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台風25号で伊豆諸島と関東に起きたこと|「店に届かない・電気が止まる・出られない」が同時に来る日数をどう見積もるか

ツムギ・住まいの防災・ライフライン担当
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台風25号で伊豆諸島と関東に起きたこと|「店に届かない・電気が止まる・出られない」が同時に来る日数をどう見積もるか

台風が来る前の週末、島のスーパーの棚から日持ちするパンが消えていく。船が止まっているから、荷物が入ってこない。2026年9月の台風第25号で八丈島に起きたことは、離島だけの話に見えます。けれど同じ台風で、千葉県では高速道路が土砂で塞がれ、国道が冠水し、5万軒を超える停電が翌日まで続きました。宅配便の集配も止まっています。「店に物が届かない」「電気が止まる」「船や道路が使えず出られない」という3つは、離島でも山間部でも都市の郊外でも、同じ台風の中で同時に起こります。この記事では、公表されている一次資料で台風第25号の経過を確認したうえで、その3つが「同時に止まる日数」をわが家でどう見積もり、何から先に整えるかを整理します。

本記事の経過と数値は、国土交通省「令和8年台風第25号による被害状況等について」(第1報・第6報)、消防庁「令和8年台風第25号による被害及び消防機関等の対応状況」(第5報・第9報)、気象庁「過去の気象データ検索」、東海汽船の運航案内、ウェザーニュース・日本気象協会・NHK・ANNの報道にもとづきます。被害の数値はいずれも速報値で、今後変わることがあります。備蓄量の目安は首相官邸・政府広報オンラインの案内によります。避難や在宅の判断は、お住まいの自治体が発表する最新の情報を優先してください。

令和8年台風第25号で何が起きたのか

まず、起きたことを時点つきで確認します。数字は速報であり、報が進むにつれて変わっている点に注意してください。

台風の経過

国土交通省の第6報(9月22日9時00分現在)は、9月16日21時にマリアナ諸島で発生した台風第25号が、19日に小笠原諸島に接近し、21日に大型で強い勢力で伊豆諸島や関東甲信地方に接近したと説明しています。19日には東京都父島で30.4メートル、21日には東京都三宅島で38.0メートルの最大瞬間風速を観測しました。関東地方でも20メートル、伊豆諸島では30メートルを超える最大瞬間風速を観測した地点があります。日本気象協会の解説によると、台風は日本の東を東に進み、22日21時に温帯低気圧に変わりました。

ウェザーニュースによると、21日22時の時点で台風は千葉県銚子市の南東約140キロにあり、中心気圧960ヘクトパスカル、最大風速40メートル、最大瞬間風速55メートルの「大型で強い」勢力を保ったまま北東に進んでいました。関東の南の海上を、勢力を落とさずに通過した台風でした。

伊豆大島の雨

国土交通省の第6報は、19日から21日までの総雨量が伊豆諸島で800ミリを超えたと記しています。ウェザーニュースは、伊豆大島で21日17時20分までの24時間降水量が686.5ミリに達したと伝えました。

気象庁の「過去の気象データ検索」で大島(観測地点は大島町)の記録を見ると、日降水量の1位は2026年9月21日の592.5ミリで、統計期間は1938年11月からです。これまでの1位だった2013年10月16日の525.5ミリ(伊豆大島で大規模な土砂災害が起きた台風第26号のとき)を上回りました。9月の月降水量も1763.5ミリで1位に入っており、大島の9月の平年値341.3ミリの5倍を超えています(いずれも速報値で、月末まで値が確定していません)。

メモ

同じ「観測史上1位」でも指標によって意味が違います。気象庁の同じ表で、大島の月最大24時間降水量の1位は2013年10月15日の824.0ミリのままで、今回の21日の値(684.5ミリ)は3位に入っています。今回の雨は「1日で見れば過去最多」でしたが、「2013年より強い雨」だったわけではありません。日付の区切りで数字の見え方が変わるため、この記事では気象庁の表の値をそのまま示しています。

12時40分、レベル5土砂災害特別警報

この雨を受けて、9月21日12時40分、東京都大島町に「レベル5土砂災害特別警報」が発表されました。消防庁の第9報によれば、この特別警報は同日23時00分に「レベル4土砂災害危険警報」へ切り替えられています。発表から切り替えまで、およそ10時間20分でした。

