モシモニア
防災グッズ

避難生活のプライバシーを守るグッズの選び方比較|着替え・授乳・トイレ・就寝の空間

シュン家族・ペット防災担当
・ 約21分で読めます
避難生活のプライバシーを守るグッズの選び方比較|着替え・授乳・トイレ・就寝の空間

避難生活の話題では、水や食料、明かりが先に来ます。けれど実際に困りやすいのは「着替える場所がない」「授乳のたびに気を遣う」「トイレのあとに体を拭きたいのに落ち着ける場所がない」といった、目に見えない不便のほうです。プライバシーは気持ちの問題にとどまらず、休息の質や衛生、防犯にもつながります。この記事では、避難所・在宅避難・車中泊のそれぞれで「見られない空間」をつくるための道具を4タイプに整理し、選ぶ観点をそろえてから比較します。特定の商品を断定的におすすめするものではなく、選ぶときの目安としてお読みください。

ヒント

この記事にはアフィリエイト広告(商品リンク)を含みます。紹介するのは「こういうタイプ」という括りであり、特定の商品を断定的に推奨するものではありません。価格・在庫・仕様は変動するため、購入前に各販売サイトの最新の表示を必ずご確認ください。

避難生活でプライバシーが問題になる4つの場面

「プライバシーを守るグッズ」と言われても漠然としがちなので、まず困る場面を分けて考えます。必要な道具は場面ごとに違います。

  • 着替え: 服が濡れた、汗をかいた、下着を替えたい。立ったまま数分で済ませたい場面です。
  • 授乳・搾乳: 一日に何度も繰り返します。落ち着いて座れることと、視線が遮られることの両方が要ります。
  • トイレ・体を拭く: 携帯トイレを使うとき、清拭やおむつ替えをするとき。においや音への配慮もからみます。
  • 就寝: 横になったときに顔のすぐ横を人が通る、照明が目に入る。長時間にわたるぶん影響が大きい場面です。

このうち着替えと授乳は「短時間・繰り返し」、トイレは「短時間・急ぎ」、就寝は「長時間・据え置き」と性格が異なります。だからこそ、ひとつの道具ですべてをまかなおうとすると使いにくくなります。場面ごとに「これはこれで対応する」と決めておくほうが、実際に使えます。

あわせて読みたい

避難所での過ごし方|安全・衛生・体調を守る生活の基本

公的な指針は何を求めているか

内閣府(防災担当)は「避難生活における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」(平成25年8月策定、令和6年12月改定)を公表しています。これは市町村などが避難所の生活環境を整えるための指針で、プライバシーについても具体的な記述があります。

指針では、災害対策基本法第86条の6にもとづく生活環境の整備として、必要に応じて設備や備品を整えるとともに、被災者に対する男女別のトイレ・更衣室・洗濯干し場・授乳室・休養スペースの設置等によるプライバシーの確保、暑さ寒さ対策、入浴および洗濯の機会確保などの改善対策を講じることが挙げられています。整備する設備・備品の例としては、畳・マット・カーペット・段ボールベッド等の簡易ベッド、間仕切り用パーティション、冷暖房機器などが並びます。

さらに「プライバシーを確保する観点から、間仕切りにより世帯ごとのエリアを設けること」「トイレ、物干し場、更衣室、休養スペース及び入浴施設は男女別に設け昼夜を問わず安心して使用できる場所に設置すること」とも書かれています。生活空間の確保の項では、パーティションや段ボールベッド・エアーベッド等の簡易ベッド、屋内用インスタントハウス等を各避難所で備蓄し、開設時に設置することが重要とされ、スフィア基準に沿って1人当たり最低3.5平方メートルの居住スペースとなるようにすることも示されています。

ここで示した記述は、内閣府(防災担当)「避難生活における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」(令和6年12月改定)にもとづきます。同指針は市町村等の取組の参考として策定されたものであり、家庭に対して購入を求めるものではありません。実際の運用は自治体によって異なるため、お住まいの自治体の最新情報をご確認ください。

