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避難先は避難所だけじゃない|分散避難・縁故避難の決め方と、親戚・知人宅に頼るときの準備

カエデ避難計画・防災情報担当
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避難先は避難所だけじゃない|分散避難・縁故避難の決め方と、親戚・知人宅に頼るときの準備

「避難」と聞くと、リュックを背負って近くの小学校の体育館へ向かう場面を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。けれども公的機関が示している避難の考え方は、もう少し幅のあるものです。避難先には指定避難所のほかに、自宅、親戚・知人宅、ホテル・旅館といった選択肢があります。とくに親戚や知人の家に身を寄せる「縁故避難」は、事前の相談があるかどうかで実現性がまるで変わります。この記事では、分散避難の考え方を整理したうえで、わが家の避難先を家族で決めるところまでを手順にしました。

「避難」とは「難」を避けること|避難先は避難所だけではありません

内閣府が公開している「避難行動判定フロー」には、避難の考え方が短い言葉でまとめられています。そこには、避難とは「難」を「避」けることであり、安全な場所にいる人は避難場所に行く必要はないこと、そして避難先は小中学校や公民館だけではなく、安全な親戚・知人宅やホテル・旅館に避難することも考えてみましょう、という趣旨が示されています。

つまり、目的は「避難所という建物に入ること」ではなく「危険から離れること」です。自宅が安全なら自宅にとどまる屋内安全確保も避難ですし、川から離れた親戚の家に前日のうちに移動しておくのも、りっぱな避難行動です。

「避難」とは「難」を避けることであり、避難先は小中学校・公民館だけではないという考え方は、内閣府(防災担当)の「避難行動判定フロー」で示されています。

メモ

緊急時に身を寄せる場所は「指定緊急避難場所」といい、洪水・土砂災害・地震・津波など災害の種類ごとに指定されています。一方、災害が落ち着いたあとに自宅が被災して帰れないとき、しばらく避難生活を送る場所が「指定避難所」です。名前が似ていますが役割が違うので、家族で場所を確認するときは災害の種類とセットで見ておくと迷いません。

なお、避難のタイミングを判断する土台になる内閣府「避難情報に関するガイドライン」は、2026年(令和8年)3月に改定されました。2026年5月下旬から始まった新しい防災気象情報にあわせたもので、河川氾濫や大雨、土砂災害、高潮の情報が「レベル4氾濫危険警報」のように5段階の警戒レベルと対応した名称に整理されています。

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分散避難の5つの選択肢|向いている状況と注意したいこと

小中学校や公民館等の指定緊急避難場所に行くことだけが避難ではありません。安全な親戚・知人宅やホテル・旅館等の避難先へ立退き避難したり、自らの判断で屋内安全確保をしたりと、避難行動にはさまざまな形があります。避難する人が一か所に集中しないよう、こうした様々な避難行動をとる考え方は「分散避難」と呼称される場合があります。自治体の案内では、在宅避難、親戚・知人宅(縁故避難)、ホテルなどの宿泊施設、車中泊といった選択肢が並べて紹介されています。それぞれ向き不向きがあるので、わが家の場合はどれが現実的かを平時に見比べておきましょう。

避難先向いている状況注意したいこと
在宅避難自宅に浸水・倒壊・火災の危険がなく、水と食料、トイレの備えがある停電・断水が続く前提の備えが必要。物資や情報が届きにくくなりやすい
指定避難所自宅が危険、または自宅にとどまれない。行き先の当てがない混雑やプライバシー、環境の変化による疲れが出やすい
親戚・知人宅(縁故避難)安全な場所に、事前に相談できる相手がいる相手の同意と備えの余力が前提。長期化すると負担が偏りやすい
ホテル・旅館自力で移動でき、費用や予約の手当てができる自治体の制度には「災害時のみ・事前予約不可」など条件がつく場合がある(奈良市の例)
車中泊ほかの選択肢が取れず、やむを得ないときエコノミークラス症候群や換気に注意。浸水の危険がない場所を選ぶ