大島町の動きはその前日から始まっていました。NHKによると、大島町は9月20日19時に土砂災害のおそれが高まっているとして町内全域に避難指示(警戒レベル4)を発令しています。ウェザーニュースによると、特別警報の発表を受けて21日12時46分には町内全域に緊急安全確保(警戒レベル5)が発令され、対象は1,901世帯3,020人でした。消防庁の第5報(21日15時00分現在)にも、東京都の緊急安全確保として1市町村・1,901世帯・3,020人が計上されています。消防庁は12時41分に東京都へ適切な対応と被害報告を要請し、気象庁は13時40分に記者会見を開いています。

注意

国土交通省の第6報は、大島町のほかにも東海地方・関東甲信地方を中心に土砂災害・大雨・氾濫の「レベル4危険警報」を発表したと記しています。レベル4土砂災害危険警報は、22日7時時点で7都県89市区町村(宮崎県、東京都、千葉県、神奈川県、静岡県、茨城県、宮城県)に発表され、その時点でも千葉県と神奈川県の21市町で継続していました。特別警報が出た島だけが危なかったわけではなく、関東の広い範囲が同時にレベル4の状態にありました。

八丈島、船が止まると棚が変わる

八丈島の様子は、台風が近づく前から報じられていました。東海汽船の運航案内(第1報、9月17日17時00分)によると、9月17日22時30分東京発の御蔵島・八丈島行きの大型客船は欠航、18日の八丈島・御蔵島発東京行きも欠航でした。その後の第2報・第3報でも八丈島発着の便は欠航が続き、20日から21日にかけては高速ジェット船が終日全便欠航となっています。第4報(9月21日11時30分)では、21日夜の東京発全便と22日の各島発東京行きが欠航、22日の高速ジェット船も終日欠航とされました。

ANN(KSB瀬戸内海放送)が9月19日に伝えた八丈島のスーパーの店長の話では、商品が入ってこないため、日持ちするパンなどは入荷するとすぐに売り切れる状態でした。NHKは9月20日、フェリーの欠航により島外からの食料品が届かず、スーパーで一部の商品が品薄になっていると報じています。船が止まり始めた17日から数えて、3日ほどで棚が薄くなった計算です。

暴風のピークは21日でした。NHKによると八丈島は21日に暴風域に入り、13時40分に最大瞬間風速35.2メートルを観測、住宅の屋根が壊れるなどの被害が出て、22日午前の時点でも停電が続いていました。ANNの記者は21日午後、滞在先のホテルの屋上の窓ガラスが割れ、一時停電が発生した(数分で復旧)と伝えています。

島に住む親は「船が止まるのはいつものこと」と言うのですが、今回は止まっている日数が長くて、電話の向こうで冷蔵庫の中身を数えていました。停電もあって、冷凍庫のものから先に食べたそうです。こちらから送るにも、その船が止まっているので何もできませんでした。
想定される読者の声(伊豆諸島に親族がいる方)

千葉と神奈川で起きたこと

関東でも記録が更新されました。ウェザーニュースによると、24時間降水量は千葉県佐倉市で322.0ミリ、船橋市で345.5ミリ、東京都江戸川臨海で282.5ミリと、いずれも観測史上1位でした。共同通信の記事(福井新聞ONLINE)によると、21日までの48時間降水量は千葉県内の14地点で観測史上最大となり、大多喜で489.0ミリ、市原市牛久で487.0ミリ、茂原で465.0ミリなど、400ミリを超えた地点が複数ありました。

消防庁の第9報(9月23日9時00分現在)によると、この台風による人的被害は死者10人(千葉県6人、神奈川県3人、宮崎県1人)、行方不明者4人、負傷者28人、住家被害は全壊22棟・半壊4棟・床上浸水346棟・床下浸水129棟・一部破損36棟です。千葉県鴨川市と神奈川県横須賀市・三浦市では、土砂崩れの現場で行方不明者の捜索が続いています。いずれも速報値で、今後変わることがあります。

