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災害時の水分・栄養補給グッズの選び方比較|経口補水液・ゼリー飲料・野菜ジュースを「不足しがちなもの」から選ぶ

ミナト・編集長 / 備蓄・非常食担当
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災害時の水分・栄養補給グッズの選び方比較|経口補水液・ゼリー飲料・野菜ジュースを「不足しがちなもの」から選ぶ

非常食の棚を見ると、アルファ米、缶詰パン、カップ麺と「主食」はそろっているのに、飲み物は水だけ、野菜も乳製品も見当たらない。わが家の備蓄を点検したとき、まさにその状態でした。過去の災害の避難生活では、おにぎりやパンでお腹は満たせても、水分・野菜・たんぱく質・ビタミンが足りず、便秘や口内炎などの不調につながったことが公的機関の資料に記録されています。この記事では、主食以外の「不足しがちなもの」を補う道具を7タイプに分けて、何を補えるか・食べやすさ・調理や水の要否・保存期間・価格の目安で比較します。あわせて、経口補水液を「ふだんの水分補給の飲み物」と誤解して備えないための注意点も整理します。

ヒント

この記事にはアフィリエイト広告(商品リンク)を含みます。紹介するのは選び方の目安になる代表的なタイプで、特定の商品の効果をうたうものではありません。価格・在庫・仕様は変動するため、購入前に各販売サイトの最新情報をご確認ください。持病のある方や乳幼児・高齢者の飲食に関わる判断は、医師・薬剤師・管理栄養士にご相談ください。

主食は足りても「水分と栄養」は足りなくなる

まず、なぜ主食以外の備えが必要なのかを、公的機関の資料から確認しておきます。

農林水産省の「災害時に備えた食品ストックガイド」は、災害直後の食事は炭水化物ばかりになりがちだと指摘し、大きな災害時には野菜不足からビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素がとれず、便秘・口内炎などに悩んだという声が聞かれたと紹介しています。そのうえで、たんぱく質をとるための缶詰、ビタミン・ミネラル・食物繊維をとるための日持ちする野菜や乾物に加えて、野菜ジュースやドライフルーツなどもあるとよいとしています。

厚生労働省が平成30年8月1日に愛媛県・岡山県・広島県などの被災自治体へ出した事務連絡では、被災後20日余りを過ぎても、避難所によっては依然としておにぎりや菓子パン等の摂取が中心で、肉類、魚類、乳類、野菜類等の摂取は必ずしも十分ではない状況が見受けられたと述べ、特に野菜・果物、牛乳・乳製品、魚等は不足となりやすいので注意することを求めています。

日本栄養士会の災害支援チーム(JDA-DAT)が2025年9月に改訂した「災害時の栄養・食生活支援ガイド(Ver.2)」も、被災地の食事はおにぎりやパン、カップ麺などが中心となりがちで、肉、魚、乳製品および野菜の提供量が不足する傾向があること、こうした炭水化物中心の食事は便秘や下痢、口内炎、貧血などの不調を持つ人の割合を高めるおそれがあることを示しています。同ガイドは、発災後72時間以内の緊急対策期(フェーズ1)には、水分摂取を控えることによる脱水やエコノミー症候群(エコノミークラス症候群)が想定される栄養課題になるとも整理しています。トイレに行く回数を減らそうとして水を控えてしまう、という災害時特有の事情です。

不足しがちなもの起こりやすいとされる不調補う道具の候補
水分・電解質脱水、体調不良水(基本)、粉末スポーツドリンク、脱水時は医師等の指導のもとで経口補水液
野菜・果物(ビタミン・ミネラル・食物繊維)便秘、口内炎長期保存の野菜ジュース、果物の缶詰、ドライフルーツ、ビタミン系ゼリー飲料
たんぱく質(肉・魚・乳製品)体力低下魚や肉の缶詰、ロングライフ牛乳、常温保存の豆乳、たんぱく質を補うゼリー
エネルギー(食欲が落ちて食べられないとき)体力低下エネルギー系ゼリー飲料、栄養補助食品のバー・ブロック
飲み込みやすい形の栄養(高齢者など)食事量の低下、むせやわらかい栄養ゼリー、とろみ調整用食品

災害直後の食事が炭水化物に偏りやすいこと、野菜不足から便秘・口内炎などに悩んだ声があること、野菜ジュースやドライフルーツを備える提案は、農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド(3)備蓄食品の選び方」にもとづきます。野菜・果物、牛乳・乳製品、魚等が不足しやすいという指摘は、厚生労働省の平成30年8月1日付事務連絡「避難所における食事の提供に係る適切な栄養管理の実施について」によります。炭水化物中心の食事と不調の関係、災害初期の脱水の想定は、公益社団法人日本栄養士会「災害時の栄養・食生活支援ガイド(Ver.2)」(2025年9月)にもとづきます。表の「起こりやすいとされる不調」はこれらの資料の記述をまとめたもので、個人の症状を予測するものではありません。