一方で、同じ指針には「避難所の開設時に避難所全員にパーティション等が行きわたらない場合においては、あらかじめ定めていた優先する者(高齢者、障害者、女性等)に提供すること」という記述もあります。つまり、行政は準備を進めているものの、開設直後から全員分がそろうとは限らない前提が置かれています。

メモ

指針が求めているのは自治体の備えであって、家庭が同じものを買いそろえる義務があるわけではありません。ただ、在宅避難や車中泊を選んだ場合、避難所に設置される間仕切り等の設備は基本的に利用できません。「自分たちで用意しておくと選択肢が増える」という位置づけで考えるのが現実的です。

なお、避難所の外にいると支援が受けられない、というわけではありません。内閣府(防災担当)「在宅・車中泊避難者等の支援の手引き」(令和6年6月)に収録された防災基本計画の抜粋では、市町村(都道府県)は、やむを得ず指定避難所に滞在することができない被災者に対しても、食料等必要な物資の配布、保健師等による巡回健康相談の実施等保健医療サービスの提供、正確な情報の伝達等により生活環境の確保が図られるよう努めることとされています。車中泊避難についても、支援方策を検討するよう努めるものとされ、その際に健康上の留意点等の広報や車中泊避難者の支援に必要な物資の備蓄に努めるものとする、と記されています。届くのは食料等の物資や情報・保健医療サービスが中心で、避難所に設置される間仕切りのような設備がそのまま自宅や車に用意されるわけではない、という区別で捉えておくとよいでしょう。

避難所以外の被災者への物資配布・保健医療サービスの提供、車中泊避難者の支援に必要な物資の備蓄に関する記述は、内閣府(防災担当)「在宅・車中泊避難者等の支援の手引き」(令和6年6月)に収録された防災基本計画の抜粋にもとづきます。実際に受けられる支援の内容は自治体や災害の状況によって異なります。

まず「買わずにできること」から

道具を買う前に、家にあるもので代用できる範囲を知っておくと、必要な買い物が絞れます。

  • 大判のバスタオル + 洗濯ばさみ・強力クリップ: カーテンレール、ハンガーラック、車のアシストグリップなどに留めるだけで、簡易的な目隠しになります。クリップは数個あると応用がききます。
  • 突っ張り棒 + シーツ・レジャーシート: 廊下や部屋の一角、玄関との間などに渡せば、その場で仕切りができます。突っ張り棒は防災用ではなく日用品として買っておけばふだんも使えます。
  • 段ボール: 折り目を入れてL字やコの字に立てると自立します。避難所で支給される段ボールベッドの周りに立てるだけでも、寝ている顔への視線をかなり遮れます。
  • レインコート・ポンチョ・大きめの上着: 上からかぶって中で着替える、授乳中に肩からかける、といった使い方ができます。すでに持ち出し袋に入っていることも多い品です。
  • 洗濯ばさみ付きハンガー、S字フック: 布を吊るす取りつけ点を増やす小物です。かさばらないので持ち出し袋に入れやすいものです。

ヒント

代用の要点は「布」と「留める道具」と「吊るす場所」の3つがそろうかどうかです。布はあっても留める道具がない、という状態でつまずきがちなので、洗濯ばさみやクリップを数個、持ち出し袋に入れておくと応用の幅が広がります。

そのうえで、代用では足りないのが「自立して立つこと」「上まで囲われること」「毎日何度も素早く使うこと」が求められる場面です。ここから先が、専用品を検討する範囲になります。

選ぶ前にそろえたい6つの観点

タイプを比べる前に、判断の軸をそろえておきます。カタログの数字を見るときは、次の6点を順に確認すると迷いにくくなります。

観点見るポイント
設営の速さ広げるだけか、組み立てが要るか。片づけ(たたみ方)も同じくらい重要
畳んだサイズと重さ持ち出し袋や車のトランクに入るか。運ぶ人が持てる重さか
高さと床面積立って着替えられる高さか。座る・しゃがむ動作に足りる広さか
遮光・透けにくさ生地の厚み、内側から明かりを使ったときのシルエットの出方
自立するか固定が要るかペグや重り、突っ張りが必要か。屋内・体育館の床でも使えるか
価格帯家族の人数分そろえられるか。1つで共用できるか

