災害時の感染症対策|避難所でも在宅避難でも家族を守る手洗い・換気・嘔吐物処理の備え


防災の備えというと、水・食料・トイレ・明かりが先に浮かびます。けれども実際の災害後に家族を悩ませることが多いのは、もう少し地味なところ、たとえば「手が洗えない」「吐いてしまった床をどうしよう」「熱が出た子をどこに寝かせよう」といった場面です。感染症は災害そのものではなく、災害でこわれた生活環境の側から静かにやってきます。この記事では、厚生労働省と内閣府(防災担当)の資料をもとに、避難所でも在宅避難でも共通して効く「手洗い・換気・嘔吐物処理」の備えを整理します。
本記事の内容は、厚生労働省「災害時における避難所での感染症対策」および同ページのリーフレット、厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」、内閣府(防災担当)「避難生活における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」(平成25年8月・令和6年12月改定)、同「避難所運営等避難生活支援のためのガイドライン」(令和6年12月改定)、同「在宅・車中泊避難者等の支援の手引き」(令和6年6月)、国立健康危機管理研究機構「災害と感染症ポータル」および国立感染症研究所による令和6年能登半島地震のリスクアセスメント表にもとづいて整理しています。診断・治療・受診の判断は扱いません。体調に不安があるときや症状が続くときは、自己判断せず、自治体・保健所・医療機関の案内に従ってください。
災害で感染症が広がりやすくなる理由|「洗えない・流せない・換気しにくい」
災害のあとに感染症が話題になるのは、病原体が急に強くなるからではありません。ふだんは意識せずに使っている「水で洗う」「水で流す」「窓を開けて空気を入れ替える」という3つの仕組みが、同時に弱るからです。
厚生労働省は「災害時における避難所での感染症対策」のページで、災害時には感染症の拡大リスクが高まるとしたうえで、手洗いと咳エチケットを基本の柱として案内しています。同ページからは、手洗い手順、流水で手洗いできない場合の手指消毒、咳エチケット、避難所内のトイレの衛生管理といったリーフレットが公開されています。どれも特別な医療の話ではなく、生活の手順です。
断水は手指衛生とトイレを同時に止める
断水がやっかいなのは、飲み水が足りなくなるだけではなく、手洗いとトイレという2つの衛生の要を同時に止めてしまうところです。厚生労働省の「避難所内のトイレの衛生管理について」は、流水で手洗いできない場合はアルコールを含んだ手指消毒薬を使うこと、やむを得ずバケツなどにくみ置きした水を使う場合は直接バケツの中の水で手を洗わないように注意することを挙げています。あわせて、トイレで汚染された履き物を介して感染が広がるおそれがあるため居住区域は土足厳禁を徹底すること、手洗い場とトイレはなるべく近くに設置することも挙げられています。トイレから手洗い場までが遠いと、手洗いが徹底されないためです。
内閣府の取組指針も、飲料水とは別に「生活用水」の確保が必要だとしています。トイレや入浴、清掃、洗濯、器材の洗浄などに欠かせない水について、感染症の防止等、衛生面の観点から、平時からタンク・貯水槽・防災井戸等の整備に努め、衛生的な水を継続的に確保することが望ましいという整理です。家庭に置き換えるなら、飲む水とは別に「洗う・流すための水」を意識しておく、ということになります。
この取組指針とガイドラインは、令和6年12月13日に内閣府(防災担当)が改定を自治体へ通知しています。改定の説明資料によれば、「令和6年能登半島地震を踏まえた災害対応の在り方について」(令和6年11月・ワーキンググループ)やスフィア基準等を踏まえたもので、生活用水の確保では入浴機会や洗濯機会の確保、シャワーや仮設風呂の設置のための資機材の備蓄などが、生活空間の確保では避難所の土足厳禁などが追記されました。改定後の本文や関連資料は、内閣府 防災情報のページ「避難所の生活環境対策」からたどれます。衛生に関する記述が能登半島地震の経験を経て厚くなっている、という前提で読むと、家庭の備えにも落としやすくなります。