参考|避難所の食事提供で「目標」とされる栄養の量

厚生労働省は、避難所で食事を提供する側が計画・評価に使う「栄養の参照量」を示しています。平成30年8月1日付の事務連絡では、1歳以上1人1日当たりで、エネルギー1,800〜2,200kcal、たんぱく質55g以上、ビタミンB1は0.9mg以上、ビタミンB2は1.0mg以上、ビタミンCは80mg以上が参照量として示されました(平成27年国勢調査の各県(愛媛県・岡山県・広島県)の人口構成で加重平均した値で、3県宛の事務連絡とも同じ値)。東日本大震災の際の平成23年4月21日付の事務連絡では、被災後3か月までの当面の目標として、エネルギー2,000kcal、たんぱく質55g、ビタミンB1は1.1mg、ビタミンB2は1.2mg、ビタミンCは100mgとされています。

これらは避難所の「食事提供の計画・評価」のための目安です。平成30年の事務連絡では「食事提供の評価を踏まえた計画の決定のための目安となる量」として示され、平成23年の事務連絡では、個々人の栄養管理のために使用するものではなく、病者や妊婦・乳児など個別の配慮を要する場合は医師・管理栄養士等による専門的評価が必要であることが留意事項として明記されています。家庭の備えとしては、数値を追いかけるより、たんぱく質とビタミンB群・Cがとくに意識されている、という点を押さえておけば十分です。

栄養の参照量の数値は、厚生労働省「大規模災害時の栄養・食生活支援」ページに掲載された平成30年8月1日付および平成23年4月21日付の事務連絡(PDF)から引用しました。いずれも避難所の食事提供の計画・評価のための目安として示されたもので、このうち平成23年の事務連絡には、個々人の栄養管理のために使用するものではない旨が留意事項として明記されています。

買う前に確認|経口補水液は「日常の水分補給の飲み物」ではない

水分補給グッズの代表として真っ先に名前が挙がる経口補水液ですが、備える前に知っておきたいことがあります。

経口補水液は、健康増進法にもとづき消費者庁長官が表示を許可する「特別用途食品」の「病者用食品」です。消費者庁のリーフレットは、経口補水液は脱水状態でない方が日常の水分補給として飲むものではないこと、医師からナトリウムまたはカリウム摂取量の制限を指示されている場合は必ず医師と相談し指導に沿って使用すること、医師や管理栄養士等と相談して使用することが適当であることを示しています。同庁のウェブページでは、日常的に飲んだり大量に飲んだりすると血圧や心臓に負荷がかかることが懸念されるとし、経口補水液が必要かどうかは自分で判断せず、医師、管理栄養士、薬剤師等に相談するよう案内しています。

数字で見るとイメージしやすくなります。消費者庁の基準では、許可基準型の経口補水液はナトリウムが100mL当たり92〜138mgで、スポーツドリンクよりナトリウムやカリウムが約3〜4倍多いとされています。大塚製薬工場のOS-1の場合、100mL当たりナトリウム115mg(食塩相当量0.292g)、カリウム78mgで、500mLボトル1本で食塩相当量は約1.5gです。同社も、食事指導を受けている方はかかりつけの医師に相談するよう案内しています。

注意

経口補水液は、脱水症のときに医師等の指導のもとで使う「食事療法の飲み物」です。のどが渇いたときの水代わり、暑い日の予防的な飲み物として常用するものではありません。腎臓病・高血圧・心臓病・糖尿病などで塩分・カリウム・糖質の制限を受けている方、乳幼児や高齢者に使う場合は、かかりつけの医師・薬剤師・管理栄養士の指示の範囲で使ってください。また、呼びかけへの反応がおかしい、吐き気がある・吐いているといった場合は、口から飲ませるのは禁物で医療機関での対応が必要だと環境省のマニュアルは示しています。判断に迷うときは、医療機関や自治体の救急相談窓口に相談してください。

表示で見分ける|許可基準型と個別評価型

経口補水液には2つの許可区分があります。

  • 許可基準型: 「感染性胃腸炎による下痢・嘔吐等の脱水状態に適する」旨の表示のみが認められた区分
  • 個別評価型: 個別評価により「熱中症に適した」など、許可基準型以外の表示が許可された区分(消費者庁のリーフレットでは「脱水を伴う熱中症にも有効な経口補水液」を個別評価型として国が許可していると説明されています)

消費者庁の令和8年6月25日付の事務連絡によると、令和5年5月19日に病者用食品としての許可区分が新設され、許可された経口補水液は令和5年度末時点で11製品(許可基準型4製品、個別評価型7製品)でしたが、令和7年度末時点では44製品(許可基準型19製品、個別評価型25製品)に増えています。熱中症への備えとして持つなら、パッケージの表示で「脱水を伴う熱中症」への使用が認められた個別評価型かどうかを確認します。

また、店頭では「経口補水液に似た清涼飲料水」も並んでいます。消費者庁は、特別用途食品としての許可を受けた経口補水液を清涼飲料水と区別して陳列するよう販売店に求めています。買うときは、特別用途食品のマーク(許可マーク)があるかを見る、というのがいちばん簡単な見分け方です。

