停電中の食品を守る保冷グッズの選び方比較|クーラーボックス・保冷剤を「開けない前提」で選ぶ


停電で困ることのひとつが、冷蔵庫と冷凍庫の中身です。買い置きの肉や作り置きのおかず、子どものおやつ、そして冷凍庫にためた食材。停電が続けば庫内の温度は少しずつ上がり、いつまで安全に食べられるのかが気になります。そこで頼りになるのが、電気を使わずに冷たさを保つ「保冷の道具」です。この記事では、クーラーボックスや保冷剤など6タイプを、保冷力・容量・重さと収納性・普段使いのしやすさ・価格の目安から比較します。特定の型番を推すのではなく、「わが家はどのタイプをいくつ持つか」を決めるための整理が目的です。
ヒント
道具の前に効く原則|停電したら、まず「開けない」
保冷グッズの話に入る前に、いちばん効果が大きく、しかもお金のかからない対策を確認しておきます。それは、冷蔵庫と冷凍庫の扉を開けないことです。
厚生労働省の啓発資料「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」には、家庭での保存に関する注意として「停電中に庫内温度に影響を与える扉の開閉は控えましょう」と明記されています。同じ資料では、冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫はマイナス15℃以下に維持することが目安として示されており、冷蔵室に入れる量は7割程度にとどめることも紹介されています。
「停電中に庫内温度に影響を与える扉の開閉は控えましょう」「冷蔵庫は10℃以下に維持」「冷凍庫は-15℃以下に維持」は、厚生労働省「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」の記載にもとづきます。
では、閉めたままなら何時間もつのでしょうか。家電メーカーの案内では、庫内が十分に冷えている状態で停電した場合、ドアを開けなければ約2〜3時間は庫内の冷えを保てるとされています。ただしこれは設置環境や季節によって変わる目安で、真夏の室内と冬の室内ではまったく違います。日本の公的機関が「何時間で廃棄」と一律の線引きを示しているわけではないため、時間だけで機械的には判断できません。庫内の温度、停電が続いた時間、どのような状態で保存されていたかをあわせて考えることになります(見た目やにおいに異常がないことは、安全の裏づけにはなりません。後述します)。
「ドアを開けなければ約2〜3時間、庫内の冷えを保つことができます」という目安と、設置環境・季節によって変わるという注記は、パナソニックの冷蔵庫サポート情報にもとづきます。
もうひとつ大切なのが、あわてて中身をクーラーボックスに移し替えないことです。移し替え作業のあいだ扉を開け続けることになり、かえって冷気を逃がします。常温のクーラーボックス自体が冷えるまでにも時間がかかります。共通する原則は「開閉を控える」ことで、いつ移すかは停電の見込みや庫内の温度、事前の準備の有無によって変わります。急な停電であれば、まず閉じたままにして情報を集め、復旧の見通しが立たないと分かってから、必要なものだけを短時間でまとめて動かす、という順番が扱いやすいでしょう。計画停電のように日時が分かっている場合は、あらかじめ保冷剤を凍らせ、事前に移し替えておくほうが有利です。
- 1
扉を閉じたままにする
停電に気づいたら、冷蔵庫・冷凍庫の扉に手をかけない。中身は記憶やメモで思い出します。 - 2
復旧の見通しを確認する
電力会社の停電情報や自治体の発信で、短時間で戻りそうか、長引きそうかを確かめます。 - 3
長引きそうなら、一度だけまとめて動かす
保冷の道具と保冷剤を先に準備してから扉を開け、傷みやすいものだけを短時間で移します。 - 4
開けない容器として使い続ける
移した先のクーラーボックスも「開けない箱」です。取り出す回数を決めて、まとめて出し入れします。
停電時の具体的な行動手順や、食べられるかどうかの判断については、こちらの記事で詳しく整理しています。本記事は道具の選び方に絞ります。
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保冷グッズを選ぶ5つの軸
