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マイ・タイムラインの作り方|台風・大雨で家族が「いつ・何をするか」を時系列で決める

カエデ避難計画・防災情報担当
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マイ・タイムラインの作り方|台風・大雨で家族が「いつ・何をするか」を時系列で決める

台風が近づくたびに、「そろそろ何か準備した方がいいのかな」と思いつつ、気づけば当日を迎えている。そんな経験はないでしょうか。マイ・タイムラインは、台風や大雨が近づくときに家族が「いつ・何をするか」を、あらかじめ時系列で書き出しておく個人の防災行動計画です。地震と違い、台風や大雨は数日前から近づいてくることが分かります。その時間を味方につけて、慌てずに動くための表を、この記事で一緒に作っていきましょう。

マイ・タイムラインとは|「時間」を味方につける計画

マイ・タイムラインは、国土交通省が普及を進めている、住民一人ひとりの防災行動計画です。台風の接近などで河川の水位が上がっていくとき、自分や家族が「いつ」「何をするか」を、時間の流れに沿って整理しておくものです。

地震はいつ起きるか分かりませんが、台風や大雨は違います。台風は数日前から進路が予想され、川の氾濫までには数日から半日ほどの猶予があることも少なくありません。この「まだ雨が強くないうちの時間」に、落ち着いて準備や避難を進めるための道しるべが、マイ・タイムラインです。

マイ・タイムラインは、住民一人ひとりが台風接近時などにとる防災行動を時系列で整理するものとして、国土交通省「マイ・タイムライン」で紹介されています。作成支援ツール「逃げキッド」なども公開されています。

大切なのは、完璧な計画を目指さないことです。まずは「わが家はこの順番で動く」という大まかな流れを一枚の紙にする。それだけで、当日の判断がぐっと軽くなります。

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行動の合図になる「警戒レベル」を押さえる

マイ・タイムラインを時系列で組み立てるとき、行動の合図になるのが5段階の警戒レベルです。2026年5月29日から、防災気象情報の伝え方が新しくなり、大雨警報などの気象情報に警戒レベルの数字が組み込まれるようになりました。たとえば大雨警報は「レベル3大雨警報」のように、レベルとセットで伝えられます。

警戒レベル主な情報の例家庭でとる行動の目安
レベル1早期注意情報台風・大雨の見通しを確認し、心構えを高める
レベル2大雨注意報・氾濫注意報などハザードマップで避難先と経路を再確認する
レベル3高齢者等避難高齢者・乳幼児のいる家庭、時間のかかる人は避難開始
レベル4避難指示危険な場所から全員避難する
レベル5緊急安全確保すでに危険。命を守る最善の行動をとる

警戒レベルと避難情報の対応関係は、内閣府「避難情報に関するガイドライン」および気象庁「新たな防災気象情報について(令和8年~)」にもとづく一般的な目安です。実際の避難の判断は、お住まいの自治体が発表する避難情報を優先してください。

マイ・タイムラインづくりで覚えておきたいのは、この一点です。避難のゴールは「レベル4(避難指示)までに、危険な場所から全員が避難を終えていること」。レベル5は「すでに災害が起きているか、その直前」を意味するため、レベル5を待って動くのでは遅すぎます。この「レベル4までに避難完了」を計画の終点に置き、そこから前の行動を逆算していきます。

注意

警戒レベルの数字は、必ずしも1から順番に上がるとは限りません。急な大雨では段階を飛ばして危険度が上がることもあります。表はあくまで目安と考え、実際の空や川の様子、自治体からの呼びかけとあわせて、早めに判断してください。

情報そのものの詳しい変更点は、こちらの記事で整理しています。

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マイ・タイムラインを作る5つのステップ

準備するものは、A4の紙一枚とペンだけで十分です。家族がそろう夕食後などに、30分ほどで下書きを作ってみましょう。

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    わが家のリスクを確認する

    まずハザードマップで、自宅が洪水・土砂災害の想定区域に入っているかを確認します。「浸水の深さは何メートルか」「土砂災害の警戒区域か」で、そもそも避難が必要か、在宅で安全を確保できるかの方針が変わります。ここが計画の土台です。
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    避難先と経路を決める