経口補水液が病者用食品であること、日常の水分補給として飲むものではないこと、ナトリウム・カリウムの制限がある人は医師に相談すること、栄養成分の基準、許可基準型と個別評価型の区分は、消費者庁「特別用途食品について」「経口補水液について」および同庁のリーフレット「経口補水液ってなに?」「ご存じですか?経口補水液の知識」にもとづきます。製品数の推移は消費者庁の令和8年6月25日付事務連絡「特別用途食品たる経口補水液の適切な使用方法について」、陳列の区別は同庁の令和5年11月20日付事務連絡によります。OS-1の成分と相談の案内は大塚製薬工場の公式サイト(よくあるご質問)によります。

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選ぶときの5つの軸

タイプ別の比較に入る前に、選ぶときの視点を5つに絞ります。

  1. 何を補うのか: 水分と電解質、エネルギー、ビタミン・ミネラル、たんぱく質のどれが目的かを先に決める。「全部入り」を探すより、家族に足りなくなりそうなものを1つずつ埋める
  2. 調理や水がいるか: そのまま飲める・食べられるものを中心にし、粉末タイプは飲料水の在庫とセットで考える
  3. 食べやすさ・飲み込みやすさ: 食欲が落ちたときに口にできるか。高齢者や小さな子には、むせにくい形状かどうか
  4. 保存期間と回し方: 長期保存品で「最後の砦」を持つか、ふだん飲むものを多めに持って回す(ローリングストック)か
  5. 家族の健康状態: 塩分・カリウム・糖質・たんぱく質の制限、食物アレルギーの有無。ここに該当する人がいれば、備える前に主治医に相談する

メモ

飲料水そのものの量は、この記事の対象外です。1人1日3リットル程度を目安に、まず水を確保してから、この記事のグッズを「足す」順番で考えてください。水の必要量や置き方は別の記事にまとめています。

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タイプ別に比較|7タイプ早見表

タイプ主に補えるもの調理・水保存期間の目安向いている場面注意点
1. 経口補水液(ボトル・紙パック)水分・電解質不要1年〜1年半前後(OS-1は製造日より15か月。製品により異なる)脱水症のとき(医師等の指導のもと)病者用食品。日常の水分補給には使わない。塩分・カリウム制限のある人は医師に相談
2. 粉末の経口補水液・粉末スポーツドリンク水分・電解質(スポーツドリンクは糖分も)水が必要1年〜5年超(OS-1パウダーは製造日より66か月。製品差が大きい)かさばらせずに備えたいとき、片づけ作業で汗をかくとき濃さを守る。粉末の経口補水液も病者用食品としての注意は同じ
3. エネルギー・ビタミン系ゼリー飲料水分・エネルギー・ビタミン不要6か月〜1年前後、長期保存品は3〜5年前後食欲が落ちたとき、片手で食べたいとき主食の代わりにはならない。糖分が多い製品もある
4. 栄養補助食品(バー・ブロック)エネルギー・ビタミン・ミネラル不要1年前後、長期保存品は3〜5年前後調理できない初日、持ち出し袋水分と一緒に。主食の代わりではない
5. 長期保存の野菜ジュース野菜由来のビタミン・ミネラル・食物繊維の一部不要長期保存品で5年前後野菜が手に入らない期間生野菜と同じではない。塩分・糖分は表示で確認
6. ロングライフ牛乳・常温保存の豆乳・缶詰たんぱく質・カルシウムなど不要牛乳は数か月、缶詰は3年前後たんぱく質と乳製品の不足を埋める開封後は冷蔵して早めに。乳・大豆アレルギーに注意
7. 飲み込みやすい栄養ゼリー・とろみ調整用食品エネルギー・たんぱく質・水分(形を変えて)不要(とろみ剤は飲み物に混ぜる)1年前後高齢の家族、むせやすい人適切なとろみの強さは人により異なる。医師・管理栄養士等に相談

保存期間は製品によって幅があるため、表の数値はあくまで目安です。購入時に表示を確認してください。

1. 経口補水液(ペットボトル・紙パック)|「脱水症のとき」に限って使う備え

そのまま飲める経口補水液は、下痢・嘔吐・発熱や、脱水を伴う熱中症のときに、医師等の指導のもとで水と電解質を補う飲み物です。環境省の熱中症環境保健マニュアルも、熱中症を疑う人への水分・塩分の補給では、大量の発汗があった場合には汗で失われた塩分も補える経口補水液やスポーツドリンク等が最適で、食塩水(水1リットルに1〜2gの食塩)も有効だとしています。同マニュアルの「自然災害時の注意事項」では、在宅避難者への支援物資として自治体等が経口補水液や飲料等を配布することにも触れています。