保冷の道具は「保冷力が高いほど良い」と考えがちですが、家庭の備えとしては重さや置き場所、普段使いのしやすさも同じくらい大切です。次の5つの軸で比べると、わが家に合うものが見えてきます。
- 1
保冷力(保冷が続く時間の目安)
断熱材の種類と厚みで決まります。発泡スチロールより発泡ウレタン、さらに真空断熱パネルを使ったものほど高くなり、価格も上がります。 - 2
容量
冷凍庫の中身をどれだけ移すかで決まります。家族分の冷凍食品をまとめるなら20〜35L前後、要冷蔵の一部だけなら10L前後が一つの見当です(公的な基準はなく、家族構成や冷凍庫の使い方で変わります)。 - 3
重さと収納性
高保冷なほど本体も重くなりがちです。押し入れや車に置ける大きさか、使わないときに畳めるかを確認します。 - 4
普段使いのしやすさ
買い物・レジャー・帰省で使えるものは、劣化に気づけて、いざというときも慣れた道具として使えます。 - 5
価格の目安と数のそろえやすさ
安価なものは複数持てるので、用途ごとに分けられます。高価なものは1つを主力に、と役割を決めると無駄がありません。
「保冷◯時間」の数字をどう読むか
クーラーボックスの性能表示は、JIS S 2048「携帯用クーラーボックス」の保冷試験を参考にした値が使われることがあります。この規格は容量35L以下のプラスチック製携帯用クーラーボックスを対象としたもので、試験は1〜4℃の水を容量の80%まで入れてふたを閉め、40℃±2℃に調整した恒温乾燥機に8時間入れて、前後の水温差を測るという方法です。容量16L未満は温度差15℃以下、16L以上35L以下は13℃以下が要求性能とされています。付属書には、本体容量の約25%に相当する氷を入れて8時間後の氷の残存率を見る「簡便法」も記載されています。
ここで押さえておきたいのは、この規格が定める保冷性能は「何時間もつか」ではなく、決まった条件での水温の上がり方(温度差)だということです。カタログでよく見る「保冷◯時間」は、各メーカーが自社の条件で示している値で、JISが時間を規定しているわけではありません。つまり、カタログの数字は「決まった条件で試験した結果」であり、家庭で真夏の室内に置き、何度も開け閉めする使い方とは条件が違います。表示は製品どうしを比べるための目安と考え、実際の停電では表示より短くなる前提で計画するのが安全です。
JIS S 2048の適用範囲(容量35L以下)と試験条件(1〜4℃の水を容量の80%、40℃±2℃で8時間、温度差を測定)、および付属書の簡便法(本体容量の約25%相当の氷の残存率)は、ボーケン品質評価機構が公開する試験方法の解説にもとづきます。
メモ
6タイプの比較表
停電で食品を守る道具を、6タイプに分けて整理しました。保冷力と価格はあくまで2026年9月時点の一般的な目安で、製品によって幅があります。
| タイプ | 保冷力の目安 | 容量の目安 | 重さ・収納性 | 普段使い | 価格の目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| 発泡スチロール箱・簡易クーラーボックス | 低〜中(半日程度) | 5〜20L | 軽い。かさばるが重ねやすい | 買い物・宅配の再利用 | 500〜3,000円前後 |
| ハードクーラーボックス(高保冷) | 高(1日以上をうたう製品も) | 15〜50L | 重い。置き場所が要る | レジャー・帰省 | 6,000〜40,000円前後 |
| ソフトクーラーバッグ | 低〜中(数時間) | 5〜25L | 軽く畳める | 買い物・お弁当 | 1,500〜6,000円前後 |
| 保冷剤(ハード/ソフト・氷点下タイプ) | 冷やす側の主役 | 1個200〜1,000g程度 | 冷凍庫の場所を取る | お弁当・買い物 | 1個300〜1,500円前後 |
| 保冷シート・アルミ保冷袋 | 補助(数時間) | 箱や袋に合わせる | とても軽く畳める | 買い物・宅配 | 500〜2,500円前後 |
| 凍らせた水・氷などの代用 | 保冷剤の代わり | 500ml〜2L | 冷凍庫の場所を取る | 飲料としても回せる | 100〜300円/本前後 |
表の「保冷力の目安」は、断熱材の種類による一般的な傾向を示したものです。同じタイプでも壁の厚みや密閉性で大きく変わるため、製品ごとの表示と試験条件を確認してください。
