムにアルミ粉末などを配合してより高温を狙ったものがあります。配合によって到達温度の傾向が変わり、アルミを配合したタイプは高温の蒸気を得やすいとされています。とはいえ、家庭で選ぶうえで大切なのは成分の細かな違いよりも、次の5つの実用的な目安です。

1. 発熱剤のサイズと加熱回数

発熱剤にはS・M・Lなどのサイズがあり、大きいほど発熱量が多く、温められる食品も大きくなります。セット商品は「◯回分」「◯セット」と加熱回数で表示されることが多いので、家族の人数と食事回数から必要回数を見積もります。

2. 加熱袋が繰り返し使えるか

加熱袋は、洗って乾かせば複数回使えるタイプが多くあります。繰り返し使える袋なら、追加の発熱剤(詰め替え・単体)を買い足すだけで済み、コストとかさばりを抑えられます。袋の耐久回数の目安を確認しておきましょう。

3. 一度に温められる量・入る容器の大きさ

パックご飯1個とレトルト1袋を同時に入れられるか、缶詰や大きめの容器が入るかは、袋のサイズで決まります。家族分をまとめて温めたいならLサイズ寄り、一人分をこまめに温めるならMサイズ寄り、と考えると選びやすくなります。

4. 保存期間(発熱剤の使用期限)

発熱剤は水分を嫌うため、未開封の状態で長期保存できるよう包装されています。保存期間の目安は製品の表示で確認し、備蓄はローリングストックの考え方で、期限が近いものはアウトドアやふだんの弁当の温めなどで使って入れ替えます。

5. 使用後の処理のしやすさ

使い終えた発熱剤は高温になり、反応後は水酸化カルシウムなどに変化します。十分に発熱が止まったのを確かめ、冷めてから自治体の分別ルールに従って捨てます。処理方法が説明書に明記されているものだと、片付けで迷いません。

使い方の手順と安全上の注意

使い方はシンプルですが、高温の蒸気を扱うため、手順と注意点を先に押さえておきましょう。実際の水の量や発熱時間は製品ごとに異なるため、必ず付属の説明書に従ってください。

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    加熱袋に発熱剤と食品を入れる

    加熱袋の中に発熱剤を置き、その上に温めたいパックご飯やレトルト、缶詰などをのせます。発熱剤が食品の下になるようにすると、蒸気が全体に回りやすくなります。
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    規定量の水を注ぐ

    発熱剤に、製品で決められた量の水を注ぎます。付属の小袋の水量ラインなど、目安が示されていることが多いので、それに合わせます。水が多すぎても少なすぎても発熱がうまくいきません。
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    袋の口を閉じて蒸気で温める

    すぐに反応が始まり、高温の蒸気が立ちのぼります。袋の口を軽く閉じ(密閉はしない)、蒸気を逃がしながら15〜20分ほど待ちます。この間、袋や蒸気の出口に手や顔を近づけないようにします。
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    発熱が止まったら取り出す

    時間がたって発熱が落ち着いたら、やけどに注意して食品を取り出します。袋も食品も熱くなっているので、布やトングを使うと安心です。
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    使用後の発熱剤を処理する

    発熱剤は完全に冷めたのを確認し、自治体の分別ルールに従って捨てます。生石灰系は水と反応するため、湿気の多い場所やゴミ袋内で再発熱しないよう、説明書の指示に従って処理します。

注意

発熱中は高温の蒸気が勢いよく出ます。やけどを防ぐため、蒸気の出口をのぞき込んだり、乳幼児の手が届く場所で使ったりしないでください。発熱剤の種類によっては可燃性のガスが発生する場合があるため、火気を近づけず、必ず換気のよい場所で使います。車内やテント内など密閉されがちな空間で多量に使うのは避け、使うときも窓を開けるなどして空気を入れ替えてください。避難所で使う場合は、発熱剤の使用可否など現地の運営ルールに従ってください。使用方法・注意事項は製品ごとに異なるため、付属の説明書を最優先で確認しましょう。
停電のとき、火を出すのがこわくて加熱袋を使いました。水を入れるだけでパックご飯が温まって、湯気が出たときはほっとしました。ただ蒸気が思ったより熱かったので、子どもには近づかないよう声をかけました。
マンションで在宅避難を経験した読者