家庭で備える量は、家族全員の日常の飲み物として箱買いするのではなく、「体調を崩した人が数日しのぐ分」と考えると過不足が減ります。大塚製薬工場が示すOS-1の1日当たりの目安量は、学童〜成人(高齢者を含む)で500〜1,000mL、幼児で300〜600mL、乳児で体重1kg当たり30〜50mLで、脱水状態に合わせて増減するとされています。同社は、医師から脱水症の食事療法として指示された場合に飲むこと、医師・薬剤師・看護師・管理栄養士・登録販売者の指導に従うことを案内しています。

ペットボトルは持ち運びや分けやすさに優れ、紙パックは軽くて省スペースです。乳幼児や高齢者向けには、ゼリータイプの経口補水液を用意しているメーカーもあります。いずれも賞味期限は1年〜1年半前後の製品が多く(大塚製薬工場のOS-1は液体・ゼリーとも製造日より15か月)、長期保存水のように何年も置けるわけではないので、期限を手帳やスマートフォンに控えておきます。

熱中症を疑う人への水分・塩分の補給に関する記述は、環境省「熱中症環境保健マニュアル2022」のII「熱中症になったときには」およびIII-6「自然災害時の注意事項」によります。OS-1の目安量・賞味期限と使用上の注意は大塚製薬工場の公式サイトによります。ここで示した量は製品の表示にもとづく目安で、実際の使用は医師等の指示を優先してください。

経口補水液(ペットボトル・特別用途食品)

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経口補水液(ペットボトル・特別用途食品)

価格の目安: 500ml×24本で4,000〜6,000円前後

脱水症のときに、医師等の指導のもとで水と電解質を補うための病者用食品です。日常の水分補給には使いません。パッケージの特別用途食品の許可マークと、熱中症への使用が認められた個別評価型かどうかを確認してください。塩分・カリウムの制限がある方は、備える前に主治医に相談を。

※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。

2. 粉末の経口補水液・粉末スポーツドリンク|軽くてかさばらない、ただし水が要る

粉末タイプは、水に溶かして使うぶん軽くてかさばらず、賞味期限も液体より長めの製品が多いのが利点です。たとえば大塚製薬工場のOS-1パウダーは製造日より66か月(約5年半)で、液体の15か月より大幅に長くなっています(メーカー公表値)。一方で、飲料水がなければ作れないので、保存水の在庫とセットで考えます。

粉末の経口補水液は、液体と同じく特別用途食品の病者用食品として許可を受けた製品があり、使い方の注意も同じです。決められた量の水で溶かさないと、濃すぎたり薄すぎたりして本来の組成になりません。

粉末スポーツドリンクは、経口補水液とは別物です。環境省のマニュアルは、日常生活で飲料として摂取すべき水分は1日当たり1.2リットルが目安で、大量の発汗がある場合は水だけでなく、スポーツ飲料などの塩分濃度0.1〜0.2%程度の水分摂取が薦められるとしています。同マニュアルは、災害後の救援・復旧作業でも、スポーツドリンクや経口補水液等の飲料を十分に用意し、一定時間ごとに休憩してこまめに水分・塩分補給をするよう示しています。片づけ作業で汗をかく場面の備えとしては、粉末スポーツドリンクが現実的な選択肢です。ただし糖分が多いため、飲み過ぎには注意し、糖質の制限がある方は主治医に相談してください。

飲料としての水分摂取の目安(1日1.2リットル)、大量の発汗時に塩分濃度0.1〜0.2%程度の飲料が薦められること、復旧作業時の水分・塩分補給は、環境省「熱中症環境保健マニュアル2022」のIII-1「日常生活での注意事項」およびIII-6「自然災害時の注意事項」にもとづきます。

粉末タイプの経口補水液・粉末スポーツドリンク

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粉末タイプの経口補水液・粉末スポーツドリンク

価格の目安: 1箱(数包入り)で1,000〜2,000円前後

軽くて場所を取らず、保存水と組み合わせて使う粉末タイプ。経口補水液の粉末は液体と同じ病者用食品で、日常の水分補給には使いません。片づけ作業の汗対策には粉末スポーツドリンクを分けて備えると、用途の混同を防げます。指定の水の量を守って溶かしてください。

※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。

3. エネルギー・ビタミン系のゼリー飲料|食欲が落ちたときの「口にできるもの」

パウチ入りのゼリー飲料は、農林水産省が「いまどき!家庭備蓄」の中で災害時の備えとして紹介している食品です。加熱や加水といった調理が不要でライフラインが止まってもそのまま食べられること、水分と栄養を同時に補給できること、子どもや高齢の方でも食べやすいこと、片手で食べられて手も汚れにくいことが、非常時の食事でありがたい点として挙げられています。同省は、ふだんから使いやすい食品なので「いつもの買い物+α」で買い置きし、賞味期限前に食べて使った分を買い足すローリングストック法での備えをすすめています。

災害時は、疲れやストレスで食欲が落ちて固形物がのどを通らないことがあります。そんなときに「とりあえず口にできるもの」があるかどうかで、その後の体力に差が出ます。エネルギー系(糖質中心)、ビタミン系、たんぱく質系など種類があるので、家族の好みの味を試しながら、1人当たり数個を目安に持っておくと安心です。