あわせて読みたい
断水への備え|飲料水と生活用水の分け方と、給水を受けるときの準備
停電と季節が換気をむずかしくする
換気も、平時なら窓を開けるだけの動作です。ところが真夏や真冬に停電が重なると、暑さ寒さをしのぐために窓を閉め切りたくなります。屋外の状況によっては、粉じんやにおいで窓を開けにくいこともあります。
内閣府の取組指針は、避難者の健康管理及び避難所の衛生管理として、マスク、手指消毒液の用意、避難所内の適切な換気の実施、避難所内の清掃や消毒、清潔保持等を適切に行うことを挙げています。同じ項目では暑さ寒さ対策にも留意が必要だとし、冷暖房の整備を進める際には電源の確保のほか、換気や乾燥対策も併せて検討するよう書かれています。つまり「暑さ寒さ対策」と「換気」は、どちらかを選ぶものではなく、両立させる前提で考えられています。家庭でも同じで、冷暖房を使う日ほど、時間を決めて空気を入れ替える習慣が効きます。
起きやすい感染症は、時期と場面で変わる
国立健康危機管理研究機構(2025年4月に国立感染症研究所などが統合して発足)は「災害と感染症ポータル」で、災害の発生時期、地域的特性、免疫状態等を考慮した健康リスクと必要な備えを解説しています。
具体的なイメージをつかむには、令和6年能登半島地震について国立感染症研究所が公表したリスクアセスメント表が参考になります。そこでは、避難所の集団生活・過密状態に伴うものとして急性呼吸器感染症(インフルエンザ、COVID-19を含む)、水系・食品媒介性のものとして感染性胃腸炎・急性下痢症(ノロウイルス、ロタウイルスなど)が挙げられ、断水の影響等により安全な水の利用が困難で衛生状態が維持できない避難所では感染拡大のリスクが高いと評価されています。
対策は、感染の経路ごとに書き分けられています。水系・食品媒介性の感染性胃腸炎・急性下痢症については、手指衛生対策の強化に加えて、食品衛生管理の強化、トイレの衛生状態の保持が重要だとされ、さらに嘔吐・下痢の症状が出たときに速やかに申告することを避難者・支援者を含むすべての関係者に周知することが挙げられています。一方、急性呼吸器感染症については、可能な限りの手指衛生と、マスクを含む咳エチケットの実践が必要だとされています。手指衛生はどちらにも共通する土台で、そこに「食品とトイレ」か「マスクと咳エチケット」かが積み上がる形です。
同じ表には、片づけ作業の側面のリスクも並んでいます。がれき撤去等の作業による外傷後、泥流や土壌曝露後に感染しうる破傷風、受傷にともなう創傷関連皮膚・軟部組織感染症などです。いずれも対策として、軍手・長袖・長ズボンを着用し、手や足を完全に覆う服装で肌の露出を少なくし、けがをしないようにすることが挙げられています。
メモ
家庭で先に用意できるもの|買い足すのは日用品ばかり
ここまでの整理を、家庭の買い物リストに落とします。特別なものはほとんどなく、ふだん使いのものを少し多めに持っておく形になります。
感染症対策として家庭に置いておくもの
- 石けん(固形・液体どちらでも)とペーパータオル
- アルコールを含んだ手指消毒薬(流水で洗えないとき用)
- マスク(家族の人数分・サイズ違いも)
- 使い捨て手袋(薄手のポリ手袋と、片づけ用の丈夫な手袋の両方)
- ペーパータオル・キッチンペーパー・新聞紙
- ポリ袋・防臭袋(大小をまとめて)
- 家庭用の塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウムを含むもの)