タイプ別に比較する

代表的な製品を、性格の違いで並べてみます。まずは加熱袋と発熱剤がそろったセットで一式を用意し、繰り返し使える袋を活かして発熱剤を買い足していくと、無駄が出にくくなります。商品名・仕様は変わることがあるため、購入前に各サイトでご確認ください。

まず一式そろえるなら|加熱セット(Mサイズ)

はじめての1セットは、加熱袋と発熱剤がそろったMサイズのセットが扱いやすいです。パックご飯やレトルトを一人分ずつ温めるのにちょうどよく、回数の多いセットを選べば家族の数食分をまかなえます。

モーリアンヒートパック 加熱セット(Mサイズ)

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モーリアンヒートパック 加熱セット(Mサイズ)

発熱剤と加熱袋がそろった、火も電気も使わず水を注ぐだけで温められる定番の加熱セットです。加熱袋は洗って繰り返し使えるので、あとは発熱剤を買い足すだけで続けられます。まずは一式そろえたい人の1セット目に向きます。

※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。

家族分をまとめて温めるなら|加熱セット(Lサイズ)

大きめの容器やパックご飯とおかずを同時に温めたいなら、Lサイズのセットが便利です。1回で入る量が増えるぶん、家族分をまとめて温めやすくなります。

モーリアンヒートパック 加熱セット(Lサイズ)

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モーリアンヒートパック 加熱セット(Lサイズ)

大きめの加熱袋と発熱剤がそろい、一度に温められる量が多いタイプです。家族の人数が多い家庭や、複数の食品を同時に温めたい場面に向きます。どのくらいの容器が入るか、寸法を確認しておくと選びやすくなります。

※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。

買い足し・詰め替えに|発熱剤の単体

繰り返し使える加熱袋があるなら、消耗する発熱剤だけを単体で買い足すのが経済的です。備蓄の回数を増やしたいときや、期限が近づいたぶんの入れ替えにも使えます。

モーリアンヒートパック 発熱剤(単体・詰め替え用)

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モーリアンヒートパック 発熱剤(単体・詰め替え用)

加熱袋をすでに持っている人の補充用です。必要な回数分を追加でき、備蓄量を柔軟に調整できます。発熱剤は水分を嫌うため、未開封のまま湿気の少ない場所で保管しましょう。

※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。

別ブランドで比べるなら|バロクックの加熱式コンテナ

弁当箱型の容器と発熱剤(ヒートパック)を組み合わせて温める、別ブランドの選択肢もあります。容器に食品を入れて温めるスタイルで、アウトドアと兼用しやすいのが特長です。

バロクック(BAROCOOK) 加熱式コンテナ+ヒートパック

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バロクック(BAROCOOK) 加熱式コンテナ+ヒートパック

容器に水と発熱剤を入れ、火を使わずに温めるタイプです。ふだんの弁当やアウトドアでも使えるので、ローリングストック的に回しやすいのが利点です。発熱剤が別売のこともあるため、セット内容を確認してください。

※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。

備蓄数の考え方|何食分そろえる

加熱袋・発熱剤は、1回ごとに発熱剤を1つ消費します。目安として、まずは「家族の人数 × 温めたい食数」で必要回数を見積もります。たとえば3人家族で、1日1回は温かい一食を、と考えるなら1日3回。これを3日から1週間続けられるだけの発熱剤があると安心です。

すべての食事を加熱袋でまかなう必要はありません。カセットコンロが使える在宅避難ではコンロを主役にし、加熱袋は「火が使えない場面の予備」として数回分〜数日分を持っておく、という位置づけが現実的です。そのまま食べられる非常食もそろえておけば、熱源が限られる日でも食事を切らさずに済みます。