注意点は2つ。ゼリー飲料は主食の代わりにはならないこと、そして飲み込みに不安のある人には形状が合わない場合があることです。むせやすい高齢の家族には、後述の飲み込みやすさに配慮したゼリーを検討してください。

ゼリー飲料の利点と、ローリングストックでの備え方は、農林水産省「一石何鳥?栄養補助ゼリー」(いまどき!家庭備蓄)にもとづきます。

エネルギー・ビタミン系ゼリー飲料(パウチ)

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エネルギー・ビタミン系ゼリー飲料(パウチ)

価格の目安: 6個入りで1,000〜1,500円前後

調理不要で、片手で水分とエネルギーをとれるパウチ入りゼリー。食欲が落ちたときの「口にできるもの」として、1人数個を目安に。賞味期限は1年前後の製品が多いので、ふだんから飲んで買い足すローリングストック向きです。長期保存タイプもあります。

※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。

4. 栄養補助食品(バー・ブロック)|調理できない初日と持ち出し袋に

ブロックタイプやバータイプの栄養補助食品は、農林水産省が「調理がいらないものが多く、栄養も考えられているため、災害時の備えとしても有用」と位置づけている食品です。小さくて軽く、個包装で日持ちするため、非常用持ち出し袋やオフィスの引き出し、車の中など、分散して置く備えに向いています。

選ぶ視点は、家族が実際に食べられる味かどうかと、水分と一緒にとれるかどうかです。ブロックタイプはぱさつきやすく、水なしでは食べにくいことがあります。飲料水やゼリー飲料とセットにしておきます。

ここで大事なのは、栄養補助食品は「主食の代わり」ではなく「足りないものを足す」道具だということです。バーだけで数日を過ごす前提にせず、アルファ米や缶詰パン、レトルトなどの主食・主菜と組み合わせる前提で量を決めてください。非常食全体の組み立ては、別の記事にまとめています。

栄養補助食品が「調理がいらないものが多く、栄養も考えられているため、災害時の備えとしても有用」であるという位置づけは、農林水産省「一石何鳥?栄養補助ゼリー」(いまどき!家庭備蓄)からの引用です。

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栄養補助食品(バランス栄養食のブロック・バー)

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栄養補助食品(バランス栄養食のブロック・バー)

価格の目安: 1箱200〜300円前後、まとめ買いで2,000〜4,000円前後

小さく軽く個包装で、持ち出し袋や職場・車に分散して置きやすい備え。調理できない初日の助けになりますが、主食の代わりにはなりません。ぱさつく製品は水分とセットで。長期保存タイプは賞味期限が長いぶん割高なので、ふだんの買い置きと使い分けます。

※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。

5. 長期保存できる野菜ジュース|「野菜が手に入らない期間」をつなぐ

農林水産省の食品ストックガイドは、副菜(ビタミン・ミネラル・食物繊維の供給源)の備蓄品として、日持ちする野菜や乾物と並べて野菜の缶詰や野菜ジュースを挙げ、果物についても果物ジュースやドライフルーツを挙げています。避難所の食事で不足しやすいとされる「野菜・果物」を、調理なしで補える手段の一つです。

備蓄用として売られている長期保存タイプの野菜ジュースは、賞味期間が5年前後のものがあります。たとえばカゴメの「野菜一日これ一本 長期保存用」は、賞味期間5.5年で、1缶190gに野菜350g分を濃縮して使い、砂糖・食塩・栄養強化剤不使用とされています(数値はメーカー公表値)。ふだん飲んでいる紙パックの野菜ジュースは賞味期限が数か月から1年前後なので、長期保存の缶を「最後の砦」として少量持ち、ふだんの紙パックをローリングストックで回す組み合わせが現実的です。

注意したいのは、野菜ジュースは生野菜の代わりそのものではないことです。加工の過程で失われる成分もあり、食物繊維の量も製品によって違います。「ないよりずっとよい」補助と考え、野菜の缶詰や乾物、日持ちする野菜と合わせて備えます。塩分や糖分が加えられている製品もあるので、制限のある方は表示を確認してください。

副菜・果物の備蓄品として野菜ジュース・野菜の缶詰・果物ジュース・ドライフルーツを挙げていることは、農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド(3)備蓄食品の選び方」によります。長期保存用野菜ジュースの賞味期間・容量・原材料の例はカゴメの製品ページ(メーカー公表値)によります。

長期保存タイプの野菜ジュース(缶)

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長期保存タイプの野菜ジュース(缶)

価格の目安: 190g×30本で4,000〜6,000円前後

野菜が手に入らない期間に、調理なしでビタミン・ミネラルを補う手段。長期保存タイプは5年前後もつ製品があり、備蓄の「最後の砦」に向きます。生野菜の代わりそのものではないので、野菜の缶詰や乾物とあわせて。塩分・糖分は表示で確認を。