    指定避難所に加えて、浸水しない親戚・知人宅、ホテルなど、行き先を2つ以上決めます。自宅が安全な想定なら、在宅避難(垂直避難)も立派な選択肢です。経路は一度、明るいうちに歩いて確かめておくと安心です。
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    ゴール(避難完了)の時点を決める

    「レベル4(避難指示)までに避難完了」を基本の終点にします。高齢の家族や小さな子ども、ペットがいる場合は、より早い「レベル3(高齢者等避難)で避難完了」を目標にします。夜間の移動は避け、明るいうちに動き終えるのが理想です。
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    ゴールから逆算して行動を並べる

    避難完了の前に必要な行動を、時間をさかのぼって書き出します。「持ち出し袋の最終確認」「スマホの充電」「非常食の準備」「窓・雨戸の対策」「家族への連絡」など。それぞれを台風接近の何日前・何時間前にやるかを、右の時系列に置いていきます。
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    紙に書いて家族で共有する

    できあがった表は紙に書き、冷蔵庫など見える場所に貼り、持ち出し袋にもコピーを入れます。スマホの充電が切れても見られる形にしておくことが大切です。家族それぞれが「自分の担当」を確認しておきましょう。
最初は難しく考えていましたが、『避難を終える時点』を先に決めて、そこから前にさかのぼるだけだと分かってから、すっと書けました。祖母がいるので、うちは一段早いレベル3で動く、と家族で決められたのが一番の収穫です。
小学生と高齢の親と暮らす読者

台風接近の時系列に当てはめる|数日前から当日まで

ここからは、実際の台風接近を想定した時間の流れに、行動を当てはめてみます。あくまで一例です。わが家の家族構成や住まいのリスクに合わせて、書き換えてください。

タイミング情報の目安わが家の行動(例)
3日前台風進路予報・早期注意情報(レベル1)進路と接近時刻を確認。備蓄と持ち出し袋の在庫チェック。予定の見直し
前日大雨注意報・氾濫注意報など(レベル2)ハザードマップと避難先・経路を再確認。スマホ・モバイルバッテリーを満充電。飲料水・非常食を準備。窓や雨戸、ベランダ排水口・側溝まわりの対策
当日午前気象情報・レベル3大雨警報など高齢者・乳幼児のいる家庭は避難を開始。家族に連絡し、集合や役割を確認。ペットの避難準備
当日午後レベル4避難指示危険な場所から全員避難を完了。以降は無理に外に出ない

台風の場合、進路や速度によって「余裕がある日程」も「急に接近する日程」もあります。線状降水帯による大雨は、半日ほど前から「発生のおそれ」が府県単位で呼びかけられることがあります。まだ雨が強くない段階でこうした情報に触れたら、表の行動を一段前倒しするサインだと考えてください。

線状降水帯の発生や差し迫った状況などを府県単位で速報的に伝える情報の考え方は、気象庁「新たな防災気象情報について(令和8年~)」にもとづきます。発表の単位や名称は改善が続いているため、最新の内容は気象庁の情報でご確認ください。

家族が離れているときを想定する

台風は平日の日中に接近することもあります。そのとき家族がばらばらの場所にいたら、という視点を計画に入れておくと、実効性がぐっと上がります。

離れているときのために決めておくこと

  • 子どもの学校・保育園のお迎えは、いつ・どちらの親が行くか
  • 外出中の家族が、どのタイミングで帰宅・避難に切り替えるか
  • 電話がつながりにくいときの連絡手段(災害用伝言ダイヤル171・SNSなど)
  • 自宅以外(職場・外出先)で避難が必要になったときの行き先
  • 家族がそれぞれ別の場所から避難した場合の、後で落ち合う場所

平日の昼に台風が最接近したら子どものお迎えはどうするか、決めていなかったことに当日気づく、という声はとても多く聞かれます。マイ・タイムラインは「家族がそろっているとき」だけでなく、「離れているとき」を想定して作ると、いざというときに迷いません。