熱源をあわせて備える考え方は農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」、非常時に温かい食事を用意する備えは首相官邸「災害に対するご家庭での備え」にもとづきます。必要な回数は家族構成や避難の想定で変わるため、あくまで目安として調整してください。

温めて食べる前提の非常食を選ぶときは、非常食セットの比較記事もあわせて参考にしてください。加熱袋と相性のよい、パックご飯やレトルト中心の構成が選びやすくなります。

あわせて読みたい

非常食・長期保存食の選び方|種類別の特徴と比較でわが家に合う備えを見つける

よくある質問

加熱袋・発熱剤は火や電気がなくても本当に温められますか
はい。発熱剤に規定量の水を注ぐと化学反応で発熱し、その蒸気で食品を温めます。火もコンセントも使わないため、停電やガス停止のとき、火気が使えない避難所やマンションの室内でも使えます。ただし高温の蒸気が出るので、換気のよい場所で、やけどに注意して使ってください。
どのくらいの温度・時間で温まりますか
製品により異なりますが、メーカー公表値ではおおむね90〜100度前後の蒸気が15〜20分ほど続くタイプが一般的です。湯せんに近い温度帯なので、パックご飯やレトルトなど『お湯で温めるもの』と相性がよいです。正確な水の量と時間は付属の説明書に従ってください。
生石灰系とアルミ配合系は何が違いますか
どちらも酸化カルシウム(生石灰)が水と反応して発熱しますが、アルミ粉末などを配合したタイプは、より高温の蒸気を得やすいとされています。家庭で選ぶうえでは、成分の違いより、発熱剤のサイズ(加熱回数)・袋が繰り返し使えるか・保存期間・処理方法といった実用面で選ぶのがおすすめです。
使用後の発熱剤はどう捨てればよいですか
完全に発熱が止まり、冷めたのを確認してから、お住まいの自治体の分別ルールに従って捨てます。生石灰系は水と反応して熱を持つため、湿った状態でゴミ袋にため込むと再発熱するおそれがあります。製品の説明書に処理方法が書かれている場合は、それを最優先で確認してください。
カセットコンロがあれば加熱袋は要りませんか
役割が違うため、両方あると安心です。カセットコンロはまとまった調理や湯沸かしに強い一方、火気厳禁の場所では使えず、換気とボンベの備蓄が必要です。加熱袋は量は限られますが、火が使えない場面やボンベ切れの一食を補えます。在宅避難はコンロ、火が使えない場面は加熱袋、と使い分けるのが現実的です。

まとめ|火が使えない一食の保険に

加熱袋・発熱剤は、火も電気も使わず、水を注ぐだけで温かい一食を用意できる備えです。カセットコンロやパッククッキングの代わりではなく、火気厳禁の避難所やマンション、ボンベ切れ、車中泊といった「火が使えない場面」を補う保険として持っておくと、食事の選択肢が広がります。まずは加熱袋と発熱剤のセットを1つ用意し、繰り返し使える袋を活かして発熱剤を必要回数ぶん買い足していきましょう。

加熱袋・発熱剤をそろえる手順

  • 加熱袋+発熱剤のセットを1つ用意する(まずはMサイズが扱いやすい)
  • 家族の人数×温めたい食数から、必要な発熱剤の回数を見積もる
  • 加熱袋が繰り返し使えるか、袋に入る容器の大きさを確認する
  • 発熱剤の保存期間を確認し、期限が近いものはふだんの弁当などで使って入れ替える
  • 一度は家族で使ってみて、水の量・発熱時間・蒸気の熱さと片付けを体で覚える
  • 換気・やけど・使用後の処理の注意を、説明書とあわせて家族で共有する

この記事の熱源の備えに関する考え方は、農林水産省「家庭備蓄ポータル/災害時に備えた食品ストックガイド」および首相官邸「災害に対するご家庭での備え」を参考にしています。到達温度・発熱時間・使用方法・使用後の処理は各メーカーの公表値と説明書にもとづく目安です。実際の使用は製品の取扱説明書と、お住まいの自治体・公的機関の最新情報に従ってください。

出典・参考

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