※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。

6. ロングライフ牛乳・常温保存の豆乳・缶詰|たんぱく質と乳製品の不足を埋める

厚生労働省の事務連絡が「不足となりやすい」と名指ししたのは、野菜・果物のほかに牛乳・乳製品と魚でした。農林水産省のガイドも、たんぱく質をとるためにはツナ、サバ、イワシなど魚介の缶詰や、コンビーフ、焼き鳥など肉類の缶詰がおすすめだとし、牛乳・乳製品の備蓄品としてロングライフ牛乳・粉チーズ・スキムミルクを挙げています。

ロングライフ牛乳(常温保存可能品)は、一般社団法人日本乳業協会によると、生乳と容器をそれぞれ滅菌し無菌的な環境で製造しているため、賞味期限までは常温で保存しておいしく飲めます。冷蔵の牛乳が120〜130℃で殺菌されるのに対し、常温保存可能な牛乳は140〜150℃で2〜3秒間滅菌され、光や酸素を遮るアルミ箔を内側に貼り合わせた紙容器を使っています。開封後はふつうの牛乳と同様に10℃以下で冷蔵し、早めに飲む必要があります。停電で冷蔵庫が使えない状況では、飲み切れる小さな容量(200mL前後)を選ぶのがコツです。常温保存できる豆乳も同じ考え方で備えられ、牛乳が飲めない家族の選択肢になります。

缶詰は保存期間が長く、調理なしでたんぱく質をとれる備えの定番です。缶詰の選び方は非常食の記事で扱っているので、ここでは「たんぱく質を補う」という視点で、魚の水煮缶やサバのみそ煮缶、焼き鳥缶などを、家族が食べ慣れた味で選ぶことをおすすめしておきます。

たんぱく質源としての缶詰と、ロングライフ牛乳・粉チーズ・スキムミルクの備蓄は、農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド(3)備蓄食品の選び方」によります。ロングライフ牛乳が常温で保存できる理由、殺菌温度、容器、開封後の扱いは一般社団法人日本乳業協会「乳と乳製品のQ&A」によります。

ロングライフ牛乳・常温保存できる豆乳(小容量パック)

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ロングライフ牛乳・常温保存できる豆乳(小容量パック)

価格の目安: 200ml×24本で3,000〜5,000円前後

避難生活で不足しやすい乳製品とたんぱく質を、常温のまま補える備え。冷蔵庫が使えない前提で、1回で飲み切れる小容量を。開封後は冷蔵して早めに飲みます。牛乳が飲めない家族には常温保存の豆乳を同じ考え方で。ふだんから飲んで買い足すローリングストック向きです。

※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。

7. 飲み込みやすい栄養ゼリー・とろみ調整用食品|高齢の家族がいる家庭に

高齢の家族がいる家庭では、「食べられるもの」の条件が一段厳しくなります。日本栄養士会のガイドは、要配慮者に適した食材の例として、高齢者にはレトルト粥、汁物、とろみ剤、やわらかいおかず(パウチ食品)などを挙げています。かたいものが噛めない、水のようにさらさらした飲み物でむせる、といった状態では、ふつうの非常食も水もそのままでは口にしにくいためです。

そこで役立つのが、やわらかく飲み込みやすい形に調整された栄養ゼリーと、飲み物にとろみをつける「とろみ調整用食品」です。とろみ調整用食品は、えん下(飲み込み)を容易にし、誤えんを防ぐために液体にとろみをつける食品で、特別用途食品の一つとして消費者庁の許可マークが表示されています。消費者庁のリーフレットは、利用する人によって適切なとろみの強さが異なるため、使用前に医師や管理栄養士等に相談して確認すること、同じ量を混ぜても食品の種類や温度でとろみの強さが変わるため食べる前に必ず確認すること、確実に誤えんが防げるわけではないことを示しています。

つまり、この分野の備えは「買って置いておけば安心」ではなく、ふだんから使い慣れておくことが前提です。すでに介護食やとろみ剤を使っている家庭なら、それを少し多めに持つ。まだ使っていないなら、災害時に初めて使うのではなく、かかりつけの医師や管理栄養士に相談して、平時に試しておきます。乳幼児・高齢者・食べる機能が弱くなった方・慢性疾患や食物アレルギーのある方など、食事に特別な配慮が必要な方の食品は災害時に手に入りにくいため、農林水産省は少なくとも2週間分のストックをすすめています。

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高齢者に適した食材の例(レトルト粥、汁物、とろみ剤、やわらかおかず等)は、公益社団法人日本栄養士会「災害時の栄養・食生活支援ガイド(Ver.2)」によります。とろみ調整用食品の位置づけと注意点は、消費者庁のリーフレット「とろみ調整用食品ってなに?」にもとづきます。食事に配慮が必要な方に「少なくとも2週間分」のストックをすすめている記述は農林水産省「アレルギーの方こそローリングストック!」(いまどき!家庭備蓄)によります。乳幼児・高齢者・食べる機能が弱くなった方・慢性疾患や食物アレルギーのある方という対象の範囲は、同省「要配慮者のための災害時に備えた食品ストックガイド」によります。とろみの強さや介護食の選択は、医師・歯科医師・管理栄養士・言語聴覚士などの指導を優先してください。

