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お盆の帰省・旅行先で被災したら|慣れない土地で身を守る備えと家族の安否確認

カエデ避難計画・防災情報担当
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お盆の帰省・旅行先で被災したら|慣れない土地で身を守る備えと家族の安否確認

2026年のお盆は、月遅れ盆にあたる8月13日(木)から16日(日)を中心に、帰省や旅行で移動する人が集中する時期です。ふだんの防災は「自宅にいるとき」を前提に考えがちですが、お盆は家族そろって慣れない土地に出かけるタイミングでもあります。実家や旅先、高速道路の途中で大きな地震や大雨・台風にあったら、どこへ逃げればいいのか、家族とどう連絡を取ればいいのか、とっさには判断しづらいものです。この記事では、旅立つ前の数分でできる下調べから、慣れない土地で身を守る動き方、離れた家族との安否確認までを、今日から準備できる手順に整理します。

お盆の被災は「慣れない土地」がむずかしさになる

外出先での被災というと通勤中を思い浮かべがちですが、お盆の帰省・旅行にはそれとは違うむずかしさがあります。通勤経路なら毎日通って地理に明るいものですが、帰省先や旅先は土地勘がありません。どこが高台でどこが川の近くか、指定避難所はどこか、津波や土砂災害のおそれがある場所かどうかが、とっさには分からないのです。

さらに、お盆は家族での移動が多いため、車での長距離移動や、ホテル・旅館などの宿泊、人が多く集まる観光地といった場面が重なります。子どもや高齢の親を連れていることも多く、身軽に動けないことも少なくありません。だからこそ、「行った先で何かあったら」を出発前に少しだけ想像しておくことが、当日の落ち着きにつながります。

メモ

この記事は、通勤・外出中の大地震にそなえる記事とは切り口を変え、「慣れない土地に家族で出かけるお盆」に絞ってまとめています。通勤・外出時の基本は、あわせて次の記事も参考にしてください。

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出発前の数分でできる「行き先の下調べ」

旅行や帰省の計画を立てるとき、宿や観光の情報は調べても、防災の下調べまでする人は多くありません。けれど、必要なのはほんの数分です。宿を予約したついでに、行き先の災害リスクをのぞいておきましょう。

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    行き先のハザードマップを見ておく

    国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」なら、行き先の住所を入れるだけで、洪水・土砂災害・津波などのリスクを地図に重ねて確認できます。宿泊先や実家の周辺が、浸水想定区域や土砂災害警戒区域、津波の浸水想定に入っていないかを見ておきましょう。市区町村がつくった詳しい地図は「わがまちハザードマップ」から探せます。
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    最寄りの避難場所を1つ把握しておく

    同じサイトや自治体のページで、宿や実家のいちばん近くにある指定緊急避難場所を確認しておきます。「いざとなったらあの方向の高台・あの施設」と一つイメージがあるだけで、判断が早くなります。海の近くなら、津波避難ビルや高台の位置もあわせて見ておくと安心です。
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    気象と避難の情報源をスマホに用意する

    気象庁の「キキクル(危険度分布)」は、大雨による土砂災害・浸水・洪水の危険度を地図で色分けして示す情報です。旅先でも今いる場所の危険度がひと目で分かります。ブラウザのお気に入りに入れておきましょう。自治体の防災情報や、テレビ・ラジオのアプリもあると心強いです。

「重ねるハザードマップ」「わがまちハザードマップ」は、国土交通省のハザードマップポータルサイトで公開されています。全国の災害リスクや避難場所を地図で確認できます。

行き先が海沿い・川沿い・山あいかで、注意すべき災害は変わります。まずは自分の目的地がどんな土地なのかを知ることが、慣れない場所での備えの第一歩です。家族の避難計画づくりの考え方は、次の記事も参考になります。

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ハザードマップの見方と家族の避難計画|「いつ・どこへ・どうやって」を決める

慣れない土地で地震にあったら|まず「今いる場所」で身を守る

大きな揺れを感じたら、慣れない土地であっても、やることの基本は同じです。まず自分の身を守り、揺れがおさまってから周囲の安全と情報を確かめます。あわてて外へ飛び出すより、落ちてくるもの・倒れてくるものから身を守ることが先です。

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    宿泊先(ホテル・旅館)では

    揺れを感じたら、テーブルの下などで頭を守り、あわてて廊下や外へ走り出さないようにします。落ち着いたら、部屋のドアを開けて出口を確保し、館内放送やスタッフの誘導、非常口の案内に従います。チェックインのときに非常口の位置を一度見ておくと、暗い中でも動きやすくなります。
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    海の近くにいたら

    強い揺れや、弱くても長くゆっくりした揺れを感じたら、津波のおそれがあります。自治体の指示を待たず、すぐに高い場所・高台へ向かうのが基本です。海水浴や釣り、海辺の観光の途中なら、より早い行動を心がけてください。
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    観光地や人の多い場所では

    大勢が一斉に動くと将棋倒しの危険があります。あわてて出口に殺到せず、頭を守りながら係員の誘導に従います。ガラスや看板、外壁が落ちてくる建物のそばは避け、広く開けた安全な場所へ移りましょう。