注意

屋内で使う道具を屋外の風がある場所で使うと、あおられて倒れることがあります。屋外で使う場合はペグや重り、ロープでの固定が前提になります。また、テント状のものの中で火気を使う、暖房器具を持ち込むといった使い方は避けてください。

タイプ別に比較|代表的な4タイプ

ここまでの観点をふまえ、家庭で用意しやすい4タイプを整理します。型番ではなく「こういうタイプ」という括りで、目安の価格帯とあわせて紹介します。

タイプ主に向く場面設営収納の目安遮光・透けにくさ自立性価格帯の目安
ワンタッチ式プライベートテント着替え・携帯トイレ・清拭広げるだけ〜数十秒円盤状または細長い袋生地の厚みで差。中で明かりを使うとシルエットが出ることがある自立するものが多い(屋外は固定推奨)3,000〜8,000円台が中心
着替え用ポンチョ着替え・授乳・車内かぶるだけ折りたたんで小さい体を覆うので視線は遮れる。丈が短いと下半身が隠れにくい身につけるので不要2,000〜5,000円台が中心
簡易間仕切り・パーテーション就寝スペース・世帯の区切り数分〜十数分板状またはポール束不透明な板・布なら遮れる。高さが足りないと上から見える製品により差が大きい3,000〜15,000円台と幅が広い
車中泊用サンシェード・カーテン車内での着替え・就寝窓ごとに取りつけ薄く平たい窓との密着度で決まる。すき間の有無を要確認窓に固定する全窓セットで5,000〜20,000円台

価格帯は各販売サイトでよく見かける範囲を編集部でまとめた目安で、サイズ・素材・車種によって大きく変わります。購入前に最新の表示をご確認ください。

1. ワンタッチ式のプライベートテント(更衣室・簡易トイレ用)

袋から出して広げると立ち上がるタイプで、立ったまま着替えられる高さのものが中心です。中に携帯トイレや簡易便座を置いて仮設のトイレブースにしたり、体を拭くスペースにしたりと、用途を切り替えて使えます。選ぶときは、天井までの高さ(立って着替えられるか)、床面積(足元に荷物を置けるか)、たたんだときの形と重さを確認します。ワンタッチ式はたたむのにコツが要る製品もあるため、購入したら一度は自宅で開閉を試しておくと安心です。

生地の透けにくさも要点です。夜に中でライトを使うとシルエットが外に出ることがあるため、内側で使う明かりは弱めにする、外側から見え方を家族に確認してもらう、といった配慮をしておくと落ち着いて使えます。

ワンタッチ式プライベートテント(着替え・簡易トイレ用)

広告
ワンタッチ式プライベートテント(着替え・簡易トイレ用)

価格の目安: 3,000〜8,000円台が中心(サイズ・生地により変動)

立って着替えられる高さがあり、中に携帯トイレを置けば仮設のトイレブースにもなる汎用タイプです。1つあれば家族で共用でき、在宅避難でも車の横でも使えます。屋外では風であおられるため、ペグや重りでの固定が前提です。たたみ方に慣れが要る製品もあるので、購入後に一度は開閉を練習しておくと、いざというときに戸惑いません。

※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。

2. 着替え用ポンチョ(チェンジングローブ)

頭からかぶり、その中で着替えるタイプです。もともとはサーフィンやプールでの着替え用として広まったもので、吸水速乾のタオル生地のものが多く見られます。テントのような設営が要らず、狭い場所でも使えるのが最大の利点で、車の座席に座ったまま、避難所の壁際で立ったまま、といった使い方ができます。