飲み込みやすい栄養補助ゼリー(高齢者・介護向け)

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飲み込みやすい栄養補助ゼリー(高齢者・介護向け)

価格の目安: 1個150〜300円前後

噛む力や飲み込む力が弱くなった家族のための、やわらかく飲み込みやすい栄養ゼリー。飲み物にとろみをつけるとろみ調整用食品は、適切な強さが人によって違うので、災害時に初めて使うのではなく、医師や管理栄養士に相談して平時に試し、使い慣れたものを少し多めに備えてください。

※価格・在庫は変動します。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。

わが家の組み合わせを決める手順

7タイプすべてをそろえる必要はありません。家族の状況に合わせて、次の順番で決めていきます。

  1. 1

    1. 水と主食を先に確認する

    飲料水1人1日3リットル程度、食料は最低3日分・できれば1週間分が農林水産省の目安です。この土台がないまま補助食品を足しても意味がありません。
  2. 2

    2. 家族ごとに『足りなくなりそうなもの』を書き出す

    食欲が落ちやすい人、野菜が少ないと便秘になりやすい人、噛む力が弱い人、塩分制限のある人。名前と一緒に書き出すと、必要なタイプが自然に絞れます。
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    3. 制限や治療中の病気がある人は主治医に相談する

    腎臓病・高血圧・心臓病・糖尿病などの方、乳幼児、介護が必要な高齢者については、経口補水液やとろみ剤の使い方を、備える前にかかりつけの医師・薬剤師・管理栄養士に確認します。お薬手帳と一緒に、相談した内容をメモしておくと避難先でも役立ちます。
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    4. 『ふだん飲むもの』と『最後の砦』に分けて買う

    野菜ジュース、ロングライフ牛乳、ゼリー飲料、栄養補助食品はふだん飲んで買い足すローリングストックが基本。長期保存タイプの野菜ジュースやゼリーは少量を最後の砦として持ちます。
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    5. 置き場所と期限の管理を決める

    液体の経口補水液とゼリー飲料は賞味期限が1年〜1年半前後と短めなので、期限をカレンダーに入れておきます。持ち出し袋にはバーとゼリー飲料を、家の備蓄棚には野菜ジュース・牛乳・缶詰を、と役割で分けると点検が楽になります。
非常食の点検で、主食ばかりで飲み物が水しかないことに気づきました。子どもが熱を出したときのことを思い出して、まず野菜ジュースとゼリー飲料をふだんの買い物で多めに買うことから始めました。経口補水液は「体調を崩したときのもの」と分けて、少しだけ棚の奥に置いています。
小学生2人と暮らす読者

家族構成別の組み合わせ例

家族の状況優先したいタイプ考え方
大人だけの世帯5(野菜ジュース)、6(牛乳・缶詰)、2(粉末スポーツドリンク)野菜とたんぱく質を埋め、片づけ作業の汗対策に粉末を
小さな子どもがいる3(ゼリー飲料)、5(野菜ジュース)、6(牛乳)食べ慣れた味で。経口補水液の使い方は小児科で確認
高齢の家族がいる7(飲み込みやすいゼリー・とろみ)、6(牛乳・豆乳)、1(経口補水液は医師の指導のもと)平時から使い慣れておく。塩分・カリウム制限の有無を確認
一人暮らし・仕事場に置く4(バー)、3(ゼリー飲料)小さく軽く、机の引き出しや車にも分散

数字はこの記事のタイプ番号です。あくまで考え方の例なので、家族の好みや健康状態に合わせて入れ替えてください。

保管とローリングストックのコツ

この記事のグッズは、長期保存水や缶詰と違って賞味期限が1年〜1年半前後の製品が多いのが特徴です。だからこそ「買って置きっぱなし」が起こりやすく、ふだんの暮らしで飲みながら回す仕組みが向いています。

  • 野菜ジュース、牛乳、ゼリー飲料、栄養補助食品は、買い物のたびに1つ多く買い、古いものから飲む
  • 経口補水液は「体調を崩したとき用」と決めて家族に共有し、日常の飲み物と同じ棚に置かない
  • 高温になる場所(車内や直射日光の当たる窓際)は避ける。ゼリーやジュースは風味が落ちやすい
  • 年に1回、防災週間(8月30日〜9月5日)などに家族で試食し、好みに合わないものは入れ替える

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備蓄品リスト全体の中での位置づけは、家庭の備蓄リストの記事もあわせて参考にしてください。