日付時刻出来事
9月16日21時マリアナ諸島で台風第25号が発生
9月17日22時30分発東京発の御蔵島・八丈島行き大型客船が欠航(以後、八丈島発着便は欠航が続く)
9月18日12時00分消防庁が災害対策室を設置(第1次応急体制)
9月19日-台風が小笠原諸島に接近、父島で最大瞬間風速30.4メートル
9月20日19時大島町が町内全域に避難指示を発令(NHK)
9月21日11時00分東京都が災害即応対策本部を設置
9月21日12時40分東京都大島町にレベル5土砂災害特別警報を発表
9月21日12時46分大島町が全域に緊急安全確保を発令(1,901世帯3,020人)
9月21日13時40分八丈島で最大瞬間風速35.2メートル(NHK)。気象庁が記者会見
9月21日17時20分伊豆大島の24時間降水量が686.5ミリに(ウェザーニュース)
9月21日20時すぎ関東地方で約5万2600軒が停電(NHK、東京電力パワーグリッドの発表)
9月21日23時00分大島町の特別警報をレベル4土砂災害危険警報へ切り替え
9月22日20時すぎ千葉県を中心に約3万6400軒が停電中(NHK)
9月22日21時日本のはるか東で温帯低気圧に変わる

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「届かない・止まる・出られない」は同時に来る

台風第25号の資料を読んでいて目を引くのは、被害の大きさそのものより、止まったものの種類の多さです。国土交通省の第6報(9月22日9時00分現在)から、ライフラインと交通の項目を拾ってみます。

止まったもの第6報の記述(いずれも速報値)
航空9月21日は457便が欠航(JAL152便、ANA150便、その他155便)。関東発着便が中心
船関東・九州地方発着便を中心に31事業者36航路が運休(21日21時時点)
高速道路館山自動車道・富津館山道路・千葉東金道路・圏央道で土砂流入による通行止め4路線17区間、雨量基準超過による通行止め4路線14区間(22日6時時点)
国道国道16号(袖ケ浦市)で冠水、国道127号(君津市・鋸南町)で法面崩壊、国道296号(佐倉市)で路面冠水など
鉄道在来線7事業者14路線が運転見合わせ(22日7時45分時点)。内房線で土砂流入
バス高速バス35事業者123路線、路線バス15事業者151路線が運休(21日22時時点)
宅配便2事業者で一部地域の集配停止・遅延等
水道千葉県千葉市・君津市・南房総市で水道管の破損により約750戸が断水、応急給水を実施・準備中
孤立千葉県木更津市矢那地区で法面崩落により4世帯10人が孤立(徒歩でのアクセスは可)

電気については、NHKが東京電力パワーグリッドの発表として、21日20時すぎに千葉県や神奈川県など関東地方であわせて約5万2600軒が停電していたと伝えています。翌22日20時すぎの時点でも約3万6400軒(うち千葉県が約3万6340軒)が停電中でした。丸1日たっても、千葉県では停電の大半が残っていたことになります。

メモ

この表を「離島の話」と「本土の話」に分けて読むと、大事なことを見落とします。八丈島で店の棚が薄くなったのは船が止まったからですが、千葉県南部では道路が土砂と冠水で塞がれ、宅配便の集配が止まりました。仕組みは同じです。家に物が届く経路が1本しかない場所ほど、その1本が止まったときの影響が長く続きます。山あいの集落の道路1本、半島の先の国道1本、都市部でも配送センターが冠水すれば同じことが起こります。

停電は「数時間」で終わらないことがある

今回の停電がいつ全面復旧するかは、この記事の時点では分かりません。参考になるのは2019年の令和元年房総半島台風(台風第15号)です。内閣府の令和2年版防災白書は、最大約93万4,900戸の大規模な停電が発生し、現場の被害状況の確認や倒木の処理に時間を要したことなどにより復旧作業が長期化したと記しています。資源エネルギー庁の解説記事によると、停電件数がピーク時と比べて99パーセント解消するまでにかかった時間は約280時間、つまりおよそ12日でした。同じ千葉県で、同じ9月に起きた出来事です。

台風の停電は、電線に倒木がかかって起きることが多く、道路が塞がれていると復旧の作業車が現場に入れません。「届かない」と「止まる」と「出られない」が互いに長引かせ合う、というのが台風の停電の性格です。