タイプ別の選び方
1. 発泡スチロール箱・簡易クーラーボックス|まず1つ持つならここから
もっとも手軽で、値段も置き場所の負担も小さいタイプです。厚手の発泡スチロール箱は断熱性がそれなりにあり、保冷剤や氷と組み合わせれば、条件によっては半日程度の「一時的な冷蔵庫」として働きます(外気温や開閉の回数で大きく変わる目安です)。産直品や冷凍食品が入っていた発泡スチロール箱を取っておいて再利用する手もあります。
弱点は、耐久性が低くふたの密閉性も甘いこと、そしてかさばることです。とはいえ、安価なぶん「冷凍庫の中身用」「要冷蔵の食品用」と2つ用意して役割を分けやすいのは大きな利点です。まずここから始めて、必要を感じたら上位のタイプを足していく順番が現実的です。
簡易クーラーボックス(発泡スチロール・軽量タイプ)
広告価格の目安: 2026年9月時点の目安で500〜3,000円前後
※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。
2. ハードクーラーボックス(高保冷)|長い停電を見込むなら
発泡ウレタンや真空断熱パネルを使った、いわゆる高保冷タイプです。メーカーによっては数十時間の保冷をうたう製品もありますが、いずれも自社の試験条件での値である点は押さえておきましょう。それでも、簡易タイプとの差ははっきりしています。
選ぶときのポイントは、容量と重さのバランスです。大容量ほど中身も含めて重くなり、女性や高齢の家族が一人で動かすのは難しくなります。マンションの上層階で階段移動の可能性がある場合は、キャスター付きや、あえて中容量を2つに分ける選択も検討してください。普段はレジャーや帰省で使い、使わない季節は押し入れやベランダ収納に置いておくと、置き場所の負担も納得しやすくなります。
ハードクーラーボックス(高保冷・真空断熱パネルタイプ)
広告価格の目安: 2026年9月時点の目安で6,000〜40,000円前後
※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。
3. ソフトクーラーバッグ|畳めて普段使いしやすい
布や樹脂の外装に断熱材を挟んだ、折り畳めるタイプです。保冷力はハードタイプに劣りますが、使わないときに薄く畳めるため、収納場所を選びません。買い物やお弁当で日常的に使えるので、劣化やファスナーの不調にも気づきやすいのが実用的な利点です。
停電時は、冷凍庫から出した食材を「短時間だけ運ぶ・分けて置く」用途に向きます。少量のものをまとめる小型のバッグを1つ持っておくと、避難や親戚宅への一時移動でも役立ちます。ただし要冷蔵の薬は、薬ごとに許容される温度帯が異なり、凍結させてはいけないものもあります。市販の保冷バッグで自己流に保管せず、かかりつけの医療機関・薬局や製薬会社が案内する方法に従ってください。ファスナーがしっかり閉まるか、底面にも断熱材が入っているかを確認して選びましょう。
ソフトクーラーバッグ(折りたたみ・保冷バッグ)
広告価格の目安: 2026年9月時点の目安で1,500〜6,000円前後
※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。
4. 保冷剤|箱より先に、冷やす側をそろえる
どんな箱を用意しても、冷やす源がなければ働きません。実は、家庭でいちばん効く投資は保冷剤を増やすことです。冷凍庫にすき間なく保冷剤が入っていれば、それ自体が冷凍庫の温度上昇を遅らせ、停電時にはそのまま箱に移せます。
保冷剤には、0℃前後で溶けていく一般的なタイプと、マイナス10℃台まで下がる氷点下タイプがあります。氷点下タイプは冷凍食品を凍ったまま保ちたい場面に向きますが、そのぶん肌に直接触れると危険です。ハードタイプはすき間ができやすく、ソフトタイプは形になじみます。両方をいくつか持ち、大きいものを下と上に、小さいものをすき間に配置すると効率よく冷やせます。
なお、冷気は下に降りるため、冷蔵室で使う場合は上の棚に置くほうが庫内全体に効きます。家電メーカーのサポート情報でも、冷蔵室の一番上の棚に保冷剤や凍らせたボトルを入れておく方法が案内されています。
「冷蔵室の一番上の棚に、保冷剤や冷凍食品、凍らせた冷蔵冷凍兼用ペットボトルなどを入れておくと、庫内温度の上昇を抑えることができます」はパナソニックのサポート情報、停電前にあらかじめ保冷剤を凍らせておく考え方は日立の冷蔵庫サポート情報にもとづきます。