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よくある質問

経口補水液は、家族全員分を箱で備えておくべきですか
必ずしもそうではありません。経口補水液は消費者庁が許可する病者用食品で、脱水状態でない人が日常の水分補給として飲むものではないとされています。体調を崩した人が数日しのぐ分を目安に少量を持ち、ふだんの水分補給は水やお茶、汗をかく作業のときは塩分濃度0.1〜0.2%程度のスポーツドリンクで、と分けて考えるのが現実的です。持病のある方の使用は主治医に相談してください。
スポーツドリンクと経口補水液の違いは何ですか
消費者庁のリーフレットによると、経口補水液はスポーツドリンクよりナトリウムやカリウムが約3〜4倍多く、脱水時に失われた水と電解質を小腸で素早く吸収できる配合になっています。そのぶん、塩分やカリウムの制限がある人が誤った飲み方をすると健康に大きな問題を起こすおそれがあるとされています。スポーツドリンクは糖分が多めなので、飲み過ぎに注意します。
ゼリー飲料や栄養補助食品だけで数日過ごせますか
おすすめしません。これらは調理できないときや食欲が落ちたときの助けになりますが、主食の代わりではありません。農林水産省のガイドも、主食・主菜・副菜をバランスよく備えることを基本にしています。アルファ米や缶詰パン、レトルトなどの主食・主菜と組み合わせ、足りないものを足す道具として位置づけてください。
野菜ジュースを備えれば野菜は要りませんか
野菜ジュースは生野菜の代わりそのものではなく、加工の過程で失われる成分もあります。農林水産省のガイドは、じゃがいもや玉ねぎなど日持ちする野菜や乾物、野菜の缶詰と並べて野菜ジュースを挙げています。複数の手段を組み合わせて、野菜が手に入らない期間をつなぐ考え方が基本です。
高齢の親のために、とろみ剤を買っておけば安心ですか
買っておくだけでは不十分です。消費者庁のリーフレットは、適切なとろみの強さが人によって異なるため、使用前に医師や管理栄養士等に相談して確認すること、食べる前に必ずとろみの強さを確認することを示しています。災害時に初めて使うのではなく、平時に相談して試し、使い慣れたものを少し多めに持つ形にしてください。
乳幼児に経口補水液を飲ませてもよいですか
メーカーは乳児や幼児の目安量を示していますが、医師から脱水症の食事療法として指示された場合に飲むこと、医師・薬剤師・管理栄養士などの指導に従うことを案内しています。乳幼児の脱水は進みやすいため、自己判断で続けるのではなく、かかりつけの小児科に相談してください。乳幼児の備えは専用の記事もあわせてご覧ください。

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乳幼児のミルク・離乳食の備蓄比較|液体ミルク・粉ミルク・ベビーフードを「お湯が使えない前提」で選ぶ

まとめ|今日できる一歩は「野菜ジュースを1本多く買う」

主食は足りても、水分・野菜・たんぱく質・ビタミンは足りなくなる。これが公的機関の資料が繰り返し伝えている避難生活の食事の姿です。補う道具は7タイプありますが、全部をそろえる必要はありません。家族ごとに「足りなくなりそうなもの」を書き出し、ふだん飲むものを1つ多く買うところから始めれば十分です。そして経口補水液だけは、日常の飲み物ではなく「体調を崩したときに医師等の指導のもとで使うもの」と切り分けて備えてください。

水分・栄養補給グッズの備えチェックリスト

  • 飲料水1人1日3リットル程度と、最低3日分・できれば1週間分の主食を先に確保した
  • 家族ごとに『足りなくなりそうなもの』(水分・野菜・たんぱく質・エネルギー・飲み込みやすさ)を書き出した
  • 塩分・カリウム・糖質の制限がある家族の経口補水液の使い方を主治医に確認した
  • 経口補水液は特別用途食品の許可マークと、熱中症への使用が認められた個別評価型かどうかを確認して選んだ
  • 経口補水液は『体調を崩したとき用』と家族で共有し、日常の飲み物と分けて置いた
  • 野菜ジュースとロングライフ牛乳(または豆乳)をふだんの買い物で1つ多く買う仕組みにした
  • ゼリー飲料と栄養補助食品を持ち出し袋と職場・車に分散して置いた
  • 高齢の家族がいる場合、飲み込みやすいゼリーやとろみ調整用食品を平時に試した
  • 賞味期限が1年〜1年半前後のもの(液体の経口補水液・ゼリー飲料)の期限をカレンダーに入れた
  • 年に1回、家族で試食して好みに合わないものを入れ替える日を決めた

この記事の備蓄量の目安のうち、飲料水1人1日3リットル程度は農林水産省「大事な水、どうやって備えますか?」(いまどき!家庭備蓄)、食料は最低3日分・できれば1週間分は同省「災害時に備えた食品ストックガイド(1)食品の家庭備蓄のすすめ」にもとづきます。栄養に関する記述は農林水産省・厚生労働省・公益社団法人日本栄養士会の資料、経口補水液と特別用途食品に関する記述は消費者庁の資料と大塚製薬工場の公式情報、熱中症時の水分・塩分補給は環境省の資料を参照しました。個々の健康状態に応じた判断は、医師・薬剤師・管理栄養士などの専門家と、自治体・公的機関の最新情報を優先してください。

出典・参考

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