- 体温計(電池の予備も)
- 使い捨てのエプロンまたはレインコート、ごみ袋で代用できるもの
- ウェットティッシュ・からだ拭きシート
- 洗浄・清掃に使う生活用水(ポリタンクや浴槽の水など)
手指衛生|「流水が最優先、無理ならアルコール」の順番
厚生労働省の「手洗いで感染症予防」リーフレットは、とくに食事前や調理前、トイレ使用後に手洗いをすること、流水で手洗いができない場合にはアルコールを含んだ手指消毒薬を使用することを案内しています。手指消毒薬は指先から消毒するのがポイントとされています。
家庭の備えに落とすと、優先順位はこうなります。まず流水と石けんで洗えるようにする(そのための生活用水を確保する)、それが無理なときにアルコール手指消毒薬に切り替える、さらにタオルの共用は避けてペーパータオルにする。千葉県も、共用タオルを避けて個人用またはペーパータオルを使うよう案内しています。家族が多いほど、タオルの共用は避けにくい一方で見落としやすいポイントです。
マスクと咳エチケット|「うつさないため」の道具として
厚生労働省の「咳エチケットで感染症予防」リーフレットは、咳エチケットを、咳やくしゃみが出たときに周りの人へ病気をうつさないためのマナーと説明しています。マスクがある場合は正しく着用し、ない場合は咳やくしゃみの際にティッシュで口と鼻をおおう、ティッシュ等がない場合は二の腕で口と鼻をおおう、という手順です。
避難所のように距離をとりにくい場所では、この「うつさないため」の視点が効きます。家庭の備蓄でも、防じん用の厚いマスクだけでなく、日常的に着けやすい不織布マスクを人数分そろえておくと使い分けができます。
あわせて読みたい
防災用マスクの選び方比較|防じんマスク(DS2・N95相当)とサージカルマスクの違い
使い捨て手袋・ペーパー類・ポリ袋|「触らない・広げない」の道具
汚れたものを素手で触らず、その場で袋に閉じ込める。この2つができるだけで、家庭内の二次感染はかなり減らせます。使い捨て手袋、ペーパータオル、ポリ袋は、嘔吐物の処理だけでなく、けがの手当て、片づけ、ごみの保管にも共通して使う道具です。
厚生労働省の避難所向けリーフレット「皆様へのお願い〜感染症予防のために〜」には、食べ物についての具体的な注意も書かれています。袋入りの食べ物は手でちぎって食べたりせず直接食べること、おにぎりを握る時は使い捨て手袋の使用やラップに包んで作ることです。家庭の炊き出しや配食でもそのまま使える工夫です。
あわせて読みたい
災害でごみ収集が止まったら|在宅避難の「ごみ」の保管・分別・出し方
家庭用の塩素系漂白剤|「代用できる」と書かれているのは公的な整理
厚生労働省の「ノロウイルスに関するQ&A」は、消毒に用いる次亜塩素酸ナトリウムについて、**家庭用の次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤でも代用できます(使用に当たっては「使用上の注意」を確認しましょう。)**と注記しています。専用の消毒薬を買いそろえなくても、台所にある塩素系漂白剤が備えの一部になるということです。
一方で、扱い方には注意が必要です。次亜塩素酸ナトリウムには漂白作用があり、色柄物や金属を傷めることがあります。希釈のしかたは製品ごとに表示が異なるため、記事の数値ではなく手元の製品の表示に従ってください。
嘔吐物・下痢便の処理手順|厚生労働省Q&Aの手順に沿って
家庭でも避難所でも、いちばん動揺しやすいのが嘔吐です。手順を先に読んでおくだけで、当日の動きがまったく変わります。以下は厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」のQ20に示された処理の考え方を、家庭の場面に沿って並べたものです。
- 1
人を遠ざけて、装備を着ける