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わが家の「同時に止まる日数」を見積もる

備蓄の話をするとき、多くの案内は「3日分」か「1週間分」という日数から始まります。首相官邸の「災害が起きる前にできること」は、飲料水は3日分(1人1日3リットルが目安)、非常食は3日分としたうえで、大規模災害発生時には1週間分の備蓄が望ましいとされていると案内しています。政府広報オンラインは、過去の例では災害発生からライフラインの復旧まで1週間以上かかるケースがほとんどで、支援物資が届かないことやスーパー・コンビニで食品が手に入らないことが想定されるため、最低でも3日分、できれば1週間分くらいの食品を家庭で備蓄することが重要だと説明しています。

この「3日か1週間か」を、家ごとの条件に置き換えて考えるのが、この記事の提案です。台風第25号で止まったものを手がかりに、わが家の日数を見積もる4つの手順にまとめました。

  1. 1

    家まで物が届く経路が何本あるかを数える

    島なら船と飛行機、半島の先や山あいなら幹線道路、都市部なら複数の道路と鉄道。経路が1本の家は、その1本が止まった日数がそのまま「届かない日数」になります。東海汽船の案内では、八丈島発着の大型客船は9月17日夜の便から欠航が始まり、少なくとも22日まで欠航が続きました。台風が通り過ぎた翌日にすぐ船が動くわけではない、というのが実際の日数です。経路が1本なら1週間分、複数あるなら3日分から始めて1週間分へ、が目安になります。
  2. 2

    電気が止まったときに困る順番を書き出す

    冷蔵庫、スマホの充電、明かり、扇風機やエアコン、給湯器、オール電化ならコンロと給湯。マンションではポンプが止まると水も出なくなります。「困る順番」を紙に書くと、モバイルバッテリーとカセットコンロが先で、大型の電源は後、という優先順位が家ごとに決まります。房総半島台風では99パーセント解消までに約12日かかっていますから、「3日で戻る」を前提にしないほうが安全側です。
  3. 3

    水は「飲む分」と「流す分」を分けて考える

    飲料水は1人1日3リットルが目安です。今回、千葉県では約750戸が断水し、応急給水が行われました。断水は停電と同時に起きることがあるため、飲料水とは別に、トイレを流す生活用水も必要です。首相官邸の案内も、飲料水とは別に生活用水が必要だと明記しています。浴槽に水を張っておく、携帯トイレを人数分そろえておく、の2つで生活用水の心配はかなり減ります。
  4. 4

    火と燃料の日数を決める

    停電しても温かい食事をとれるかどうかは、カセットコンロとボンベの本数で決まります。政府広報オンラインは、カセットボンベは1人で1週間あたり約6本必要だと案内しています。4人家族で1週間なら24本前後という計算になりますが、湯を沸かす回数を減らせば本数は減らせます。まず1人3本(3日分)を目安に始め、ローリングストックで買い足していく形が続けやすい方法です。

ヒント

見積もりの答えは「島だから1週間、都市だから3日」のように単純には決まりません。都市部でも、集合住宅の高層階で停電すればエレベーターが止まり、買い出しに出るのが難しくなります。逆に、島でも近所に湧き水や井戸があれば生活用水の心配は小さくなります。わが家の条件で「届かない・止まる・出られない」の3つを別々に見積もり、いちばん長い日数に合わせるのが基本です。

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「買い込み」ではなく「少しずつ多め」に

八丈島の店で見られた「入荷するとすぐ売り切れる」という光景は、船が止まると分かってから買いに行く人が多かったことの裏返しです。ANNの取材には「もう少し早く来ればよかった。買いに来たけどあまりない」という客の声もありました。備蓄の目的は、この列に並ばなくて済むようにすることです。

ローリングストックは、ふだん食べているものを少し多めに買い、古いものから食べて、食べた分を買い足す方法です。特別な非常食を用意しなくても、レトルトのご飯やカレー、缶詰、乾麺、飲み慣れた飲料を「1週間分多め」に持っているだけで、船や道路が止まった週を乗り切れます。台風の前に買い足す量も、ふだんの買い物のついでで済みます。

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停電の暑さ寒さと、屋根・雨戸の暴風対策

9月下旬の台風は、季節の境目に来ます。今回の台風第25号の時期も、昼はまだ暑く、夜は肌寒い日が混じる時期でした。停電が数日続くなら、暑さと寒さの両方に備える必要があります。