保冷剤(ハード・ソフト・氷点下タイプ)
広告価格の目安: 2026年9月時点の目安で1個300〜1,500円前後
※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。
5. 保冷シート・アルミ保冷袋|手持ちの箱の性能を底上げする
アルミ蒸着の保冷袋や、断熱材入りの保冷シートは、単体では長時間の保冷はできません。しかし、段ボールや発泡スチロール箱の内側に敷く、クーラーボックスの中身をひとまとめに包む、といった使い方をすると、冷たい空気の逃げ道をふさぐ役に立ちます。
軽く、畳めば場所を取らないので、持ち出し袋にも入れておけます。停電中に食品を近所や親戚宅へ移すときの一時的な包みとしても便利です。宅配で届く保冷袋を取っておいて再利用する手もあります。安価な補助アイテムですが、「あと少し持たせたい」場面で効いてきます。
アルミ保冷袋・保冷シート(断熱材入り)
広告価格の目安: 2026年9月時点の目安で500〜2,500円前後
※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。
6. 凍らせた水・氷などの代用|溶けたあとも役に立つ
保冷剤の代わりに、凍らせた水を使う方法があります。最大の利点は、溶けたあとに生活用水として使えること、そして製品によっては飲用にも回せることです。備蓄の水と保冷源を兼ねられるので、限られた収納をむだにしません。
ただし注意が必要です。飲料メーカーの案内では、通常のペットボトル飲料を容器ごと凍らせると、中身が膨張して容器やキャップが破損したり、密封性が損なわれたりするおそれがあるとされ、凍らせることは避けるよう案内されています。凍らせて使いたい場合は、ラベルに冷凍対応であることが示された製品や、冷蔵冷凍兼用のボトルを選んでください。自分で詰めた容器を凍らせる場合も、口いっぱいまで入れず、膨張分の余裕を残します。
「PETボトルの製品を容器ごと冷凍庫で凍らせると中身が膨張して容器やキャップが破損したり、密封性が損なわれる事が考えられます」は日本コカ・コーラのお客様相談室Q&Aにもとづきます。冷凍対応をうたう一部製品を除き、凍らせることは避けるよう案内されています。
冷凍兼用ボトルの水(凍らせて使えるタイプ)
広告価格の目安: 2026年9月時点の目安で1本100〜300円前後
※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。
わが家に必要な量の考え方|「何を守るか」から逆算する
容量選びで迷ったら、「守りたいものは何か」を先に決めます。冷蔵庫の中身をすべて守るのは現実的ではありません。優先順位をつけると、必要な箱の大きさと保冷剤の数がはっきりします。
停電時に守る優先度を決めておく
- 要冷蔵の薬(かかりつけの医療機関・薬局に、停電時の保管方法をあらかじめ確認しておく)
- 乳児のミルク・離乳食(液体ミルクなど常温で使えるものに切り替えられるかも確認)
- アレルギー対応食など、代わりがきかない食品
- 冷凍庫の主食(ごはん・パン・麺)と、まとめ買いした肉・魚
- すぐ食べきれる作り置き・乳製品(早めに食べる順番を決める)
薬については、種類によって適切な温度帯が異なり、凍結させてはいけないものもあります。自己判断で保冷剤に直接触れさせるのは避け、事前にかかりつけの医療機関や薬局に相談しておくと安心です。持病の薬の備えは、こちらの記事でも整理しています。
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乳幼児がいる家庭では、そもそも冷蔵に頼らずに済む選択肢を持っておくと、停電時の負担が大きく減ります。液体ミルクや常温保存の離乳食の考え方は、こちらが参考になります。
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保冷剤の数に決まった正解はありません。量のイメージをつかむ足がかりとして、前述のJISの簡便法で使う「本体容量の約25%の氷」という条件を借りると、箱の容量の2〜3割程度という見当がつきます。20Lの箱なら4〜6L相当、500gの保冷剤なら8〜12個ほどです。ただしこれは試験条件を借りた見当であって、JISや公的機関が家庭で必要な量として示しているものではありません。実際に必要な量は、外気温や箱の断熱性能、何をどれくらいの時間守りたいかによって変わります。