まず周囲の人、とくに子どもや高齢の家族を汚れた場所から離します。処理する人は、使い捨てのガウン(エプロン)、マスク、手袋を着用します。使い捨てのエプロンがなければ、大きめのごみ袋を切って前掛けにする代用でもかまいません。 - 2
飛び散らせないよう、静かに拭き取る
Q&Aは、汚物中のウイルスが飛び散らないように、ふん便・吐ぶつをペーパータオル等(市販される凝固剤等を使用することも可能)で静かに拭き取ると説明しています。こすらない、勢いよく拭かない、が要点です。 - 3
拭き取った後に、床を消毒する
拭き取った後は、次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度約200ppm)や亜塩素酸水(遊離塩素濃度25ppm)で浸すように床を拭き取り、その後水拭きをする、というのがQ&Aの記載です。おむつ等は、速やかに閉じてふん便等を包み込みます。 - 4
使ったものは袋に密閉して捨てる
おむつや拭き取りに使用したペーパータオル等は、ビニール袋に密閉して廃棄します。Q&Aでは、この際にビニール袋へ廃棄物が充分に浸る量の次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度約1,000ppm)や亜塩素酸水(遊離塩素濃度100ppm)を入れることが望ましいとされています。 - 5
乾かさないうちに片づけ、空気の流れに注意して換気する
Q&Aは、ノロウイルスは乾燥すると容易に空中に漂い、これが口に入って感染することがあるため、吐ぶつやふん便は乾燥しないうちに速やかに処理し、処理した後はウイルスが屋外に出て行くよう空気の流れに注意しながら十分に換気を行うことが感染防止に重要だとしています。 - 6
最後に手を洗う
手袋を外したあと、流水と石けんで手を洗います。断水中なら、アルコールを含んだ手指消毒薬を使います。処理に使った衣類が汚れた場合の扱いは、Q&Aの別項(リネン類の処理)に沿って、下洗いのしぶきを吸い込まないよう注意しながら行います。
注意
体調が悪い人が出たとき|家の中での分け方を先に決める
内閣府の取組指針は、避難所について、感染症を発症した避難者や疑いのある者の専用のスペースないし個室を確保することが適切だとしています。あわせて、動線計画を含めた施設の利用計画について必要に応じて専門家の確認を受けること、感染症を発症した場合には感染拡大防止や安静等を目的に本人の希望に関わらず個室への入室等を要する場合もあるため被災者の理解に努めること、発熱した避難者についても同様の対応を行うよう努めることが書かれています。トイレについても、感染症等を発症した避難者には専用トイレを確保することが適切だとされています。
この考え方は、規模を小さくすれば家庭にそのまま持ち込めます。在宅避難で家族の誰かに発熱や嘔吐・下痢が出たとき、次の3つを決めておくと動きやすくなります。
| 決めておくこと | 家庭での目安 |
|---|---|
| 過ごす場所 | 体調が悪い人は、できれば個室か、部屋の一角を区切ったスペースで休む。窓を開けやすい部屋を選ぶ |
| トイレ | 家に2つあるなら分ける。1つしかなければ、使用の順番を決め、使用後に手すり・便座・ドアノブを拭く |
| 世話をする人 | 主に対応する人を1人決め、その人はマスクと手袋を使う。持病のある家族や高齢の家族が担当にならないようにする |
ヒント
避難所にいる場合は、自分たちで判断せず、まず運営スタッフに伝えるのが基本です。厚生労働省のリーフレットにも、嘔吐・下痢・発熱などの症状のある方はすぐに職員又は管理者等に知らせるようお願いする記載があります。「迷惑をかけたくない」と黙っていることが、結果として周囲への広がりにつながります。
あわせて読みたい
避難所での過ごし方|安全・衛生・体調を守る生活の基本
在宅避難のときに効く3つの生活の工夫