授乳ケープの代わりに肩からかけて使える製品もありますが、丈や襟ぐりの形によって向き不向きがあります。授乳を主目的にするなら、赤ちゃんの様子が見えるかどうか、通気性はどうかを確認して選びましょう。1着で1人ぶんなので、必要な家族の人数分を考える必要があります。

着替え用ポンチョ(チェンジングローブ)

広告
着替え用ポンチョ(チェンジングローブ)

価格の目安: 2,000〜5,000円台が中心(生地・丈により変動)

設営が要らず、かぶるだけで着替えられる手軽さが持ち味です。車内や避難所の壁際など、テントを立てられない場所でも使えます。タオル生地のものは体を拭く用途と兼ねられ、防寒の羽織りにもなります。丈が短いと下半身が隠れにくいので、身長に対して十分な長さがあるかを確認しましょう。1人1着が基本になります。

※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。

3. 簡易間仕切り・パーテーション

就寝スペースの区切りや、世帯ごとのエリアづくりに使うタイプです。折りたたみ式で自立する衝立タイプ、突っ張り棒に布を張るタイプ、板を組み立てる段ボール製など、構造の幅が広いのが特徴です。指針でも間仕切りにより世帯ごとのエリアを設けることが挙げられており、避難所では行政が用意するものが基本ですが、在宅避難で家族以外の人と同じ空間を使う場合や、玄関先での受け渡しに視線を遮りたい場合などに、家庭でも役立ちます。

選ぶときは「どこに置くか」を先に決めるのが近道です。床が硬い場所で自立するか、賃貸で壁や天井に穴を開けずに設置できるか、片づけたときにどこにしまうか。高さは、座ったときに視線を遮る120センチ前後から、立った人の視線も遮る180センチ前後までが目安の範囲です。高くなるほど倒れやすくなるため、脚の形や重さもあわせて確認しましょう。

簡易間仕切り・パーテーション(自立式・折りたたみ)

広告
簡易間仕切り・パーテーション(自立式・折りたたみ)

価格の目安: 3,000〜15,000円台と幅が広い(高さ・素材により変動)

就寝スペースや部屋の一角を区切る、据え置き型の目隠しです。ふだんは部屋の間仕切りとして使い、災害時にも転用できるのが利点で、防災用として別に保管する必要がありません。高さは座位を隠す120センチ前後から立位を隠す180センチ前後まで幅があります。高いものほど倒れやすいので、脚の安定性と設置場所をあわせて検討しましょう。

※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。

4. 車中泊用の目隠しサンシェード・カーテン

車で避難生活を送る場合の目隠しです。フロント用だけでなく、全窓ぶんがセットになった車種専用のものや、マグネットやワイヤーで簡単に取りつけられる汎用タイプがあります。車種専用は窓の形に合うためすき間が出にくく、汎用タイプは価格を抑えやすい一方で、フィットの具合を確認する必要があります。

目隠しは、外からの視線を遮るだけでなく、夏の直射日光を和らげたり、冬の冷気を伝わりにくくしたりする効果も期待できます。防犯の面でも、車内の様子や荷物が見えにくくなるのは利点です。ただし、走行中に視界をふさぐ位置に取りつけることはできません。停車時に使うものとして考えてください。

車中泊用の目隠しサンシェード・カーテン

広告
車中泊用の目隠しサンシェード・カーテン

価格の目安: 全窓セットで5,000〜20,000円台(車種専用か汎用かで変動)

車内での着替えや就寝時に、外からの視線を遮ります。車種専用タイプは窓の形に合うためすき間が出にくく、汎用タイプは価格を抑えやすいのが特徴です。日差しや冷気をやわらげる効果も期待でき、車内の荷物が見えにくくなる点は防犯上も利点になります。走行中に視界をふさぐ位置には使えないため、停車時の装備として考えましょう。