冷凍庫のすき間を保冷剤や凍った食品で埋めておくと、停電したときに庫内の温度が上がりにくくなります。ただし通常運転時の詰め方は機種によって考え方が異なるため、冷気の吹出口・吸込口をふさがないなど、お使いの冷蔵庫の取扱説明書の指示に従ってください(冷蔵室は容量の7割程度にとどめるのが目安とされています)。
普段使いと兼ねて、備えを回す
保冷グッズは、防災専用にしまい込むと出番がないまま劣化します。農林水産省が家庭備蓄で紹介しているローリングストックの考え方は、道具にもそのまま応用できます。買い物、レジャー、帰省、部活の差し入れ。使う機会を意図的に作ることで、ふたのパッキンのへたりやファスナーの不調、保冷剤の液漏れに気づけます。
農林水産省の「災害時に備えた食品ストックガイド」では、家庭備蓄について最低3日分から1週間分×人数分が望ましいとされ、地域の状況に応じて2週間分など多めに備えることも大切だと案内されています。保冷グッズは、この備蓄の中でも「冷蔵・冷凍に頼っている部分」を支える道具だと考えると、必要な量を見積もりやすくなります。
「最低3日分〜1週間分×人数分の食品の家庭備蓄が望ましいといわれています」「自治体が作成するハザードマップなどを確認し、お住まいの地域の状況に応じて2週間分など多めに備えることも大切です」は、農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」の記載にもとづきます。
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計画停電のように、あらかじめ日時が分かっている停電もあります。その場合は前日から保冷剤を追加で凍らせ、冷凍庫をすき間なく詰めておくと、当日の温度上昇をやわらげられます。事前に分かっている停電への備え方は、こちらの記事にまとめています。
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使うときの注意|安全に関わるポイント
保冷剤は子どもの手の届かない場所に
日本中毒情報センターは「保冷剤の誤飲事故に注意しましょう!」として、中毒110番では7〜8月に5歳以下の子どもの保冷剤の誤飲相談が増加すると注意を呼びかけています。同センターは、子どもの手の届きやすい場所に置かないこと、使用前に袋(外装)の破損がないか確認し破損したものは廃棄すること、子どもに持たせる場合は袋を口に入れたりかじったりしていないか見守ること、使用後の保冷剤を床やバッグ、ベビーカーなどに放置しないことを挙げています。
注意
保冷剤を体に当てるときは、直接肌に触れさせない
東京都の消費生活情報サイト「東京くらしWEB」は、2019年に「保冷剤での凍傷に注意!」として注意喚起を行っています。マイナス17℃まで下がる保冷剤を患部に当てて凍傷になったという相談事例を紹介したうえで、タオルを巻くなど保冷剤が地肌に直接触れないようにすること、長時間同じ場所に当てないこと、注意表示で用途を確認して正しく使うことをアドバイスしています。
停電中は暑さ対策として保冷剤を体に当てたくなりますが、食品用の氷点下タイプをそのまま肌に当てるのは避けてください。人を冷やす道具の選び方は、こちらの記事で整理しています。
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車内に置きっぱなしにしない
クーラーボックスを車に積んだままにするのは避けましょう。JAFのユーザーテストでは、真夏の炎天下に駐車した車内の温度が高温になることが示されています。停電時に「とりあえず車に」と考えたくなりますが、エンジンを止めた車内は室内より過酷な環境になりえます。動かすなら、日陰の涼しい場所や、家の中でもっとも温度が上がりにくい部屋を選びます。
食品の判断は、見た目やにおいだけに頼らない