内閣府「在宅・車中泊避難者等の支援の手引き」(令和6年6月)は、支援拠点の運営について、炊き出しを実施する際は調理前の手指及び調理器具の消毒を徹底し、衛生的な調理に配慮し、調理する人の体調管理を行うこと、食料品の保管に当たっては冷蔵庫を使用することなどを挙げています。避難所運営のガイドラインにも、ほぼ同じ趣旨の記載があります。自宅で家族の食事を作る場面も、考え方は変わりません。
1. 食事づくりを「触らない設計」にする
断水中は、まな板や食器を洗う水がありません。食器にラップをかけて使う、ポリ袋の中で調理する、袋入りの食品はそのまま食べる、といった工夫は、水の節約であると同時に感染対策でもあります。作る人の手が食品に直接触れる回数を減らすことが目的です。
あわせて読みたい
断水中の食事道具の選び方比較|使い捨て食器・ラップ・ポリ袋・アルミホイルを役割別に
2. ごみを「ためない・密封する」
生活ごみは、収集が止まると自宅にたまります。汚れたおむつやペーパー類は、二重にした袋の口を毎回しっかり縛り、ふた付きの容器に入れて生活空間から離すのが基本です。国立感染症研究所のリスクアセスメント表では、レプトスピラ症(ネズミなどのげっ歯類の尿で汚染された水や土壌との接触で感染する)の対策として、避難所等においてネズミの発生を防ぐために適切な食品廃棄を行うことが挙げられています。においと虫を抑えることは、そのまま感染対策につながります。
3. 片づけ作業は「肌を出さない」
浸水した家や壊れたものの片づけは、けがと粉じんの両方のリスクがあります。リスクアセスメント表では、破傷風や創傷関連の皮膚・軟部組織感染症について、軍手・長袖・長ズボンを着用し、手や足を完全に覆う服装をして肌の露出を少なくし、けがをしないようにすることが対策として挙げられています。防じん用のマスク、厚手の手袋、底の厚い靴を、片づけ用としてまとめておくと迷いません。
あわせて読みたい
防災スリッパ・避難用シューズと防災手袋の選び方比較|割れたガラスとがれきから手と足を守る
平時にできること|道具より先に整うもの
最後に、買い物では手に入らない備えを2つ挙げます。
予防接種の機会を逃さない
災害の前にできる感染症対策として、いちばん確実なのは、受けられる予防接種の機会を平時に逃さないことです。国立感染症研究所のリスクアセスメント表でも、避難所に感受性者(乳幼児やワクチン未接種者等)が居住する場合には麻疹などへの警戒が必要だと指摘され、破傷風については必要に応じて破傷風トキソイドの接種が行われるとされています。
厚生労働省の「予防接種・ワクチン情報」では、接種開始年齢別に受けられるワクチンの種類や効果、安全性などの情報が案内されています。何をいつ受けるかは、年齢・持病・お住まいの自治体の制度によって変わるため、かかりつけの医療機関や自治体の案内で確認してください。この記事では、個別の接種を勧めることはしません。
家族の持病と体調を「渡せる形」にしておく
体調が悪くなったとき、支援者や医療者に伝えるべき情報は、本人が話せる状態とは限りません。持病、飲んでいる薬、アレルギー、かかりつけ医、直近の体温。これらを1枚の紙にまとめ、お薬手帳や母子健康手帳とセットにしておくと、避難所の巡回相談や医療機関につながる場面で役立ちます。内閣府の取組指針でも、市町村が保健師等を巡回させ、避難所内の感染症の予防や疾患の発症・悪化予防のためのアセスメントやモニタリングを実施することとされています。伝える情報がそろっているほど、その巡回は家族の助けになります。
あわせて読みたい
持病の薬を災害で切らさない備え|お薬手帳・備蓄日数・災害時の特例をやさしく整理
よくある質問
アルコールの手指消毒薬があれば、手洗いはしなくてもよいですか
消毒用アルコールがあれば嘔吐物の処理もできますか
塩素系漂白剤はどのくらいに薄めればよいですか