避難する人が一か所に集中しないよう様々な避難行動をとる考え方が「分散避難」と呼称される点は、内閣府(防災担当)「避難情報に関するガイドライン」(令和8年3月改定)の関連情報2に示されています。在宅避難・親戚や知人宅・ホテル・車中泊という選択肢の並べ方は、犬山市(令和6年4月26日更新)と寄居町(2020年6月10日更新)の案内を参照しました。新宿区「在宅避難・縁故避難のススメ」(2026年1月6日更新)は在宅避難と縁故避難の2つを扱っています。制度や呼びかけの内容は自治体ごとに異なり、更新時期にも幅があるため、お住まいの自治体の最新情報をご確認ください。

ホテル・旅館への避難は、自治体が制度として用意している場合があります。たとえば奈良市では、風水害のおそれがあるときに市が利用開始を発表してから予約する仕組みで、事前予約はできず、原則24時間以内・最長48時間の滞在、利用料は1回1人1,000円と案内されています。奈良市の案内では、近年の気候変動による突発的な大雨の被害や住宅火災による避難など個別の事情も想定されることから、令和6年7月11日からはそうした場合にも適用するとされており、風水害以外の個別の事情でも利用できる場合があります。国も、避難所が不足する場合などにホテル・旅館等を避難所として活用するためのガイドラインを示しています。制度の有無や条件は自治体で大きく異なるので、「うちの市にはあるのか」を平時に調べておくのがおすすめです。

注意

車中泊避難は積極的にすすめられる方法ではなく、ほかの選択肢が取れないときの一時的な手段と考えてください。長時間同じ姿勢を続けることによるエコノミークラス症候群のリスクがあり、換気やマフラー周りの確認も欠かせません。

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わが家の避難先を決める|避難行動判定フローの流れ

避難先を決める順番は、内閣府の「避難行動判定フロー」がそのまま使えます。大まかな流れは次のとおりです。

  1. 1

    ハザードマップで自宅に色が塗られているか確認する

    まず、洪水や土砂災害のハザードマップで自宅の位置に印をつけます。色が塗られていなくても、周りより低い土地や崖のそばでは、自治体の避難情報を参考に必要に応じて避難します。
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    色が塗られていたら、原則は「立退き避難」と考える

    災害の危険がある場所なので、原則として自宅の外へ移動する立退き避難が必要と整理されています。
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    例外にあたるかを確認する

    浸水の危険があっても、家屋倒壊等氾濫想定区域の外側にあり、浸水する深さより高いところにいて、水がひくまで我慢できる水・食料などの備えが十分にある場合は、自宅にとどまる屋内安全確保も可能とされています。
  4. 4

    避難に時間がかかるかを考える

    高齢の家族や小さな子ども、体調に配慮が必要な人がいると、移動に時間がかかります。この場合は警戒レベル3の段階で動き出すのが目安です。
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    身を寄せられる親戚・知人がいるかを決めておく

    安全な場所に住んでいて頼れる相手がいるなら、その家が避難先の候補になります。フローにも「日頃から相談しておきましょう」と添えられています。いなければ指定緊急避難場所へ向かいます。

ハザードマップの確認から立退き避難・屋内安全確保・親戚や知人宅への避難までの判断の流れは、内閣府(防災担当)「避難行動判定フロー」にもとづく整理です。家屋倒壊等氾濫想定区域や浸水継続時間はハザードマップに記載がない場合があるため、詳しくはお住まいの市町村へお問い合わせください。

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縁故避難は、相手の家がある以上「頼めばなんとかなる」と考えてしまいがちです。けれども、受け入れる側にも水や食料、トイレ、寝る場所の事情があります。次の順番で、平時のうちに具体化しておきましょう。

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    自宅の災害リスクを確認する

    洪水・土砂災害・地震のハザードマップで、自宅がどの災害に弱いのかを書き出します。「大雨のときだけ危ない」のか「地震でも危ない」のかで、頼る場面が変わります。
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    候補先の災害リスクも確認する