冷たさを保てても、食品が安全とは限りません。ここで誤解しやすいのが、腐敗と食中毒は別だということです。食品安全委員会(内閣府)は、腐敗であれば臭いや見た目、味、ねばりなど五感で気づけるのに対し、食中毒菌は食品についていても「臭いや見た目、味も変わらない場合が多い」と説明しています。つまり、異臭や変色、ぬめりがないことは安全の証明にはなりません。
異変があるものを食べないのは当然として、見た目が普通でも、庫内の温度・停電が続いた時間・保存の状況をあわせて判断してください。温度の履歴が分からない要冷蔵の食品は口にしない、少し食べて確かめるような味見はしない、というのが安全側の考え方です。厚生労働省も食中毒予防の3原則として「つけない・増やさない・やっつける」を示し、残った食品については「時間が経ち過ぎたり、ちょっとでも怪しいと思ったら、思い切って捨てる」「長時間室温に放置しない」と案内しています。
「食中毒菌が食品についていたとしても、臭いや見た目、味も変わらない場合が多いので、注意が必要です」は食品安全委員会(内閣府)のメールマガジン「微生物や酵素による化学反応 その1」(2016年2月25日)、食中毒予防の3原則と残った食品の扱いは厚生労働省「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」にもとづきます。
注意
溶けた水の扱い
保冷に使った氷や凍らせた水が溶けたら、飲用に使えるかどうかは容器と扱い方しだいです。未開封の飲料用ボトルを凍らせたものなら飲用に回せますが、いったん口をつけた飲み物や、食品と一緒に置いて外側が汚れた容器の水は、飲用ではなく手洗いや掃除などの生活用水に使うほうが無難です。クーラーボックスの底にたまった水は、食品のドリップが混ざっている可能性があるため使いません。
よくある質問
停電したら、すぐ冷蔵庫の中身をクーラーボックスに移すべきですか
クーラーボックスとソフトバッグ、どちらを先に買うべきですか
保冷剤はどれくらいの数を用意すればよいですか
ペットボトルの飲み物を凍らせて保冷剤の代わりにしてよいですか
停電中の冷蔵庫は何時間もちますか
保冷剤を体を冷やすのに使ってもよいですか
今日からの一歩
保冷グッズは、値段の高い箱を1つ買うより、「冷やす源を増やす」「開けない運用を決めておく」ほうが効きます。まずは冷凍庫のすき間を保冷剤で埋めるところから始めて、必要を感じたら箱の容量を足していきましょう。
停電に備える保冷グッズのチェックリスト
- 冷凍庫のすき間を保冷剤や凍らせた水で埋めておく(冷気の吹出口をふさがない範囲で)
- 簡易クーラーボックスかソフトクーラーバッグを最低1つ用意する
- 保冷シート・アルミ保冷袋を1枚、持ち出し袋にも入れておく
- 冷蔵庫用の温度計を庫内に置き、復旧後に温度で判断できるようにする
- 停電時に守るものの優先順位(薬・ミルク・アレルギー対応食など)を家族で決めておく
- 要冷蔵の薬の保管方法を、かかりつけの医療機関・薬局に確認しておく
- 保冷剤の置き場所を決め、子どもの手の届かない場所で管理する
- 年に1回、レジャーや買い物で実際に使って劣化をチェックする
停電そのものへの備えや、停電中の過ごし方全体は、こちらの記事で整理しています。
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出典・参考
- 家庭でできる食中毒予防の6つのポイント/厚生労働省
- 食中毒/厚生労働省
- 微生物や酵素による化学反応 その1(2016.2.25)/食品安全委員会(内閣府)
- 災害時に備えた食品ストックガイド(1) 食品の家庭備蓄のすすめ/農林水産省
- 家庭備蓄ポータル/農林水産省
- 携帯用クーラーボックスの保冷試験(JIS S 2048)/ボーケン品質評価機構
- JIS S 2048:2006 携帯用クーラーボックス/日本規格協会
- 保冷剤での凍傷に注意!/東京くらしWEB(東京都)
- 保冷剤の誤飲事故に注意しましょう!/日本中毒情報センター
- 真夏の車内温度(JAFユーザーテスト)/JAF
- 冷蔵庫の停電前の準備と停電時・停電復旧後の対処方法/パナソニック
- 停電前の準備や、停電したときの対処方法を知りたいです/日立
- ペットボトル製品を冷凍庫で凍らせてよい?/日本コカ・コーラ お客様相談室
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