暑さの側は、電池式や充電式の扇風機、冷却タオル、保冷剤を入れたクーラーボックスが役に立ちます。冷蔵庫は開閉を減らせば数時間は冷気を保てるため、冷凍庫のものから先に食べるのが基本です。寒さの側は、毛布と重ね着で対応し、火を使う暖房器具は換気と一酸化炭素の注意が欠かせません。どちらの季節に転んでもよいように、電源は「小さいものを複数」そろえておくと、スマホの充電も扇風機も明かりも同時にまかなえます。

暴風対策は、家の外側の話です。八丈島では屋根が壊れる被害が出ました。屋根そのものを台風の直前に直すのは現実的ではありませんが、雨戸やシャッターを閉める、飛びそうな物を屋内に入れる、窓ガラスにカーテンを引いて割れたときの飛散を減らす、といったことは前日にできます。台風前に家の周りで確認する項目は、別の記事で整理しています。

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「レベル5土砂災害特別警報」という名前の意味

今回、伊豆大島に出た「レベル5土砂災害特別警報」は、2026年5月29日に運用が始まった新しい防災気象情報のひとつです。気象庁の資料によると、これまで土砂災害に関する情報は「大雨特別警報(土砂災害)」「土砂災害警戒情報」「大雨警報(土砂災害)」のように名前と系統が分かれていましたが、新しい体系では警戒レベルごとに1つの名前に整理されました。

警戒レベル2026年5月29日からの名称それまでの名称
レベル5レベル5土砂災害特別警報大雨特別警報(土砂災害)
レベル4レベル4土砂災害危険警報土砂災害警戒情報
レベル3レベル3土砂災害警報大雨警報(土砂災害)
レベル2レベル2土砂災害注意報大雨注意報

名称の対応は、国土交通省水管理・国土保全局と気象庁の説明資料「土砂災害に関する情報の改善」によります。同資料は、警戒レベル5相当情報について「土砂災害の発生確度がより高い状況を示す情報として発表基準を設定」すると記しています。

大事なのは、レベル5は「これから避難を始める合図」ではないという点です。気象庁の土砂キキクルの説明では、レベル5相当の「災害切迫」(黒)は、命に危険が及ぶような土砂災害が切迫しているか、すでに発生している可能性が高い状況です。避難の判断はレベル4相当の「危険」(紫)の段階で、避難指示が発令されていなくても自ら土砂災害警戒区域等の外の少しでも安全な場所へ避難する判断をしてください、と案内されています。大島町が特別警報の前日夜に町内全域へ避難指示を出していたのは、この順番どおりの動きでした。

注意

土砂災害は建物ごと壊れるおそれがあるため、上の階に上がる「屋内安全確保」ではなく、土砂災害警戒区域の外へ出る立退き避難が原則です。ただし、レベル5の段階で外に出るのが危険なときは、崖から少しでも離れた部屋、できれば2階以上に移ることが次善の行動とされています。自宅が土砂災害警戒区域に入るかどうかは、雨が降っていない日にハザードマップで確認しておいてください。

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「レベル4土砂災害危険警報」とは?|2026年に変わった土砂災害の情報と、がけ・斜面のそばの家庭が動く順番

うちは島ではないので、船が止まる話は他人事だと思っていました。でも今回、高速も国道も土砂で止まって、宅配便が来なくなり、停電も丸1日以上続きました。冷蔵庫の中身と、カセットボンベが2本しかないことに気づいたのが停電の夜です。「経路が1本」というのは、うちのことでした。
想定される読者の声(千葉県南部に住む方)