    見落としがちなのがここです。実家が川沿いだった、土砂災害警戒区域だったということもあります。候補先の住所でもハザードマップを開き、自宅とは違う災害に強い場所を選びます。
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    相手に事前に相談する

    「もし大雨で避難指示が出たら、一晩だけ泊めてもらえないかな。水と食べ物は自分たちの分を持っていくね」のように、期間と持ち物をセットで伝えると相手も答えやすくなります。断られたら別の候補を探す、と割り切ることも大切です。
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    行く条件とタイミング、移動手段を決める

    「警戒レベル3が出たら」「台風の上陸予想の前日の昼までに」など、動く合図を数字や時刻で決めます。あわせて、車で行くのか公共交通なのか、経路に冠水しやすい道やアンダーパスがないかも確認しておきます。
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    持っていくものを準備する

    受け入れ側の備蓄を減らさないよう、自分たちの分の水・食料・常備薬・衛生用品は持参が基本です。手みやげ代わりに使える保存食を入れておくのも一案です。
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    連絡と安否共有の方法を決める

    出発するとき、到着したとき、帰るときに誰へ連絡するかを決めます。離れて住む家族には災害用伝言ダイヤル171やSNSなど複数の手段を用意しておきます。
「いざとなったら実家に行けばいい」と思っていたのですが、母に話したら「その日は法事で留守にしているかも」と言われて驚きました。相談してみて初めて、当てにしていた前提がぐらつくことに気づきました。
実家が遠方にある読者

ヒント

相談は「お願い」ではなく「お互いさま」の形にすると続きます。相手の家が危ないときにはこちらが受け入れる、という双方向の約束にしておくと、頼むほうも気が楽になります。

縁故避難で見落としやすいこと|持ち物・物資・支援情報

受け入れ側に負担をかけない持ち物

避難所と違い、親戚・知人宅では日用品も食事も相手の家のものを使うことになります。滞在が数日に及ぶ想定で、次のようなものは自分たちの分を持っていくつもりで準備しておくと安心です。

持っていくもの目安・ポイント
飲料水・食料家族分の1〜3日分。相手の備蓄を減らさないことが目的
常備薬・お薬手帳処方薬は代えがきかないため最優先。お薬手帳は写真でも控えを
衛生用品・タオル歯みがき、生理用品、下着など。相手に頼みにくいものほど自前で
携帯トイレ断水や排水管の被害で相手宅の水洗が使えないこともある
寝具の代わり寝袋やエアマット、アルミシートがあると寝る場所の相談が楽になる

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物資と支援情報は「自分から伝える」

親戚・知人宅で過ごしていると、行政から見て「どこにいるのか分からない被災者」になりやすく、物資の配布や生活再建の案内が届きにくくなることがあります。国はこの状態を改善しようとしていて、内閣府(防災担当)が令和6年6月に公開した「在宅・車中泊避難者等の支援の手引き」では、「場所(避難所)の支援」から「人(避難者等)の支援」への考え方の転換が掲げられ、避難所という場所に着目した支援から、避難者等一人ひとりに着目した支援へ転換を図る、と示されています。

ただし、これはあくまで自治体が目指す方向性を示した方針です。避難所以外にいれば自動的に物資や情報が届く、という保証ではありません。だからこそ、「うちはここにいます」と自分から伝えることが、支援を受け取るうえでの実質的な近道になります。

実際に、令和6年能登半島地震では石川県が、自宅や車中泊、県内外の親戚宅などで避難生活を送る人を対象に、連絡先を登録する窓口を設けました。登録した情報は、罹災(り災)証明書の発行手続きの案内など、関係自治体からの支援や情報提供に使われると案内されています。ただし、こうした登録窓口が平時から常設されているわけではなく、災害のたびに設けられるかどうかは自治体の対応によります。窓口が見当たらないときは、自宅のある市区町村の防災担当や被災者支援の窓口に電話で伝えておけば十分です。