注意

海辺で強い揺れや、弱くても長い揺れを感じたときは、「様子を見てから」ではなく、まず高い場所へ避難することが命を守る行動につながります。避難のあとで情報を確かめる、という順番を意識してください。

土地勘のない場所では、「どちらが海でどちらが高台か」が分かりにくいものです。だからこそ、出発前にハザードマップで大まかな地形を見ておくことが、いざというときの方向感覚になります。

車で移動中に被災したら|落ち着いて安全な場所へ

お盆は車での移動が増えます。運転中に大きな地震や急な大雨にあったときの動き方も、頭に入れておきましょう。

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    地震で強い揺れを感じたら

    急ブレーキは避け、ハザードランプを点けてスピードを落とし、道路の左側など安全な場所に停めます。揺れがおさまるまで車内で待ち、カーラジオなどで情報を集めます。高速道路では、非常駐車帯や広い路肩に寄せ、標識や情報板の案内に従います。
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    車を置いて避難するときは

    緊急車両の通行や、後から車を移動させる必要にそなえ、できるだけ道路外の場所に停めます。やむを得ず道路上に置く場合は、キーはつけたまま、ドアはロックせず、車検証などの貴重品を持って避難するのが一般的な目安とされています。連絡先を見える場所に残しておくと親切です。
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    大雨・冠水のときは

    アンダーパスや地下道など、周囲より低い場所は水がたまりやすく危険です。冠水した道路には進入せず、迂回します。少しの水深でも車は流されたりエンジンが止まったりすることがあります。無理をせず、早めに高い場所へ移動しておくのが安全です。

車を置いて避難する際の目安(道路外に停める、やむを得ず道路上に置く場合はキーをつけたままにする等)は、国や自治体、警察などが平時から呼びかけている一般的な考え方にもとづきます。実際には現場の状況と、警察・自治体の指示を優先してください。

車中泊での避難を考える場合は、エコノミークラス症候群への注意など、押さえておきたいポイントがあります。あわせて確認しておくと安心です。

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大雨・台風は「時間」を味方にできる

地震は突然ですが、台風や大雨は数日前から近づいてくることが分かります。お盆から9月にかけては台風シーズンと重なるため、旅行中でも気象情報をこまめに見て、早めに動くことが被害を避ける近道です。

2026年5月末からは、防災気象情報の伝え方が新しくなり、警報などに警戒レベルの数字が組み込まれるようになりました。避難のゴールは「レベル4(避難指示)までに、危険な場所から全員が避難を終えていること」です。キキクルの色でいえば、「危険」を示す紫はレベル4相当にあたります。旅先でこの色を見たら、宿や自治体の指示を確かめ、早めに安全を確保してください。

キキクルの色意味警戒レベル相当
注意レベル2相当
警戒レベル3相当
危険レベル4相当
災害切迫レベル5相当

キキクル(危険度分布)の色と警戒レベルの対応(紫は警戒レベル4相当など)は気象庁の資料に、警戒レベルと避難情報の対応関係は内閣府「避難情報に関するガイドライン」および気象庁「新たな防災気象情報について(令和8年~)」にもとづく一般的な目安です。実際の避難の判断は、滞在先の自治体が発表する避難情報を優先してください。

旅行の予定が台風と重なりそうなときは、「行くか・引き返すか・出発を遅らせるか」を早めに家族で話し合いましょう。台風接近時の行動を時系列で整理する考え方は、次の記事が役立ちます。

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マイ・タイムラインの作り方|台風・大雨で家族が「いつ・何をするか」を時系列で決める

家族が離れているときの安否確認と集合ルール

お盆は、家族が別々に移動したり、現地で行動が分かれたりしやすい時期です。父親だけ後から合流する、子どもは祖父母と先に出かける、といった場面もあるでしょう。そんなときに被災すると、真っ先に気になるのは家族の無事です。ところが災害直後は電話がつながりにくくなります。だからこそ、連絡が取れなくても慌てないための取り決めを、出発前にしておくことが大切です。

出発前に家族で決めておきたいこと

  • 連絡が取れないときの手段(災害用伝言ダイヤル171・災害用伝言板web171・家族のSNSグループ)
  • 『無事なら伝言を残す』を基本ルールにすること
  • 現地で別行動になったときの集合場所と時間
  • 帰省先・宿泊先の住所と電話番号を、紙のメモでも共有しておくこと
  • スマホの充電が切れたときにそなえ、モバイルバッテリーを持つこと

災害用伝言ダイヤル「171」は、被災地への電話がつながりにくいときに、音声で伝言を残し、聞くことができるNTTのサービスです。「171」にかけて音声案内に従い、自宅などの電話番号をキーにして伝言を録音・再生します。遠くの家族の安否も、この番号を共有しておけば確認し合えます。文字で残せる「web171」もあり、音声がつながりにくいときは文字の伝言が届きやすいことがあります。

災害用伝言ダイヤル(171)は、災害時に被災地への電話がつながりにくい場合に提供される声の伝言板です。利用方法や体験利用日はNTT東日本・西日本の案内で確認できます。