断水中に手を洗うための水はどれくらい必要ですか
避難所ではマスクを着け続けたほうがよいですか
体調が悪い家族が出たら、避難所には行かないほうがよいですか
ペットがいる家庭で気をつけることはありますか
あわせて読みたい
ペットと一緒の防災|同行避難の基本と、フード・ケージ・しつけの備え
まとめ|衛生の備えは、いちばん静かに効く
災害時の感染症対策は、劇的な道具を必要としません。石けんとペーパータオル、アルコールの手指消毒薬、マスク、使い捨て手袋、ポリ袋、家庭用の塩素系漂白剤、体温計。この程度のものが、断水と停電のなかで家族の体調を守る主戦力になります。
今日の一歩としておすすめしたいのは、洗面所か玄関の収納に「衛生の箱」を1つ作ることです。使い捨て手袋、ペーパータオル、ポリ袋、マスク、手指消毒薬をまとめて入れておくだけで、夜中の嘔吐にも、断水初日の手洗いにも、そのまま対応できます。そのうえで、家族の誰が体調を崩したらどの部屋で休むかを、一度だけ話しておいてください。
なお、この記事は家庭の備えと生活手順の話であり、診断や治療の話ではありません。症状が続くとき、水分が取れないとき、持病がある家族の様子がいつもと違うときは、自己判断せず、自治体・保健所・医療機関の案内に従ってください。避難所での対応は、その避難所の運営方針と自治体の最新情報が優先されます。
あわせて読みたい
災害時の衛生・清潔グッズの選び方比較|断水でも体・口・手を清潔に保つ道具
出典・参考
- 災害時における避難所での感染症対策/厚生労働省
- 手洗いで感染症予防(リーフレット)/厚生労働省
- 咳エチケットで感染症予防(リーフレット)/厚生労働省
- 避難所内のトイレの衛生管理について(リーフレット)/厚生労働省
- 皆様へのお願い〜感染症予防のために〜(リーフレット)/厚生労働省
- ノロウイルスに関するQ&A/厚生労働省
- 避難生活における良好な生活環境の確保に向けた取組指針(平成25年8月・令和6年12月改定)/内閣府(防災担当)
- 避難所運営等避難生活支援のためのガイドライン(令和6年12月改定)/内閣府(防災担当)
- 自治体向けの避難所に関する取組指針・ガイドラインの改定について(令和6年12月13日)/内閣府(防災担当)
- 避難所の生活環境対策/内閣府 防災情報のページ
- 在宅・車中泊避難者等の支援の手引き(令和6年6月)/内閣府(防災担当)
- 災害と感染症ポータル/国立健康危機管理研究機構
- 令和6年能登半島地震による石川県における被害・感染症に関するリスクアセスメント表(2024年2月1日現在)/国立感染症研究所
- 災害時における避難所等での感染症対策について/千葉県
- 予防接種・ワクチン情報/厚生労働省
関連する記事
避難所での過ごし方|安全・衛生・体調を守る生活の基本
自宅が危険なときに身を寄せる避難所。受付での伝え方や共同生活のルール、就寝スペースとプライバシー、手洗いなどの衛生、エコノミークラス症候群の予防や暑さ寒さ対策、要配慮者への目配りまで、安全・健康に過ごす基本を公的機関の目安で整理しました。
在宅避難の進め方|自宅で避難生活を続けるための準備と判断の基準
自宅が安全なら、避難所に行かず自宅で過ごす「在宅避難」も選択肢になります。選べる条件の見極め方、水・トイレ・明かりなど必要な備え、ライフラインが止まった暮らしの工夫、物資や情報の受け取り方、避難所へ切り替える判断までを整理しました。
災害時の衛生・清潔グッズの選び方比較|断水でも体・口・手を清潔に保つ道具
断水や避難生活で水が使えないと、体・口・手の清潔を保ちにくく、感染症や体調悪化、口腔トラブルにつながりやすくなります。からだ拭きシート・ドライシャンプー・口腔ケア用品・除菌ウェットティッシュを、水がいらないか・肌への刺激・携帯性などの観点で比較し、家庭で備える手順をまとめました。