避難所以外で過ごす被災者への支援の考え方は、内閣府(防災担当)「在宅・車中泊避難者等の支援の手引き」(令和6年6月)および同「在宅避難者・車中泊避難者の支援に関すること」にもとづきます。避難者情報の登録窓口の例は石川県の案内にもとづく個別の事例で、同様の窓口がどの災害でも設けられるとは限りません。登録や届け出の要否・方法は自治体ごとに異なるため、実際にはお住まいの自治体および避難先の自治体の案内をご確認ください。

縁故避難のときに自治体へ伝えておきたいこと

  • 自宅のある自治体に、避難先と連絡先を伝える(登録窓口があれば登録する)
  • 罹災証明書の申請方法と受付場所を確認する(オンライン申請ができる自治体もある)
  • 物資の配布や支援制度の案内をどこで受け取れるかを確認する
  • 避難先の自治体で受けられるサービスがあるか、必要なら問い合わせる
  • ペットを連れて行く場合は、預け先や飼育場所を事前に相手と決めておく

ペットについては、避難所での飼育が難しい場合などに、被災していない地域の親戚や友人のなかから一時的な預け先を確保するという考え方が、環境省の「人とペットの災害対策ガイドライン」で示されています。ただし、大きな災害では預け先も被災することがあるため、選択肢は複数持っておくのが安心です。

被災していない地域の親戚や友人などから一時預け先を確保するという考え方は、環境省「人とペットの災害対策ガイドライン」(平成30年3月)本編III「自治体等が行う人とペットの災害対策」に記載があります(自治体が飼い主に呼びかける内容として整理されています)。同ガイドラインは改訂の検討が進められているため、最新版を環境省のページでご確認ください。

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動くタイミング|明るいうちに、雨がひどくなる前に

縁故避難の弱点は、移動の距離と時間です。指定避難所より遠いことが多く、暗くなってから、あるいは雨風が強まってからでは、移動そのものが危険になります。台風や大雨は数日前から近づいてくることが分かるので、その時間を移動に使うのが基本です。

警戒レベル主な避難情報縁故避難を考える家庭の動き方の目安
レベル1〜2早期注意情報・注意報候補先に連絡し、行くかどうかの相談を始める
レベル3高齢者等避難高齢者や小さな子どものいる家庭は移動を開始する。遠方の縁故避難先へ向かうなら、遅くともこの段階で出発する
レベル4避難指示危険な場所から全員避難。遠方への移動はこの段階までに完了しているのが理想(雨風の強まりや日没が重なると移動の難易度が上がるため)
レベル5緊急安全確保すでに危険。無理に移動せず、その場で命を守る行動をとる

警戒レベル4避難指示は、「災害が発生するおそれが高い状況」に出される情報です。内閣府のガイドラインでは、この時点で避難することにより、災害が発生する前までに指定緊急避難場所等への立退き避難を完了できることが期待できる、と整理されています(災害が発生または切迫している状況を指すのはレベル5緊急安全確保です)。国も「警戒レベル4までに必ず避難!」と呼びかけています。ただし、遠方の親戚宅へ車で1〜2時間かけて向かうような移動は、雨風の強まりや日没が重なると難しくなります。こうした長い移動は、レベル3の段階、できれば明るいうちに終えておきたいところです。

警戒レベルと避難情報の対応、および「警戒レベル4までに必ず避難!」という呼びかけは、内閣府「避難情報に関するガイドライン」(周知・普及啓発用の一覧表に関する記載)および気象庁の解説にもとづきます。一方、表の「動き方の目安」の列は縁故避難を想定した本記事独自の整理であり、公的機関が示した基準ではありません。実際の避難の判断は、お住まいの自治体が発表する避難情報を優先してください。

注意

レベル5は「すでに災害が起きているか、その直前」を意味します。この段階で車を出して遠くの親戚宅へ向かうのは危険です。移動が間に合わないと判断したら、自宅や近くの頑丈な建物の上の階など、その場でより安全な場所へ移ることを優先してください。