171やweb171は、毎月1日・15日や防災週間などに体験利用できる日が設けられています。お盆前に一度、家族で使い方を試しておくと、いざというときに戸惑いません。安否確認の具体的な手順は、次の記事で詳しくまとめています。

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家族の安否確認、決めていますか|災害用伝言ダイヤル171と連絡手段の備え

帰省は「実家の備えを見直す」チャンス

お盆の帰省は、離れて暮らす高齢の親の住まいを、防災の目で見直せる貴重な機会でもあります。ふだん電話では聞きづらいことも、一緒に家の中を見ながらなら自然に確認できます。

帰省したときに一緒に確認したいこと

  • 寝室や居間の大きな家具が固定されているか、倒れて出入口をふさがないか
  • 水・食料・常備薬を数日分そなえているか、期限が切れていないか
  • 懐中電灯や携帯ラジオ、予備電池が手の届く場所にあるか
  • 地域の避難場所と、そこまでの経路を親が知っているか
  • 災害時の連絡方法(171の使い方など)を親と共有できているか

高齢の家庭では、避難に時間がかかることを前提に、「早めに動く」ことが特に大切です。台風や大雨のときは、警戒レベル3(高齢者等避難)を合図に避難を始められるよう、あらかじめ話しておきましょう。帰省のときに一緒に近所の避難場所まで歩いてみるだけでも、いざというときの安心につながります。

毎年顔を見せるだけでしたが、今年は一緒に懐中電灯の場所と水の在庫を確認しました。『避難所まで一緒に歩いてみよう』と誘ったら、親も思ったより乗り気で。離れていても、これで少し安心できます。
遠方の親のもとへ帰省する読者

よくある質問

旅行や帰省のたびに、いちいち下調べをするのは大変ではないですか
毎回すべてを調べる必要はありません。宿を予約したついでに、ハザードマップポータルサイトで行き先の住所を入れて、洪水・土砂・津波のリスクと近くの避難場所を数分見ておくだけで十分です。海沿いなら津波、山あいなら土砂災害、というように、その土地で気をつけたい災害を一つ意識しておくと、当日の判断が変わります。
宿泊先で地震にあったら、外に逃げたほうがよいですか
まずは頭を守り、揺れがおさまるまで室内で身の安全を確保するのが基本です。あわてて廊下や外へ走り出すと、落下物やガラスでかえって危険なことがあります。落ち着いたら出口を確保し、館内放送やスタッフの誘導、非常口の案内に従ってください。チェックイン時に非常口の位置を見ておくと安心です。
高速道路を運転中に強い揺れを感じたら、どうすればよいですか
急ブレーキは避け、ハザードランプを点けてスピードを落とし、非常駐車帯や広い路肩など安全な場所に停めます。揺れがおさまるまで車内で待ち、カーラジオや道路情報板で状況を確認します。車を置いて避難するときは、できるだけ道路外に停め、やむを得ず道路上に置く場合はキーをつけたまま、貴重品を持って避難するのが一般的な目安です。現場では警察や係員の指示を優先してください。
家族が別々の場所にいるときに被災したら、まず何をすればよいですか
それぞれがまず自分の身の安全を確保し、無事なら災害用伝言ダイヤル171や災害用伝言板web171、SNSに『無事』の伝言を残すことを優先します。電話は災害直後つながりにくくなるため、『無事なら伝言を残す』を事前のルールにしておくと、連絡が取れなくても慌てずにすみます。集合場所と時間も、出発前に決めておきましょう。
お盆は台風の心配もあります。旅行の予定はどう考えればよいですか
台風や大雨は数日前から予想できます。予定と重なりそうなときは、早めに『行く・引き返す・出発を遅らせる』を家族で話し合ってください。旅先では気象庁のキキクルで今いる場所の危険度を確認し、紫(危険・警戒レベル4相当)が出る前に安全を確保するのが目安です。実際の避難は、滞在先の自治体が出す避難情報に従ってください。

今日からの一歩

お盆の帰省・旅行にそなえる要点は、むずかしいことではありません。出発前に行き先を少しだけ下調べし、慣れない土地での身の守り方をイメージし、離れた家族との連絡ルールを決めておく。この三つがそろえば、「もしも」出先で災害にあっても、家族で落ち着いて動けます。旅行の準備をするその流れの中に、防災の下調べを一つ加えるだけで十分です。

出発前にやっておくこと

  • 行き先の住所をハザードマップポータルサイトで検索し、リスクと近くの避難場所を確認する
  • 宿泊先の非常口や、海沿いなら高台の方向を頭に入れておく
  • 気象庁キキクルと滞在先自治体の防災情報を、スマホのお気に入りに入れておく
  • 家族で171・web171の使い方と『無事なら伝言を残す』ルール、集合場所を決める
  • モバイルバッテリーと、帰省先・宿泊先の連絡先を書いた紙のメモを持つ
  • 帰省したら、実家の家具固定・備蓄・避難場所を親と一緒に見直す

まずは次に出かける先の住所を、ハザードマップポータルサイトで一度検索してみてください。その数分が、お盆の家族の時間を、より安心して過ごすための備えになります。

出典・参考

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