『今日は早めにお迎えに行こう』と前もって決められるかどうかで、当日の落ち着きが全然違います。夜の避難は避けたいので、明るいうちに動く、を夫婦の合言葉にしました。
共働きで保育園児を育てる読者

作ったあとが本番|見直しと「一度試す」

マイ・タイムラインは、作って貼って終わりではありません。年に一度、そして引っ越しや進学、家族構成の変化があったときに見直すのが目安です。ハザードマップ自体が更新されることもあるため、見直しの際に最新版を確認しておきましょう。

そして、できれば一度「予行演習」をしておくと安心です。実際の台風接近時に、テレビやアプリの情報を見ながら「今はレベルいくつかな」「表のどの行動をする段階かな」と家族で確認するだけでも、いざというときの動きが変わります。災害用伝言ダイヤル171は毎月1日と15日などに体験利用ができるので、あわせて試しておくと、連絡手段の不安も減らせます。

ヒント

最近は、スマートフォンの防災アプリと連携し、避難情報のプッシュ通知を受け取りながら使える「デジタル版」のマイ・タイムラインも各地で広がっています。紙の一枚に加えて、お住まいの自治体や国土交通省が案内するデジタル版もチェックしてみてください。

よくある質問

マイ・タイムラインとハザードマップの避難計画は何が違いますか
ハザードマップの避難計画は『どこへ・どうやって逃げるか』という場所と経路が中心です。マイ・タイムラインは、そこに『いつ動くか』という時間軸を足したものです。両方はセットで、ハザードマップで避難先を決めてから、その避難先へ何時間前に動き出すかを時系列にするとスムーズです。
何日前から準備を始めればよいですか
台風の場合、進路予報が出る3日ほど前から在庫確認などの準備を始め、前日に持ち出し袋やハザードマップを再確認、当日に避難、という流れが一つの目安です。ただし台風の速度や線状降水帯の状況で余裕は変わります。表の時間はあくまで目安と考え、情報が早く出たら前倒ししてください。
うちは浸水想定区域の外です。それでも作る意味はありますか
あります。想定区域の外でも、停電や断水、長引く強風への備えは必要です。また通勤先や実家など生活圏全体で見るとリスクがある場合もあります。避難しないと決めた場合も『在宅で安全に過ごすために、いつ何を準備するか』という形でマイ・タイムラインは役立ちます。
夜間に避難指示が出たらどうすればよいですか
暗い中での移動はそれ自体が危険を伴います。基本は、レベル3など明るく安全に動けるうちの早めの避難です。逃げ遅れた場合は、無理に遠くへ向かわず、自宅の2階以上で、斜面と反対側の部屋など、少しでも安全な場所へ移る判断も必要です。だからこそ、計画では避難完了を早めの時点に置くことが大切です。
作った計画はどこに置いておけばよいですか
紙に書いて冷蔵庫や玄関など見える場所に貼り、持ち出し袋にもコピーを入れておくのがおすすめです。停電でスマホが使えなくなっても確認できる形にしておくと安心です。デジタル版を使う場合も、紙のバックアップを一枚持っておくとより確実です。

まとめ|「時間の余裕」を、家族の行動に変える

台風や大雨は、地震と違って近づいてくる時間が見えます。マイ・タイムラインは、その時間を「なんとなく不安なまま過ごす時間」ではなく、「落ち着いて備える時間」に変えるための一枚です。

この夏、家族でやっておくこと

  • ハザードマップで自宅のリスクと避難先を確認する
  • 避難のゴールを『レベル4までに避難完了』(高齢者・子どもがいれば一段早く)に決める
  • ゴールから逆算し、3日前・前日・当日の行動を時系列で書き出す
  • 家族が離れているときのお迎え・連絡・集合場所を決める
  • 紙に書いて貼り、持ち出し袋にもコピーを入れる

まずは今夜、A4の紙を一枚用意して、「うちは台風が来る何日前から動く?」の一言から始めてみてください。その一枚が、次の台風のとき、家族の落ち着いた行動につながります。

出典・参考

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