台風のように予測できる災害では、行動を時系列で書き出す「マイ・タイムライン」に、縁故避難の連絡と出発の時刻を書き込んでおくと迷いません。

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家族会議で決めておくこと

避難先の話は、防災の話題のなかでも家族で共有しやすいテーマです。夕食のあとに15分だけ時間をとって、次の項目を確認してみてください。

わが家の避難先を決める家族会議チェックリスト

  • 自宅は洪水・土砂災害・地震のどれに弱いかを、ハザードマップで確認した
  • 在宅避難ができる条件(浸水しない階か、備蓄があるか)を家族で共有した
  • 指定緊急避難場所を、災害の種類ごとに確認した
  • 親戚・知人宅の候補を挙げ、その住所のハザードマップも確認した
  • 候補先の相手に、受け入れが可能かどうか相談し、返事をもらった
  • 動く合図(警戒レベル・時刻)と移動手段・経路を決めた
  • 持っていくもの(水・食料・薬・衛生用品・携帯トイレ)を用意した
  • 出発・到着・帰宅の連絡先と、伝言ダイヤル171などの手段を決めた
  • 決めたことを紙に書き、冷蔵庫や持ち出し袋に入れた

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よくある質問

親戚に「泊めて」と頼むのは気が引けます。どう切り出せばよいですか
「もし避難指示が出たら一晩だけ」のように期間を区切り、水や食料は自分たちの分を持参すると添えると伝えやすくなります。相手の家が危ないときはこちらが受け入れる、という双方向の約束にしておくのもおすすめです。自治体の案内でも、事前に受け入れが可能かを相手に確認・相談しておくことが必要とされています。
縁故避難だと物資や支援は受けられないのですか
受けられなくなるわけではありません。国は避難所以外で過ごす人にも支援が届くよう自治体向けの手引きを出しており、過去の災害では避難先を登録する窓口が設けられた例もあります。ただし、自分から連絡しないと把握されにくいのは事実です。自宅のある自治体に避難先と連絡先を伝えておいてください。
避難先の自治体に届け出は必要ですか
扱いは自治体によって異なります。罹災証明書の申請は原則として被災した住宅のある自治体が窓口ですが、オンライン申請に対応している自治体もあります。避難先で必要な手続きがあるかどうかを含め、お住まいの自治体と避難先の自治体の案内をご確認ください。
候補先が遠方でも縁故避難として成り立ちますか
移動できる時間があるかどうかが分かれ目です。台風や大雨のように数日前から予測できる災害なら、明るいうちに早めに動けば遠方でも選択肢になります。一方、地震のように突発的な災害では、まず身の安全を確保してから移動を考えることになります。距離に応じて出発の合図を早めに設定しておきましょう。
ペットがいても縁故避難はできますか
相手の同意と、飼育スペースやアレルギーの有無など事情の確認が前提です。環境省の「人とペットの災害対策ガイドライン」でも、避難所での飼育が難しい場合に、被災していない地域の親戚や友人から一時的な預け先を確保するという考え方が示されています。ケージやフード、トイレ用品は自分たちで持参し、預け先も複数考えておくと安心です。
結局、避難所には行かないほうがよいのですか
そうではありません。自宅が危険で頼れる先がないときや、体調に配慮が必要なときは、迷わず避難所を利用してください。分散避難は「避難所を使わないこと」が目的ではなく、一人ひとりが自分に合った安全な場所を選べるようにする考え方です。

まとめ|避難先が増えるほど、迷いは減る

避難とは「難」を避けること。その一言を家族の共通認識にできると、避難の話はぐっと現実的になります。自宅が安全なら在宅避難、危ないなら指定避難所、そして安全な場所に頼れる相手がいるなら縁故避難。選択肢が複数あるほど、当日の判断は速くなります。

今日できる一歩は、候補先の住所でハザードマップを開いてみることと、電話やメッセージで一言相談してみることです。「もしものときお願いするかも」と伝えておくだけで、その家はいざというときの避難先に変わります。実際の避難の判断は、お住まいの自治体が発表する避難情報や、公的機関の最新情報を優先してください。

出典・参考

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