よくある質問

備蓄は3日分と1週間分のどちらを目指せばよいですか
首相官邸の案内は、飲料水と非常食を3日分としたうえで、大規模災害発生時には1週間分の備蓄が望ましいとしています。政府広報オンラインも、最低でも3日分、できれば1週間分と説明しています。家まで物が届く経路が1本しかない家(離島、半島の先、山あい)や、停電で水が止まる集合住宅の高層階は、1週間分を目標にするのが現実的です。まず3日分をそろえ、ローリングストックで1週間分へ広げていく順番をおすすめします。
台風第25号の停電はどのくらい続いたのですか
この記事の時点で全面復旧の日は分かっていません。NHKによると、東京電力パワーグリッドの発表として9月21日20時すぎに関東地方で約5万2600軒、22日20時すぎにも千葉県を中心に約3万6400軒が停電していました。参考として、2019年の令和元年房総半島台風では、資源エネルギー庁によれば停電件数がピーク時と比べて99パーセント解消するまでに約280時間かかっています。
伊豆大島の雨はどのくらい珍しいものだったのですか
気象庁の過去の気象データ検索によると、大島の日降水量の1位は2026年9月21日の592.5ミリで、1938年からの統計で最多です。9月の月降水量1763.5ミリも1位で、9月の平年値341.3ミリの5倍を超えています。ただし、月最大24時間降水量では2013年10月15日の824.0ミリが1位のままで、今回の値は3位です。いずれも速報値で、確定後に変わることがあります。
レベル5土砂災害特別警報が出たら、外に避難したほうがよいですか
レベル5は、命に危険が及ぶ土砂災害が切迫しているか、すでに発生している可能性が高い段階です。気象庁は、避難の判断は遅くともレベル4相当の段階で行い、避難指示がなくても土砂災害警戒区域等の外の安全な場所へ移るよう案内しています。レベル5の時点で外に出るのが危険なら、崖から少しでも離れた部屋、できれば2階以上へ移るのが次善の行動です。最終的な判断は自治体の避難情報に従ってください。
離島ではないのに、物が届かなくなることはありますか
あります。今回の台風第25号では、国土交通省の第6報によると千葉県で高速道路4路線17区間が土砂流入で通行止めになり、国道の冠水や法面崩壊も重なって、宅配便2事業者で一部地域の集配停止・遅延が起きました。木更津市では4世帯10人が孤立しています。家まで物が届く道路が1本しかない場所は、離島と同じ条件になります。
カセットボンベは何本あればよいですか
政府広報オンラインは、1人で1週間あたり約6本を目安としています。4人家族で1週間なら24本前後です。ただし、湯を沸かす回数や調理の内容で消費量は大きく変わります。まず1人3本を目安にそろえ、使った分を買い足すローリングストックで増やしていくのが続けやすい方法です。ボンベには使用期限の目安があるため、古いものから使ってください。

まとめ|同時に止まる日数に、わが家の備えを合わせる

台風第25号の資料をたどると、被害は「雨」「風」「土砂」といった災害の種類ではなく、「届かない」「止まる」「出られない」という暮らしの側の言葉で並んで見えてきます。八丈島では船が止まって棚が薄くなり、伊豆大島では初めての名前の特別警報が出て、千葉県では道路が塞がれ、停電が翌日まで残りました。

備えの答えは、防災グッズの品目ではなく「日数」です。家まで物が届く経路が何本あるか、電気が止まったら何から困るか、飲む水と流す水をどう分けるか、火と燃料は何日持つか。この4つを見積もれば、わが家が「3日分の家」なのか「1週間分の家」なのかが決まります。そこまで決まれば、あとはふだんの買い物のついでに少しずつ積み上げるだけです。

「届かない・止まる・出られない」に備える、平時のチェック

  • 家まで物が届く経路(船・道路・鉄道)が何本あるかを数え、わが家の備蓄日数(3日分か1週間分か)を決めた
  • 飲料水を1人1日3リットルで日数分そろえた(4人家族で1週間なら84リットルが目安)
  • 飲料水とは別に、トイレを流す生活用水の確保方法(浴槽の水、携帯トイレ)を決めた
  • 食料はふだん食べているものを日数分多めに持ち、古いものから食べて買い足す運用にした
  • カセットコンロとボンベを1人3本以上そろえ、使用期限を確認した
  • 停電で困る順番(冷蔵庫・充電・明かり・冷暖房・給湯)を紙に書き、小さい電源を複数用意した
  • 暑さと寒さの両方に対応できるもの(充電式扇風機、保冷剤、毛布)を季節に関係なく置いた
  • 雨戸・シャッターの動作と、屋外の飛びやすい物の置き場を台風の前日までに確認した
  • 自宅が土砂災害警戒区域に入るかをハザードマップで確認し、レベル4で動くと家族で決めた
  • 船や道路が止まると分かったら、店に並ぶのではなく家にあるもので回す、と決めた

台風のたびに店に並ばなくて済むように。船や道路が止まった週を、家にあるもので静かに乗り切れるように。「もしも」を「いつも」に変える備えは、日数を1つ決めるところから始まります。

出典・参考

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