※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。

注意

車中泊は次善策です。内閣府(防災担当)の「在宅・車中泊避難者等の支援の手引き」(令和6年6月)は、車中泊避難にはプライバシーの確保やペットの世話ができるといった利点がある一方で、エコノミークラス症候群の危険があり健康管理が課題になるとし、長期の生活を送る場所として適切ではないこと、長期的な車中泊避難は望ましくないため早期の解消を目指すことを示しています。目隠しで環境を整えつつ、こまめに体を動かす、換気に気をつける、体調に不安があれば我慢せず相談するといった点を忘れないでください。

車中泊避難の利点と課題、長期の生活場所として適切ではないとされる点は、内閣府(防災担当)「在宅・車中泊避難者等の支援の手引き」(令和6年6月)にもとづきます。

あわせて読みたい

車中泊避難と車の防災|車に積んでおく備えとエコノミークラス症候群への注意

わが家のそろえ方|順番をつける

一度に全部そろえる必要はありません。困りやすい順に、少しずつ足していくのが現実的です。

  1. 1

    まず代用品を確かめる

    大判タオル、洗濯ばさみ、突っ張り棒、レインコートが家にあるかを確認します。持ち出し袋にクリップを数個入れておくだけでも、応用の幅が変わります。
  2. 2

    毎日繰り返す場面から手を打つ

    着替えや授乳のように一日に何度も発生する場面は、手軽さが効きます。かぶるだけのポンチョは、この用途で費用対効果が高い選択肢です。
  3. 3

    共用できるものを1つ用意する

    プライベートテントは家族で共用でき、着替え・携帯トイレ・清拭と用途を切り替えられます。収納場所と重さを確認して、1つ持てるか検討します。
  4. 4

    長時間の場面を整える

    就寝スペースの区切りは、間仕切りやパーテーションの出番です。ふだんも部屋の仕切りとして使えるものを選べば、保管の負担がありません。
  5. 5

    車がある家庭は目隠しを足す

    車での避難や待機を想定するなら、目隠しは早い段階で用意しておくと選択肢が広がります。取りつけは一度試しておきましょう。

ヒント

どの道具も、封を切らないまま備えておくと、いざというときに使い方がわからず時間を取られます。年に一度の点検日に開けて広げ、家族で1回ずつ設営してみる。これだけで実際に使える備えに変わります。
断水のあいだ、親戚の家に身を寄せたときが一番こたえました。授乳のたびに別室を借りるのが申し訳なくて、水分を控えてしまいそうになったほどです。かぶるだけのポンチョを1着持っていたら、あの気疲れはずいぶん減らせたと思います。
乳児と暮らす読者

よくある質問

避難所に行けばパーティションは用意されていますか。
内閣府(防災担当)の取組指針では、パーティションや簡易ベッド等を各避難所で備蓄し、開設時に設置することが重要とされています。一方で、全員に行きわたらない場合はあらかじめ定めた優先する者(高齢者、障害者、女性等)に提供するという記述もあり、開設直後から全員分がそろうとは限りません。運用は自治体によって異なるため、お住まいの自治体の情報をご確認ください。
在宅避難ならプライバシー用品は要りませんか。
自宅が無事であれば必要性は下がりますが、断水でトイレが使えず携帯トイレを使う場面、親族や近所の人と同じ空間で過ごす場面などでは役立ちます。まずは家にある布や突っ張り棒で代用できる範囲を確かめ、足りない部分だけを補う考え方でよいでしょう。
プライベートテントは屋内でも使えますか。
床に接地して自立するタイプであれば屋内でも使えます。ただし施設によっては設置できる場所や大きさに制限があることがあるため、避難所で使う場合は運営者に確認しましょう。屋外で使うときは、風であおられて倒れることがあるため、ペグや重りでの固定が前提になります。テント状のものの中で火気や暖房器具を使うことは避けてください。
授乳用にはケープとポンチョのどちらがよいですか。
どちらにも向き不向きがあります。ポンチョは着替えや防寒と兼用できる一方、丈や襟ぐりの形によっては赤ちゃんの様子が見えにくいことがあります。授乳を主目的にするなら、様子が見えるか、通気性はどうか、片手で扱えるかを確認して選びましょう。使い慣れた品があるなら、それをそのまま備えに回すのが確実です。
高さは何センチのものを選べばよいですか。
用途によります。座った人の視線を遮るなら120センチ前後、立った人の視線も遮るなら180センチ前後が目安の範囲です。立ったまま着替えるテントであれば、身長に対して余裕のある高さを選びます。ただし高いものほど倒れやすくなるため、脚の安定性や固定方法もあわせて確認してください。
予算をかけずに始めるなら何からですか。
洗濯ばさみや強力クリップを数個、持ち出し袋に入れるところからで十分です。布はタオルや上着で代用でき、留める道具さえあれば、カーテンレールやハンガーラック、車のグリップに引っかけて即席の目隠しがつくれます。そのうえで、毎日繰り返す着替えや授乳の場面から専用品を足していくと無理がありません。

まとめ|「見られない空間」は休息の土台

プライバシーの確保は、遠慮や気兼ねの問題ではなく、休息・衛生・防犯を支える生活環境の一部です。内閣府(防災担当)の取組指針でも、更衣室や授乳室の設置等によるプライバシーの確保、間仕切りによる世帯ごとのエリアの確保が、市町村が講じる生活環境の改善対策として挙げられています。ただし、開設時に全員へ行き渡らない場合の記述もあります。また、避難所に設置される間仕切り等の設備は、在宅避難や車中泊では基本的に利用できません(食料等の物資や情報の提供は、避難所以外の被災者にも努めることとされています)。自分たちで用意しておくと、選べる過ごし方が増えます。

まずは家にある布と留める道具で代用できる範囲を確かめ、毎日繰り返す着替えや授乳の場面から手軽なものを足す。そのうえで、家族で共用できるテントや、ふだんも使える間仕切り、車の目隠しへと広げていく。この順番なら、無理な出費をせずに整えられます。実際の判断は、自治体や公的機関の最新情報を優先してください。

プライバシーの備えチェック

  • 洗濯ばさみ・強力クリップを数個、持ち出し袋に入れる
  • 大判タオルや突っ張り棒で代用できる範囲を確かめる
  • 着替え・授乳など毎日繰り返す場面の道具を先に決める
  • テントや間仕切りは購入後に一度、家族で設営を試す
  • 屋外で使うものは固定方法(ペグ・重り)まで確認する
  • 車がある家庭は目隠しを用意し、取りつけを一度試しておく
  • お住まいの自治体の避難所運営の情報をあわせて確認する

プライバシーの備えは、避難生活全体の過ごし方や睡眠環境とあわせて整えると効果が高まります。次の記事も参考にしてください。

あわせて読みたい

女性の視点で見直す防災の備え|プライバシー・衛生・防犯と持ち出し品

あわせて読みたい

避難生活の睡眠グッズの選び方比較|マット・寝袋・アイマスクで休養を守る

出典・参考

この記事をシェア

関連する記事

家族に合わせた備え

女性の視点で見直す防災の備え|プライバシー・衛生・防犯と持ち出し品

避難生活では、着替えやトイレ、生理用品といった配慮が後回しになりがちです。内閣府男女共同参画局のガイドラインをもとに、プライバシーと衛生、防犯、女性の持ち出し品、生理用品の備蓄の回し方を、家族の誰にとっても必要な配慮として穏やかに整理しました。

防災グッズ

避難生活の睡眠グッズの選び方比較|マット・寝袋・アイマスクで休養を守る

避難所・在宅避難・車中泊では睡眠と休養の質が健康を左右します。床の冷えを断つマット、保温する寝袋、光と音を防ぐアイマスク・耳栓、軽量なアルミ保温シートの4タイプを、断熱性・収納サイズ・衛生・価格の観点で比較し、無理なく休める環境の整え方をまとめました。